僕と猫とゲートキーパー ー 勝手に他人の半生を書いてみた(第3章)

kkkkk

文字の大きさ
3 / 24

おじさんは何の門番?

しおりを挟む


前鬼のボスが役小角(えんのおづの)らしいのだが、武は役小角のことを知らない。
役小角が分からずに話が進んでいくのは屈辱的だ。
なので、武は恥を忍んでお菊さんに聞いた。

「お菊さん、役小角って誰なの?」

「武くん、知らないの? あんなに有名な人なのに?」

「聞いたことないなー。僕の日常生活には出てこない人だよ」

「役行者様は飛鳥時代に有名になったんだ。当時の人は、鬼神を使役できるほどの法力を持っていたと伝えている。でもね、行者様は私と同じなの」

「妖怪ってこと?」

「うーん、説明が難しいな。人間は自分たちが理解できないものに対して特別な呼称を使うのよ。私のことを幽霊と言ったり、妖怪と言ったりするよね?」

「そうだね。じゃあ、妖怪じゃないなら何なの?」

「私たちの世界では普通の人よ」

「あのおじさんも?」
武はそう言うと前鬼を指さした。

「そうよ。私たちは地球とは別の惑星に暮らしている人類なの」

― 地球外生命体きたー

武の頭はSF映画で一杯になった。

「じゃあ、お菊さんはエイリアン(宇宙人)?」

「エイリアンよ。地球外生命体という定義では」

「あのおじさんも?」

「エイリアンよ」

― エイリアン・・・

武は考えを整理することにした。

お菊さんはエイリアン。
前鬼もエイリアン。
役小角もエイリアン。

エイリアンの役小角はエイリアンの前鬼の上司。
前鬼は地球外惑星の会社に働いているサラリーマン。

役小角はその会社の課長? 部長?

疑問に思った武は前鬼に聞いた。

「役小角は課長なの? 部長なの?」

「え? 課長? 部長?」
前鬼は返答に困っている。

前鬼は武の思考を整理しているようだ。

― なぜこの子供は役行者様を部長と思ったのか?

地球人の発想は前鬼には理解しにくい。
しばらく考えても分からなかったから、前鬼は武に聞いた。

「なぜ役行者様を部長だと思った?」

「だって、おじさんは別の惑星のサラリーマンでしょ。役小角はおじさんの上司だから、偉い人かと思ったんだよ。違う?」

「部長ではないな。それに俺はサラリーマンじゃない。国境警備隊だ。そして、行者様は国境警備隊の隊長だ」

「へー、軍隊なのかー」

武は前鬼たちの組織を理解したようだ。
武は改めて今の状況を整理し始めた。

国境警備隊が警備するのは国境。
国境警備隊の前鬼がここにいるということは・・・

― ここに国境がある?

武は前鬼に尋ねた。

「おじさんは国境を警備してるんだよね? ここに国境があるの?」

「ああ、あるぞ。これだ!」

前鬼はそう言うと、自分の後ろにある銅像を傾けた。

“ゴゴゴゴゴゴゴー”

すると、銅像の後ろにあった門が開いた。

米沢市の研究所でも同じようなことがあった。
武には既視感のある光景だ。

「また、ダンジョンが出てきたー」猫は喜んでいる。

「ここで話していると目立つから、中で話してもいいか?」と前鬼は言った。

武はお菊さんの方を見た。お菊さんは「いいよー」の表情をしている。

「いいよ。中に入ろう」と武は言った。

「じゃあ、ついてきな」
そう言うと前鬼は門の中に入っていった。

武、お菊さんと猫は前鬼に続いてゲートをくぐった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】『80年を超越した恋~令和の世で再会した元特攻隊員の自衛官と元女子挺身隊の祖母を持つ女の子のシンクロニシティラブストーリー』

M‐赤井翼
現代文学
赤井です。今回は「恋愛小説」です(笑)。 舞台は令和7年と昭和20年の陸軍航空隊の特攻部隊の宿舎「赤糸旅館」です。 80年の時を経て2つの恋愛を描いていきます。 「特攻隊」という「難しい題材」を扱いますので、かなり真面目に資料集めをして制作しました。 「第20振武隊」という実在する部隊が出てきますが、基本的に事実に基づいた背景を活かした「フィクション」作品と思ってお読みください。 日本を護ってくれた「先人」に尊敬の念をもって書きましたので、ほとんどおふざけは有りません。 過去、一番真面目に書いた作品となりました。 ラストは結構ややこしいので前半からの「フラグ」を拾いながら読んでいただくと楽しんでもらえると思います。 全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 それでは「よろひこー」! (⋈◍>◡<◍)。✧💖 追伸 まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。 (。-人-。)

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...