その愛は

芙月みひろ

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その愛は

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 身代わりでもいいと言ったのは自分自身。

 悲しんでいるあなたを見続けるのが辛かったから。

 私では亡くなった双子の姉の代わりになれないことは分かっていたけれど、それでもいいと思った。
 
 なぜなら本当は私も、ずっとあなたのことが大好きだったから――。
 
 あなたの腕が私を抱き締めていても、あなたの唇が私の名前を刻んでいても、本当は姉のことを思い出していたことは分かっていた。
 
 それでもあなたの目が私を愛おしそうに見つめる度に、私は幸せな気持ちになれた。
 
 私の耳に囁くあなたの愛の言葉が、本当は私にとってはニセモノの愛の言葉なのだと分かっていても。

 私たちのこの関係は、ニセモノの恋人同士なのだと分かっていても。
 
 それを望んだのは私。これでいい。  
  
 だからお願い。まだしばらくはこのままでいさせて。

 




(了)
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