おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ

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1 ダンジョンに通ってます

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近所にダンジョンが出来た。
ふざけてる訳じゃない、ホントに出来たのだ。

ここ10年くらいで、世界中のあちこちにダンジョンが出来たらしいが、近所に出現したのは初めてで、ショッピングモールの開店かよっ、ていうくらい人が殺到した。

 潜った人たちが言うには、いわゆる雑魚ダンジョン、と言うやつらしい。
スライムとか採取系の薬草とか、せいぜいトカゲまで位の大した収入の見込めない
ダンジョンだそうだ。

 それでも近所の初心者たちが潜って慣れるまでは、しばらく賑わっていた。

 2年たった今、ここに来るのは、ダンジョンダイバーになったばかりの高校生か、私のように年金生活の足しにと、コツコツ潜るシニア層ぐらいだ。

 田中優子、61才。去年夫と死別。
子どもは一姫二太郎の2人。2人とも結婚して別の場所で、世帯を持っている。

 貯金と年金で、暮らしていけるけれども、余裕は多いに越したことはないよねー、と、ダンジョンに潜ることにした。

 シニアだって普通に働く場所はあったけれども、時間に融通が効いて人間関係を
気にしないで働けるという利点に天秤が傾いて、ダイバーになった。
 
 ダイバーとは言っても、私の武器はスライム対応の金槌と薬草やら樹の実を採取するナイフやハサミ程度なんだけど。
(ちなみに防具的なものは軍手で事足りてる)

 1日4時間位潜って、5~6千円
週に4~5日通ってる。年金の足しにするには充分かな。程々に体も動かせるし、お金もらってジム通いしてるみたいなものかな、と思ってる。

 軍手をはめて、スライムに金槌の釘抜きの方を突き刺して、核部分を採る。
これでだいたい100円。
ドロップで、吸収剤が出たら更に100円。

 スライムはしょっちゅう湧いて出るので、毎日処理しても翌日には元通りになってる。

 この核は、化粧品(潤い用)、ドロップ品の吸収剤は衛生用品(所謂おむつとか生理用品)の会社に買い取られるらしい。
 あとは医薬品会社に引き取られる薬草の採取。現代日本にポーション登場と思ったら、出来上がるのはポーションではなくて、主に錠剤や点滴、塗り薬だった。
 
 ポーションも無いわけじゃない。
ダンジョンの中で怪我をした時に、振掛けるだけでオッケー、と言うのはダイバーにとっては、やはり楽なので。

 ただポーションは持ち歩くのにかさ張るので、緊急時用に1~2本持つぐらいで、後は普通に薬で所持してる。

 この薬草が、下級だと100円、中級300円、上級のやつだと500円と
草刈りにしてはいいお値段が付くので、有り難い。

 もっと難易度の高いダンジョンだと、ファンタジーさながらの、ドロップアイテムのヒールポーションというのがあるらしい。
 
 これも等級があって、5級以上だとちぎれた四肢もくっつくらしい。
もちろん見たことなんてないのだが。
ファンタジー万歳。

 そういう理由で、シニアの私もダンジョンに通ってるのであった。



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