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婚約破棄をした結果
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「お前との婚約を破棄する!!」
そんな王太子の宣言がパーティに響き渡る。
そしてその後の展開はよくある三文小説の通り。
王太子が主張する婚約者である公爵令嬢の悪事はすべて捏造。
実家の父親と義理の妹、そして王太子が恥をかく。
そして公爵令嬢は隣国の王子に結婚を申し込まれ、そのまま連れ去られる。
物語はそしてハッピーエンドで終わる、そんなザマアなストーリー。
「実際はそんなにきれいに終わらないですけどね」
「政略に基づく婚約を何だと思ってるんだか」
片方が婚約破棄を主張し、もう片方も未練なく他の男に乗り移るぐらいの間柄なんて、政略に基づく関係しかありえない。
当然その婚約、そしてその後の結婚に多大な意味があるわけであり、それを破棄した責任がどちらにあるか、というのはあまり重要ではない。重要なのはその婚約、そしてその後の結婚が続くことなのだから。
当然そんな政治的に重要なものを破棄すれば、各方面に大問題が生じる。それをそのパーティにいた参加者は誰もわかっていなかった。つまり皆愚かだったということである。
「一番の問題は公爵領をどうするかだよね」
「隣国は正当な血筋の娘を王太子妃にしたことを理由に宗主権を主張してるんだろう」
「そんなの公爵家側が認めるわけないだろう?」
公爵家の正当な跡取りは婚約破棄された公爵令嬢である。前公爵は亡くなった彼女の母親であり、父親は単に公爵代行でしかない。正当な血筋の娘がいる限り後見をしていると主張できただろうが、今ではそれも無理である。ましてや外の女と作った彼女の義妹には正当な権利など何もないのだ。
にもかかわらず、実家で義妹がちやほやされて、公爵令嬢が虐げられていたのは単純に公爵令嬢が見限られていたからに他ならない。確かに彼女は学園での成績はトップだった。だが、他人との付き合いがかなり苦手だったようで、ほとんどの有力家臣から支持を得られていなかった。
実際に村に滞在し領地を動かしている村長連中は村社会の中で育ったまとめ役であるが、そういった実働の層の人間に公爵令嬢はえらく受けが悪かった。
村を回ってそれぞれの場所から陳情を受けもめ事を裁いていく。それが上層部といわれる人間の仕事であり、実質的に公爵である公爵令嬢の仕事なのだが、それを公爵令嬢は強引に効率化した。何かあれば村から書状を送り、それをもとに紛争を裁く制度を整えたのだ。確かにこれならば関係者全員がぞろぞろとお偉いさんに会いに行く必要もないし、上層部もいちいち広い公爵領を回って紛争を解決する必要がない。非常に効率的だ。
だが、領地を回るのは紛争解決のためだけではない。顔見世をして、支配者が誰かを認識させて、支持を集めるという意味もあるのだが、それを簡略化したのだから人心は離れていく一方である。
また、村長レベルとなるとそう学があるわけでもないため、手紙を出すことすら一苦労なものも多い。文字が書けても他人に伝わる文章が書けるかというのも別なのである。そうすると小賢しい奴らが得をして、正しくとも愚かな村長の村が損をする。そうなってしまえば支持も何もあった者ではない。
そんな殺伐とした雰囲気が流れ始めた公爵領を半分遊んでいたとはいえ回っていたのが義妹と公爵代行なのだ。偉そうに支持をするだけの人間と実際顔を合わせて話を聞いてくれる人間のどちらに支持が集まるかなど誰にでもわかる話だった。
結局下層の家臣や実務を担う家臣から支持を得た公爵代行と義妹、古参の家臣に血統ゆえ支持された公爵令嬢と派閥がわかれそうになったのだが、公爵令嬢は古参の家臣にも喧嘩を売った。今までの慣習を悪習と断じ、改革案をどんどんと提出していったのだ。合理的に考えれば、理屈で考えれば公爵令嬢の方が正しい場合が多かったが、だが、一見間違っている法も理由があるのだ。一番はそれを実施できるだけの人員がいないということだ。
先ほど言った通り、公爵令嬢は実務を担う家臣らに嫌われている。だから彼女の出した改革案を真面目に取り組もうとしない。一方古参の家臣は既存のやり方を守ろうとする。
結局彼女はほとんどの家臣に無駄に喧嘩を売ったのだ。
これではいくら学園で成績が良く、王妃教育も順調だったとしても問題しかない。
もっとも公爵領の家臣と公爵令嬢が揉めるのは王家には都合のいい部分も多かった。
