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31 もう十分なほど
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目を覚ますと、まだ昼を過ぎたぐらいの時間だった。ベッドにアレックスの姿はなかったが、体液でべたべたになっていたはずのリュカの身体は清められている。アレックスが拭いてくれたのだろう。
ふと、自分の首に違和感を覚えて手を当てると、見覚えのないネックレスが首にかけられていた。大きな青い宝石がついていて、ひと目で高価なものだとわかる。鎖は華奢で、女性物に見えた。
「どうして……」
ほかにだれもいない以上、ネックレスをリュカにつけたのはアレックスしかいない。魔力供給となにか関係があるのかもしれないから、アレックスに確認するまでは外さないほうがいいだろう。
服を身につけてから寝室を出たが、アレックスは見当たらず、外出しているようだった。机の上に書き置きも残されていない。
いまのうちにウィルフリッドのところへ行くべきだ。頭ではそうわかっていても、なかなか身体が動かない。のろのろと重い足取りで廊下へ続くドアの前まで歩いていき、ドアノブをそっと握った。
この部屋を一度出てしまったら、もう二度と戻ってこられないかもしれない。もう二度とアレックスに会えないかもしれない。そう考えるとなおさら動けなくなった。
だが、いつまでもここにはいられない。妹のために、早く金を工面しなければならないのだから。
騎士団を辞める前にアレックスと会うことができたら、そのときはすべてを話したい。そう思いながらドアノブを捻って、首を傾げた。鍵は開閉できるのに、ドアノブが動かない。今朝と同じだ。
執務机の上にある魔道具で職員を呼ぼうと思い、リュカがドアノブから手を離したとき、ひとりでにドアが開いた。
「アレックス隊長……」
外側からドアを開けたのは、アレックスだった。リュカの姿を目にした瞬間、アレックスの瞳が怒りに染まる。
「どこへ行くつもりだ?」
「あの……ウィルフリッド殿下にお話があって、少し――」
「だめだ、外出は許可しない」
リュカが言い終えるよりも早く、アレックスに腕をつかまれた。そのまま腕を引かれ、強引に寝室まで連れていかれた。
「あの、さっきドアが開かなかったんです。一度、見てもらったほうがいいかもしれません」
「その必要はない。おまえが部屋から出られないよう、魔法で細工をしたのはオレだからな」
「……え?」
「心配しなくても、訓練には行かせてやる。それとも、おまえには訓練よりもあいつに会えないことのほうが重要か?」
「……はい」
きっと怒らせるのだろうと思いながらも正直に答えると、案の定アレックスは激高し、リュカをベッドへ乱暴に押し倒した。
「おまえがいくら魔力欠乏体質でも、ウィルフリッドはおまえに魔力を供給できない」
「……そう簡単に抱いてもらえるとは思っていません」
その答えはアレックスを余計に怒らせた。シャツの合わせ目をアレックスに引っ張られ、ボタンが吹き飛ぶ。リュカの首にあるネックレスに指先で触れ、うつくしい顔をこちらに近づけながらアレックスが低い声を出した。
「説得できるかどうかの話じゃない。このネックレスを身につけている限り、おまえはオレ以外の人間から魔力を供給してもらうことはできない。あきらめろ」
「……これは、魔道具ですか?」
「ああ。そういう魔法を付与してある」
「だれかが俺に魔力を供給すると、どうなりますか?」
「魔力を供給しようとした相手が、魔力欠乏体質と似たような症状に襲われる。嘘だと思うなら試してみるか?」
「いえ……」
アレックスがそんな嘘をつくとは思えなかった。リュカは魔力欠乏体質の苦しさをだれよりも知っている。試してみようという気にもなれなかった。
「ネックレス自体を外そうとしても無駄だ。つけたものにしか外せないようになっている」
「こんなものを、どうして……」
「どうして? おまえが、オレのものだからだ」
それが当然であるかのようにアレックスは言った。しかし、それが本心とは思えなかった。
「このままでは、俺はここに来た役目を果たせません。お願いします、ネックレスを外してください」
「……役目、か。父親に第二王子の寵愛を得てこいとでも言われたか?」
「気づいていたんですか……?」
「あいつに下心を持って近づくやつは昔から多かった。おまえは、はじめからウィルフリッドと会いたいと言っていたからな。もしかしてとは思っていたが……確信したのは、おまえが父に持たされたという香油だ。それに、キルシュバウム家が財政難に陥っていることは知っている」
「だったら……」
「あいつはだめだ、おまえの手には負えない。痛い目を見るだけだ」
「……アレックス隊長は、俺を心配してくれているんですか?」
