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成り立てほやほや王女殿下の初外交
19 報告書第二弾が届きました
しおりを挟む「リアス、貴女に手を上げた者たちの処罰が正式に決まったそうよ」
いつもの日課となったリアス先生の授業を受けた後、イシリス様と一緒に紅茶を楽しみながら、私はリアスに話し掛けた。
前にイシリス様と話してから進展があったの。報告書第二弾ってとこかな。あくまで第一弾は、前段階。牢屋に投獄されたってだけだったからね。さすがに、それで終わりはないでしょ。
第二弾は第一弾から三日後に届いたわ。
迅速迅速。私的には、即日じゃないのにちょっと不満だけど。
私の個人的感想はとりあえず横に置いといて、当事者であるリアスにも一応、知らせておくべきでしょ。
なぜか、ジュリアも当然のようにリアスの隣にいるんだけど……まぁ、いいか。
「……決まったのですね」
ジュリアを特に気にする事なく、リアスが固い表情のまま答える。
すでに、王太子殿下と先代国王が無血で王座を奪ったことは皆知っているから、それについては省くわ。
「ええ。取り巻きだった令嬢たちは貴族籍を失い平民に。その親たちも男爵に降格、または娘同様貴族籍を剥奪されたわ。そして、皆仲良く王都に放り出されたそうよ」
命を取らないから、一見、軽いと考える者もいると思うけど、そんなに軽い刑ではないわ。
だってそうでしょ。考えてみてよ。贅沢に慣れきった者が、全てを剥奪されて着の身着のままで王都に放り出されるのよ。まず、生きていけないわね。生きる術も持っていないし。そもそも、一晩、無事に明かせるとは思えない。
ましてや、あの馬鹿が国王だったのよ。さぞかし、スラムは荒んでいると思うわ。そんな彼らにとって、貴族籍を失った元貴族は格好の餌よね。色々な不満のはけ口にされるだろうし、どちらに転んでも地獄だわ。
まぁそれを理解した上で、王太子殿下は放り出したんだけどね。
王太子妃の教育を受けていたリアスも、もちろん王太子殿下の意図に気付いてる。なので、私も詳しい説明をするつもりはないわ。
「……ミネリア王女殿下、リアスに手を上げた者はどうなったのです?」
なんでリアスじゃなく、ジュリアが質問してるのよ。そんなに圧を放ちながら。無表情で怒るのは止めて。ほんと、ジュリアはリアスのことを気に入ってるね。それは、とてもいいことだけど……仕方ないわね。はぁ~と大きな溜め息を吐いてから、私は答えた。
「リアスに直接手を出した侍女は、ギリギリまで尋問を受けた末公開処刑されたわ。見て見ぬ振りをした騎士は、侍女と同じように尋問を受けた後、騎士職を剥奪され、利き腕を潰されてから、春を売る仕事に回されたそうよ。騎士職の人って、顔が良い人が多いから……不満そうね、ジュリア」
実力よりも顔を重視してるかって思うほどにね。特に、エンドキサン王国もそうだったわ。王妃と第一王女の趣味かと思うほどにね。
「別に不満はありません。ただ……その侍女を推薦した者と騎士の実家はどうなったか、気になりましたので」
淡々と言ってるけど、内心めちゃくちゃ不満そうよね。
「安心なさいな。侍女を推薦した家は潰されたそうよ。騎士の実家も同じようにね」
「処刑にはならなかったのですね」
顔色変えずに怖いことを。
「……ジュリアさん、私はそれでよかったと思っています。私の代わりに怒ってくれてありがとうございます」
リアス、天使だわ。
「うっ!! リアスがそれでいいのなら、私は何も言いません」
微笑ましい光景に頬を緩めてると、ジュリアからすっごい目で睨まれちゃった。私、主だよね。まぁそれも、可愛くていいんだけど。
ジュリアが奥に引っ込むのを見ながら私は思う。
……ほんと、リアスに来てもらってよかったわ。ジュリアが少しずつだけど、人間らしくなってきたから。
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