かつて幾度となく矛を交えた王家と公爵家。今回総領娘である公爵令嬢を王妃にすることで公爵領を王国に取り込むというのが今回の政略であった。公爵家が一致団結して反抗されるのが王家にとって一番厄介な状況であり、正当な血統の娘と公爵家の家臣の不和は政略的に王家には都合がよかった。
今回隣国の王子がその公爵令嬢をさらったわけで、確かに血統上の正当性は100%向こうにあるだろう。
だが、公爵領側はもう誰も彼女についていかないだろう。多少残っていた彼女を支持していた家臣も、隣国に逃亡するような薄情な主人に尻尾を振り続けるわけがない。正当な血筋だからこそ彼女が逃げるべきは公爵領だったはずで、隣国などに行ってしまったら誰も支持をしないのは明らかだった。
どうやら隣国の王子もそういった情報をつかんでいないように見える。そういった情報をつかんでいたら彼女のような不良債権を自国に引き取るはずがない。最低でも公爵領に送るはずだ。結局隣国の王子も勉強ができるだけの愚か者、だったということである。
「でも誰があそこを支配する?」
「本当は公爵代行がいいんだが…… 難しいよな……」
「王家が名目上の支配者になって、公爵代行を代官にするのは?」
「多分難しいだろうな」
現状実質公爵領を動かしているのは公爵代行であるが、彼をトップに据えるのはそれはそれで問題があった。なんせ彼自身は別に公爵家の血を引いていないのだ。それを公爵家のトップに据えれば公爵家の乗っ取りに他ならない。
これに反発するのは公爵家以上に、王国の他の家臣である。このような乗っ取りの先例を作れば、他でも同じような乗っ取り、すなわち婿養子が正当な娘や息子を排除して本来の正当な血統ではない子を跡取り付かせる、ということが行われるかもしれない。
そんな前例が起きれば、婿でも嫁でも、外部から来た者を非常に警戒しないといけなくなる。今までどうやっても正当な血統でなければ跡継ぎになれなかったからこそ、嫁でも婿でも警戒せずに済んだのだから。
そうすると無主の地として王家が接収し、そこに公爵代行を代官として実質今と同じ状況を作るとなるのだが、それには2点問題があった。
一つは公爵領の正当な後継ぎである公爵令嬢がまだいることだ。いくら支持されていなくても、正当な後継ぎがいる限り無主の地というのは無理がある。
もう一つは公爵家側が王家に良い感情を抱いているわけではないことだ。むしろ歴史をたどれば敵国同士だったわけで、お互い良くは思っていないのだ。いくら後継ぎがあれでも、王家につくかといわれるとまた別の問題であった。
とはいえむざむざ隣国に渡すわけにもいかない。
公爵領は本当に困った場所になっていた。
「で、王子様はどうなったのよ」
「ひとまず病死。婚約破棄は錯乱した結果口走った妄言だって」
「まあそうするしかないよな。あれ本当にバカだったからな」
公爵令嬢が勉強ができるバカだとしたら、王太子は勉強もできないバカだった。顔の良さと音楽の才能でどうにか今までやってきたが、バカなのに無駄に自尊心が高いせいで、傀儡にも慣れないクソ野郎だった。
とはいえ彼以外には王に子はなく、それ以外の王位継承権者となるとそこそこ血が遠くなる上、血が濃い王位継承権者より血が薄い王位継承権者の方が貴族としての格が上だったりすることもあり、廃嫡するにも問題が多いため今までなあなあにしていたのがあのバカ王太子であった。
今回、その辺のどうでもいい女に不倫した挙句、王家から見て絶対婚約破棄してはいけないものを婚約破棄した以上、もうどうしようもないとさくっと処分し、錯乱した妄言として婚約者を攫った隣国の王子を非難しているのが現状である。
「今後どうなるのかね」
「ひとまず公爵家の継承戦争が起きるだろ。隣国と、侯爵と、うちの王家で」
「いやだねぇ」
「で、王家も今の王が亡くなれば王位継承戦争が始まる可能性が高いでしょ。余程長生きして余程後継者が既成事実を積み上げない限り」
「戦争に次ぐ戦争か」
公爵家の継承権も、王家の継承権も、自国だけでなく他国の王家や貴族も持っていることが多い。
介入する口実はそこら中にあるのだ。
「政略結婚、の意味が解ってないのかね」
「わかってないからこうなったんでしょ」
「ちがいない」
政略結婚は政略に基づいた結婚である。結婚という手段を使わねばならないほど重要な政略なのだから、破棄していいはずがないのだ。
破棄すればどうなるかといわれれば状況にもよるが、最悪このように戦争が多発することになる。
「で、ご主人様はどうするんですか?」