間近で水色の目が見開かれる。図星を突かれたのか、アレックスは視線を逸らし、身体を起こした。
「殿下が俺に興味がないのはわかっています。それでも、俺は殿下と話がしたいんです」
「……あいつには、想いびとがいる」
「そうですか。でも、問題はありません。殿下に気に入っていただけるのなら、それが身体だけであってもかまいません」
「…………は?」
愕然とした顔で、アレックスがこちらを見てくる。
「それほどまでに、あいつに抱かれたいか? ……それほどまでに、あいつのことが好きか?」
どうしてアレックスがそんな勘違いをしたのかわからなかった。
「いえ、俺は殿下に特別な感情を持っていません」
「……本当のことを言え。本当は、あいつのことが好きなんだろう。そうでなければ、なぜ父親の言いなりになる?」
「父が望んでいるのは、俺が殿下の寵愛を得て援助をしていただくことですが、俺の目的はべつにあります。俺が殿下を誘惑できなければ、妹は家のために望まぬ婚姻を強いられます。妹には、しあわせになってほしいんです。……好きな相手と結ばれてほしい」
リュカの返事を聞いて、アレックスが茫然とした顔になる。だが、またすぐに眉をつりあげた。
「それで、おまえが慰み者になるのをオレが許すと思うのか? オレがおまえの家に援助をすればいいだけの話だろう」
やっぱり、このひとはやさしい。
もう十分なほど、しあわせだった。アレックスにしあわせにしてもらった。だから、もうどうなってもかまわない。
「だめです。父はきっと、大金を吹っかけてきます。あなたを利用し続けるでしょう」
「金なんか、いくらでもくれてやる」
アレックスがくれるやさしさがうれしい。でも、これ以上このひとのやさしさに甘えてはいけない。
「俺がいやなんです。あなたを巻き込みたくない。……それに、あなたにお金で買われるのは、いやだ」
はっとした顔で、アレックスがこちらを見つめてくる。きっと、リュカが抱えている気持ちに気づいたはずだ。
「どうして、オレに金で買われるのがいやだと思うんだ?」
「――それは、俺が……」
リュカがアレックスの問いかけに答えようとしたとき、廊下に通じるドアがふいにノックされた。寝室からではやや遠いが、はっきりと聞こえる。
当然、アレックスにも聞こえているはずだが、それを無視して「続きを」と促してきた。
「……でも」
ノックの音はどんどん大きくなっている。さっきから途切れることもない。かなり急ぎの用件なのではないだろうか。
さすがに無視できなくなったのか、アレックスが舌打ちして腰を上げる。
「おまえは寝室から出るな」
「はい」
ふと、自分の首に違和感を覚えて手を当てると、見覚えのないネックレスが首にかけられていた。大きな青い宝石がついていて、ひと目で高価なものだとわかる。鎖は華奢で、女性物に見えた。
「どうして……」
ほかにだれもいない以上、ネックレスをリュカにつけたのはアレックスしかいない。魔力供給となにか関係があるのかもしれないから、アレックスに確認するまでは外さないほうがいいだろう。
服を身につけてから寝室を出たが、アレックスは見当たらず、外出しているようだった。机の上に書き置きも残されていない。
いまのうちにウィルフリッドのところへ行くべきだ。頭ではそうわかっていても、なかなか身体が動かない。のろのろと重い足取りで廊下へ続くドアの前まで歩いていき、ドアノブをそっと握った。
この部屋を一度出てしまったら、もう二度と戻ってこられないかもしれない。もう二度とアレックスに会えないかもしれない。そう考えるとなおさら動けなくなった。
だが、いつまでもここにはいられない。妹のために、早く金を工面しなければならないのだから。
騎士団を辞める前にアレックスと会うことができたら、そのときはすべてを話したい。そう思いながらドアノブを捻って、首を傾げた。鍵は開閉できるのに、ドアノブが動かない。今朝と同じだ。
執務机の上にある魔道具で職員を呼ぼうと思い、リュカがドアノブから手を離したとき、ひとりでにドアが開いた。
「アレックス隊長……」
外側からドアを開けたのは、アレックスだった。リュカの姿を目にした瞬間、アレックスの瞳が怒りに染まる。
「どこへ行くつもりだ?」
「あの……ウィルフリッド殿下にお話があって、少し――」
「だめだ、外出は許可しない」
リュカが言い終えるよりも早く、アレックスに腕をつかまれた。そのまま腕を引かれ、強引に寝室まで連れていかれた。
「あの、さっきドアが開かなかったんです。一度、見てもらったほうがいいかもしれません」
「その必要はない。おまえが部屋から出られないよう、魔法で細工をしたのはオレだからな」
「……え?」
「心配しなくても、訓練には行かせてやる。それとも、おまえには訓練よりもあいつに会えないことのほうが重要か?」
「……はい」
