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白き廊下に、焦りの声を落として
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僕は不敬なことは承知の上で、手足をばたつかせながら必死に抵抗した。
「降ろしてください、王太子殿下!」
声を張り上げても、殿下の腕はびくともしない。肩に抱えられた重みと、圧倒的な存在感が体を押さえつける。
「開けろ」
背後から扉がゆっくりと開く音が聞こえた。
殿下が歩き出したことで、騎士たちが会場の出入り口を開放したのだと、僕は自然と察した。
肩の上で微かに揺れながらも、どうすることもできず、ただ息を呑むばかりだった。
背後では会場のざわめきが、扉がゆっくり閉まる音とともに次第に遠ざかる。リリアナの声も、今はもう耳に届かない。
周囲に人影はなく、廊下は静まり返っている。肩に担がれたままの僕には、この先に何があるのか、どこに繋がっているのか、全く見当がつかなかった。
まさか、婚約者の社交界デビューの日に、初めて訪れた隣国の王宮の中を、王太子殿下に肩に担がれながら進むことになるなんて……夢にも思わなかった。
どんなに抵抗しても、殿下はびくともしない。
けれど、少しずつ体勢も苦しくなってきた。肩に押しつけられた腹のあたりがずきりと痛む。
「逃げたりしませんから、降ろしてください! 痛いんです!」
その言葉に、王太子殿下の体がぴくりと動いた。
すぐに足を止め、顔を青ざめさせながら慌てて僕を降ろす。
「悪かった……! すまない、痛むか? 傷は……?」
焦りを滲ませながら、殿下は僕の体に手を伸ばし、服の裾をそっとめくろうとする。
「な、何をするんですか!」
僕は慌てて手で押さえ、思わず抗議した。
殿下はその場で動きを止め、ほんの一瞬だけ息を詰めたように黙り込む。そして、眉を寄せたまま、僕を真っ直ぐ見つめた。
その視線に、心臓がぎゅっと締め付けられる。
「……すまない。痛い思いをさせるつもりはなかったんだ」
静かな廊下に、低く響く声だけが落ちていく。
「降ろしてください、王太子殿下!」
声を張り上げても、殿下の腕はびくともしない。肩に抱えられた重みと、圧倒的な存在感が体を押さえつける。
「開けろ」
背後から扉がゆっくりと開く音が聞こえた。
殿下が歩き出したことで、騎士たちが会場の出入り口を開放したのだと、僕は自然と察した。
肩の上で微かに揺れながらも、どうすることもできず、ただ息を呑むばかりだった。
背後では会場のざわめきが、扉がゆっくり閉まる音とともに次第に遠ざかる。リリアナの声も、今はもう耳に届かない。
周囲に人影はなく、廊下は静まり返っている。肩に担がれたままの僕には、この先に何があるのか、どこに繋がっているのか、全く見当がつかなかった。
まさか、婚約者の社交界デビューの日に、初めて訪れた隣国の王宮の中を、王太子殿下に肩に担がれながら進むことになるなんて……夢にも思わなかった。
どんなに抵抗しても、殿下はびくともしない。
けれど、少しずつ体勢も苦しくなってきた。肩に押しつけられた腹のあたりがずきりと痛む。
「逃げたりしませんから、降ろしてください! 痛いんです!」
その言葉に、王太子殿下の体がぴくりと動いた。
すぐに足を止め、顔を青ざめさせながら慌てて僕を降ろす。
「悪かった……! すまない、痛むか? 傷は……?」
焦りを滲ませながら、殿下は僕の体に手を伸ばし、服の裾をそっとめくろうとする。
「な、何をするんですか!」
僕は慌てて手で押さえ、思わず抗議した。
殿下はその場で動きを止め、ほんの一瞬だけ息を詰めたように黙り込む。そして、眉を寄せたまま、僕を真っ直ぐ見つめた。
その視線に、心臓がぎゅっと締め付けられる。
「……すまない。痛い思いをさせるつもりはなかったんだ」
静かな廊下に、低く響く声だけが落ちていく。
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