「こうなったら立つしかないだろ」
せっかく隠れて穏やかに暮らしていたのに、と庶子の王子はため息をついた。
そんな王太子の宣言がパーティに響き渡る。
そしてその後の展開はよくある三文小説の通り。
王太子が主張する婚約者である公爵令嬢の悪事はすべて捏造。
実家の父親と義理の妹、そして王太子が恥をかく。
そして公爵令嬢は隣国の王子に結婚を申し込まれ、そのまま連れ去られる。
物語はそしてハッピーエンドで終わる、そんなザマアなストーリー。
「実際はそんなにきれいに終わらないですけどね」
「政略に基づく婚約を何だと思ってるんだか」
片方が婚約破棄を主張し、もう片方も未練なく他の男に乗り移るぐらいの間柄なんて、政略に基づく関係しかありえない。
当然その婚約、そしてその後の結婚に多大な意味があるわけであり、それを破棄した責任がどちらにあるか、というのはあまり重要ではない。重要なのはその婚約、そしてその後の結婚が続くことなのだから。
当然そんな政治的に重要なものを破棄すれば、各方面に大問題が生じる。それをそのパーティにいた参加者は誰もわかっていなかった。つまり皆愚かだったということである。
「一番の問題は公爵領をどうするかだよね」
「隣国は正当な血筋の娘を王太子妃にしたことを理由に宗主権を主張してるんだろう」
「そんなの公爵家側が認めるわけないだろう?」
公爵家の正当な跡取りは婚約破棄された公爵令嬢である。前公爵は亡くなった彼女の母親であり、父親は単に公爵代行でしかない。正当な血筋の娘がいる限り後見をしていると主張できただろうが、今ではそれも無理である。ましてや外の女と作った彼女の義妹には正当な権利など何もないのだ。
にもかかわらず、実家で義妹がちやほやされて、公爵令嬢が虐げられていたのは単純に公爵令嬢が見限られていたからに他ならない。確かに彼女は学園での成績はトップだった。だが、他人との付き合いがかなり苦手だったようで、ほとんどの有力家臣から支持を得られていなかった。
実際に村に滞在し領地を動かしている村長連中は村社会の中で育ったまとめ役であるが、そういった実働の層の人間に公爵令嬢はえらく受けが悪かった。
村を回ってそれぞれの場所から陳情を受けもめ事を裁いていく。それが上層部といわれる人間の仕事であり、実質的に公爵である公爵令嬢の仕事なのだが、それを公爵令嬢は強引に効率化した。何かあれば村から書状を送り、それをもとに紛争を裁く制度を整えたのだ。確かにこれならば関係者全員がぞろぞろとお偉いさんに会いに行く必要もないし、上層部もいちいち広い公爵領を回って紛争を解決する必要がない。非常に効率的だ。
だが、領地を回るのは紛争解決のためだけではない。顔見世をして、支配者が誰かを認識させて、支持を集めるという意味もあるのだが、それを簡略化したのだから人心は離れていく一方である。
また、村長レベルとなるとそう学があるわけでもないため、手紙を出すことすら一苦労なものも多い。文字が書けても他人に伝わる文章が書けるかというのも別なのである。そうすると小賢しい奴らが得をして、正しくとも愚かな村長の村が損をする。そうなってしまえば支持も何もあった者ではない。
そんな殺伐とした雰囲気が流れ始めた公爵領を半分遊んでいたとはいえ回っていたのが義妹と公爵代行なのだ。偉そうに支持をするだけの人間と実際顔を合わせて話を聞いてくれる人間のどちらに支持が集まるかなど誰にでもわかる話だった。
結局下層の家臣や実務を担う家臣から支持を得た公爵代行と義妹、古参の家臣に血統ゆえ支持された公爵令嬢と派閥がわかれそうになったのだが、公爵令嬢は古参の家臣にも喧嘩を売った。今までの慣習を悪習と断じ、改革案をどんどんと提出していったのだ。合理的に考えれば、理屈で考えれば公爵令嬢の方が正しい場合が多かったが、だが、一見間違っている法も理由があるのだ。一番はそれを実施できるだけの人員がいないということだ。
先ほど言った通り、公爵令嬢は実務を担う家臣らに嫌われている。だから彼女の出した改革案を真面目に取り組もうとしない。一方古参の家臣は既存のやり方を守ろうとする。
結局彼女はほとんどの家臣に無駄に喧嘩を売ったのだ。
これではいくら学園で成績が良く、王妃教育も順調だったとしても問題しかない。
もっとも公爵領の家臣と公爵令嬢が揉めるのは王家には都合のいい部分も多かった。
かつて幾度となく矛を交えた王家と公爵家。今回総領娘である公爵令嬢を王妃にすることで公爵領を王国に取り込むというのが今回の政略であった。公爵家が一致団結して反抗されるのが王家にとって一番厄介な状況であり、正当な血統の娘と公爵家の家臣の不和は政略的に王家には都合がよかった。
