おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ

文字の大きさ
6 / 59

6 下の階に行ってみました

しおりを挟む
あれからお茶ポーションをボトルに入れて、ダンジョンに潜るのが習慣になった。ほとんど水代わりに飲んでいる。お陰で体調も良い。

 ケガの心配も減ったので、普段よりも下の階に行ってみることにした。

 聞くところによると、下の階、つまり3階は樹の実採取と蜂蜜採取の階らしい。
 戦う相手はもちろん虫。

 出来れば蜂とは遭遇したくない。

 虫は普通のサイズでも出会いたくないのに、ダンジョンサイズは…
ミツバチが10センチくらいある。しかも普通のミツバチに比べて気が荒い。性質はスズメバチ寄りなのだ。

行きたくない、行きたくないけど、樹の実を入れてアップルティー味の、ポーションにしたい。何ならレモンティー味も。オレンジティーも可。
 
 欲望は不快を凌駕するのだ。

 階段をゆっくりと降りて3階に向かう。

 第一印象は、公園?という感じ。

 花もあり、果実のなった木々がある。
下級の薬草もたくさんあり、見た感じちょっとだけ中級の薬草が見える。
薬草だけは、受付の春花ちゃんに頼んで、区別がつくくらいには見比べさせてもらった。

 中級と下級の薬草を採取する。

 中級が混ざったので、これだけでいつもより換金額が上がるはず、とほくそ笑む。

 一回で換金額が上がるということは、潜る回数を減らせる、と言う事だ。
遊んで暮らしたい私には、福音も同然だ。

 友達と何処か温泉にでも行こうかな~とニヤニヤ精算の結果を思い描いていたら、木々の間に蜂の巣を見つけてしまった。

 うわあ~見ちゃった~。

 後ろ歩きで後ずさる。顔は蜂の巣に向けたまま。

 通常サイズの蜂なら、養蜂とか蜂の巣退治の便利屋さんを参考になんとかするのだけれど、どう対応するのか全く思い浮かばない。

 蜂に見つからないことを祈りながら、スゴスゴと逃げ帰ったのでした。

 息を殺しながら、なんとか2階にたどり着いた私が深く息を吐いたその時。

 「うわあ~」と大声が聞こえた。

目をやると、明らかに蜂に襲われている若い男の子。
 
「目をつぶって口と鼻ふさいで」と彼に声をかけた。

 慌てて背中の荷物から殺虫剤を出して、男の子に向かってスプレーしまくる。

 サイズが違うので、効くかどうか心配だったけどひとまず蜂はいなくなった。

 男の子は蜂に刺されていて、ところどころ腫れていた上に私が殺虫剤をふりかけたので、息も絶え絶えだった。

 予備に持ってるお茶ポーションのボトルを彼の頭からドボドボかけると、時間を巻き戻したようにケガが治った。刺された場所はまだ少し赤かったので、念入りに
お茶ポーションをかけて洗う。

 毒素が残ってたら心配なので、ボトルの残りのポーションを飲ませる。

 「大丈夫?痛いところはない?」

 「え、ええっ?ダンジョン蜂に襲われたのに、痛くないです。なんで?」
と、彼は自分の身体や顔をペタペタ触って確かめていた。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

リンダの入念な逃走計画

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
愛人の子であるリンダは、先妻が亡くなったことで母親が後妻に入り侯爵令嬢となった。  特に家族との確執もないが、幼い時に受けた心の傷はリンダの歩みを決めさせる。 「貴族なんて自分には無理!」  そんな彼女の周囲の様子は、護衛に聞いた噂とは違うことが次々に分かっていく。  真実を知った彼女は、やっぱり逃げだすのだろうか? (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)

逆行転生って胎児から!?

章槻雅希
ファンタジー
冤罪によって処刑されたログス公爵令嬢シャンセ。母の命と引き換えに生まれた彼女は冷遇され、その膨大な魔力を国のために有効に利用する目的で王太子の婚約者として王家に縛られていた。家族に冷遇され王家に酷使された彼女は言われるままに動くマリオネットと化していた。 そんな彼女を疎んだ王太子による冤罪で彼女は処刑されたのだが、気づけば時を遡っていた。 そう、胎児にまで。 別の連載ものを書いてる最中にふと思いついて書いた1時間クオリティ。 長編予定にしていたけど、プロローグ的な部分を書いているつもりで、これだけでも短編として成り立つかなと、一先ずショートショートで投稿。長編化するなら、後半の国王・王妃とのあれこれは無くなる予定。

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

透明な貴方

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。  私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。  ククルス公爵家の一人娘。  父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。  複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。 (カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)

私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい

あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。 誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。 それが私の最後の記憶。 ※わかっている、これはご都合主義! ※設定はゆるんゆるん ※実在しない ※全五話

持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 セントフェアファクス皇国徒士家、レイ家の長女ラナはどうしても持参金を用意できなかった。だから幼馴染のニコラに自分から婚約破棄を申し出た。しかし自分はともかく妹たちは幸せにしたたい。だから得意の槍術を生かして冒険者として生きていく決断をした。

【短編】子猫をもふもふしませんか?〜転生したら、子猫でした。私が国を救う!

碧井 汐桜香
ファンタジー
子猫の私は、おかあさんと兄弟たちと“かいぬし”に怯えながら、過ごしている。ところが、「柄が悪い」という理由で捨てられ、絶体絶命の大ピンチ。そんなときに、陛下と呼ばれる人間たちに助けられた。連れていかれた先は、王城だった!? 「伝わって! よく見てこれ! 後ろから攻められたら終わるでしょ!?」前世の知識を使って、私は国を救う。 そんなとき、“かいぬし”が猫グッズを売りにきた。絶対に許さないにゃ! 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

処理中です...