きっと怒らせるのだろうと思いながらも正直に答えると、案の定アレックスは激高し、リュカをベッドへ乱暴に押し倒した。
「おまえがいくら魔力欠乏体質でも、ウィルフリッドはおまえに魔力を供給できない」
「……そう簡単に抱いてもらえるとは思っていません」
その答えはアレックスを余計に怒らせた。シャツの合わせ目をアレックスに引っ張られ、ボタンが吹き飛ぶ。リュカの首にあるネックレスに指先で触れ、うつくしい顔をこちらに近づけながらアレックスが低い声を出した。
「説得できるかどうかの話じゃない。このネックレスを身につけている限り、おまえはオレ以外の人間から魔力を供給してもらうことはできない。あきらめろ」
「……これは、魔道具ですか?」
「ああ。そういう魔法を付与してある」
「だれかが俺に魔力を供給すると、どうなりますか?」
「魔力を供給しようとした相手が、魔力欠乏体質と似たような症状に襲われる。嘘だと思うなら試してみるか?」
「いえ……」
アレックスがそんな嘘をつくとは思えなかった。リュカは魔力欠乏体質の苦しさをだれよりも知っている。試してみようという気にもなれなかった。
「ネックレス自体を外そうとしても無駄だ。つけたものにしか外せないようになっている」
「こんなものを、どうして……」
「どうして? おまえが、オレのものだからだ」
それが当然であるかのようにアレックスは言った。しかし、それが本心とは思えなかった。
「このままでは、俺はここに来た役目を果たせません。お願いします、ネックレスを外してください」
「……役目、か。父親に第二王子の寵愛を得てこいとでも言われたか?」
「気づいていたんですか……?」
「あいつに下心を持って近づくやつは昔から多かった。おまえは、はじめからウィルフリッドと会いたいと言っていたからな。もしかしてとは思っていたが……確信したのは、おまえが父に持たされたという香油だ。それに、キルシュバウム家が財政難に陥っていることは知っている」
「だったら……」
「あいつはだめだ、おまえの手には負えない。痛い目を見るだけだ」
「……アレックス隊長は、俺を心配してくれているんですか?」
間近で水色の目が見開かれる。図星を突かれたのか、アレックスは視線を逸らし、身体を起こした。
「殿下が俺に興味がないのはわかっています。それでも、俺は殿下と話がしたいんです」
「……あいつには、想いびとがいる」
「そうですか。でも、問題はありません。殿下に気に入っていただけるのなら、それが身体だけであってもかまいません」
「…………は?」
愕然とした顔で、アレックスがこちらを見てくる。
「それほどまでに、あいつに抱かれたいか? ……それほどまでに、あいつのことが好きか?」
どうしてアレックスがそんな勘違いをしたのかわからなかった。
「いえ、俺は殿下に特別な感情を持っていません」
「……本当のことを言え。本当は、あいつのことが好きなんだろう。そうでなければ、なぜ父親の言いなりになる?」
「父が望んでいるのは、俺が殿下の寵愛を得て援助をしていただくことですが、俺の目的はべつにあります。俺が殿下を誘惑できなければ、妹は家のために望まぬ婚姻を強いられます。妹には、しあわせになってほしいんです。……好きな相手と結ばれてほしい」
リュカの返事を聞いて、アレックスが茫然とした顔になる。だが、またすぐに眉をつりあげた。
「それで、おまえが慰み者になるのをオレが許すと思うのか? オレがおまえの家に援助をすればいいだけの話だろう」
やっぱり、このひとはやさしい。
もう十分なほど、しあわせだった。アレックスにしあわせにしてもらった。だから、もうどうなってもかまわない。
「だめです。父はきっと、大金を吹っかけてきます。あなたを利用し続けるでしょう」
「金なんか、いくらでもくれてやる」
アレックスがくれるやさしさがうれしい。でも、これ以上このひとのやさしさに甘えてはいけない。
「俺がいやなんです。あなたを巻き込みたくない。……それに、あなたにお金で買われるのは、いやだ」
はっとした顔で、アレックスがこちらを見つめてくる。きっと、リュカが抱えている気持ちに気づいたはずだ。
「どうして、オレに金で買われるのがいやだと思うんだ?」
「――それは、俺が……」
リュカがアレックスの問いかけに答えようとしたとき、廊下に通じるドアがふいにノックされた。寝室からではやや遠いが、はっきりと聞こえる。
当然、アレックスにも聞こえているはずだが、それを無視して「続きを」と促してきた。
「……でも」
ノックの音はどんどん大きくなっている。さっきから途切れることもない。かなり急ぎの用件なのではないだろうか。
さすがに無視できなくなったのか、アレックスが舌打ちして腰を上げる。
「おまえは寝室から出るな」
「はい」
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