今回隣国の王子がその公爵令嬢をさらったわけで、確かに血統上の正当性は100%向こうにあるだろう。
だが、公爵領側はもう誰も彼女についていかないだろう。多少残っていた彼女を支持していた家臣も、隣国に逃亡するような薄情な主人に尻尾を振り続けるわけがない。正当な血筋だからこそ彼女が逃げるべきは公爵領だったはずで、隣国などに行ってしまったら誰も支持をしないのは明らかだった。
どうやら隣国の王子もそういった情報をつかんでいないように見える。そういった情報をつかんでいたら彼女のような不良債権を自国に引き取るはずがない。最低でも公爵領に送るはずだ。結局隣国の王子も勉強ができるだけの愚か者、だったということである。
「でも誰があそこを支配する?」
「本当は公爵代行がいいんだが…… 難しいよな……」
「王家が名目上の支配者になって、公爵代行を代官にするのは?」
「多分難しいだろうな」
現状実質公爵領を動かしているのは公爵代行であるが、彼をトップに据えるのはそれはそれで問題があった。なんせ彼自身は別に公爵家の血を引いていないのだ。それを公爵家のトップに据えれば公爵家の乗っ取りに他ならない。
これに反発するのは公爵家以上に、王国の他の家臣である。このような乗っ取りの先例を作れば、他でも同じような乗っ取り、すなわち婿養子が正当な娘や息子を排除して本来の正当な血統ではない子を跡取り付かせる、ということが行われるかもしれない。
そんな前例が起きれば、婿でも嫁でも、外部から来た者を非常に警戒しないといけなくなる。今までどうやっても正当な血統でなければ跡継ぎになれなかったからこそ、嫁でも婿でも警戒せずに済んだのだから。
そうすると無主の地として王家が接収し、そこに公爵代行を代官として実質今と同じ状況を作るとなるのだが、それには2点問題があった。
一つは公爵領の正当な後継ぎである公爵令嬢がまだいることだ。いくら支持されていなくても、正当な後継ぎがいる限り無主の地というのは無理がある。
もう一つは公爵家側が王家に良い感情を抱いているわけではないことだ。むしろ歴史をたどれば敵国同士だったわけで、お互い良くは思っていないのだ。いくら後継ぎがあれでも、王家につくかといわれるとまた別の問題であった。
とはいえむざむざ隣国に渡すわけにもいかない。
公爵領は本当に困った場所になっていた。
「で、王子様はどうなったのよ」
「ひとまず病死。婚約破棄は錯乱した結果口走った妄言だって」
「まあそうするしかないよな。あれ本当にバカだったからな」
公爵令嬢が勉強ができるバカだとしたら、王太子は勉強もできないバカだった。顔の良さと音楽の才能でどうにか今までやってきたが、バカなのに無駄に自尊心が高いせいで、傀儡にも慣れないクソ野郎だった。
とはいえ彼以外には王に子はなく、それ以外の王位継承権者となるとそこそこ血が遠くなる上、血が濃い王位継承権者より血が薄い王位継承権者の方が貴族としての格が上だったりすることもあり、廃嫡するにも問題が多いため今までなあなあにしていたのがあのバカ王太子であった。
今回、その辺のどうでもいい女に不倫した挙句、王家から見て絶対婚約破棄してはいけないものを婚約破棄した以上、もうどうしようもないとさくっと処分し、錯乱した妄言として婚約者を攫った隣国の王子を非難しているのが現状である。
「今後どうなるのかね」
「ひとまず公爵家の継承戦争が起きるだろ。隣国と、侯爵と、うちの王家で」
「いやだねぇ」
「で、王家も今の王が亡くなれば王位継承戦争が始まる可能性が高いでしょ。余程長生きして余程後継者が既成事実を積み上げない限り」
「戦争に次ぐ戦争か」
公爵家の継承権も、王家の継承権も、自国だけでなく他国の王家や貴族も持っていることが多い。
介入する口実はそこら中にあるのだ。
「政略結婚、の意味が解ってないのかね」
「わかってないからこうなったんでしょ」
「ちがいない」
政略結婚は政略に基づいた結婚である。結婚という手段を使わねばならないほど重要な政略なのだから、破棄していいはずがないのだ。
破棄すればどうなるかといわれれば状況にもよるが、最悪このように戦争が多発することになる。
「で、ご主人様はどうするんですか?」
「こうなったら立つしかないだろ」
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