【完結】貴方の愛は信じても良いのでしょうか?【大正恋愛奇譚】

白井ライス

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二階堂さんからの大事なお話

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先生の新作の『初恋』の原稿は完成し編集部へと持ち帰ることとなりました。
後は誤字脱字などの校正を経て、印刷を待つだけとのことです。
それは良かったのですが、二階堂さんが頻繁に御屋敷に出入りするようになりました。
いつも仕事のことで、という理由をつけてやって来たのですが、いつも先生の書斎に入り浸り何やら楽しそうに会話しているようです。
私は先日の一件もあり、二階堂さんを怪しんでいましたが、校正というものはそういうものらしくキヌさんも二階堂さんを普通に受け入れていました。
その内、私の考えすぎかもしれないと思い、私も二階堂さんの存在を受け入れていました。
そんなある日のことです。
二階堂さんから大事な話があるから二人で会えないか、との打診がありました。
何故私に?と思いましたが、二階堂さんがどうしてもという事だったので私はお休みの日なら、という事で約束を取り付けました。
今日がその約束の日です。
私は待ち合わせの場所の駅前の喫茶店に行きました。
喫茶店に着くともう既に二階堂さんは来ていて私は「お待たせしてしまい申し訳御座いません」と言いながら席に着きました。
すると二階堂さんは「いいえ。いいえ」と笑顔で言いました。
そして、早速私は本題に入ることにしました。

「本日は大事なお話があるとのことで来たのですが如何されたのでしょうか?」

「実はですね、私……と言うかその前にもう私と修司先生の関係について知っていますよね?」

先生のことを下の名前で読んでいることに少し抵抗がありましたが流しました。それよりも二階堂さんの謂わんとしていることが気になったからです。

「二階堂さんと先生の関係ですか」

「そうです」

「編集者と作家ではないんですか」

「それもそうですが、ちょっと更に深い仲と言うか……」

私は嫌な予感がしました。

「えっとそれはつまり……」

私が言いよどんでいても二階堂さんは待ちに徹しています。
私に続きを言わせたいようです。

「恋仲……でしょうか?」

すると二階堂さんは待ちに待ったという表情で深く頷きました。
私は思わず変な声が出てしまいました。

「あっ!へぇ~。そうだったんですね」

「そうなんです。恋人同士なんです」

「そのことが大事なお話で」

すか?と聞こうとしたら食い気味に二階堂さんが言葉を被せてきました。

「いいえ、そのことではないんです」

「えっ?では、大事なお話とは?」

「実は……」

二階堂さんは愛おしそうにお腹を撫でました。
その瞬間、私は全てを悟り、目を丸くしました。

「まさか……」

「そのまさかです」

「つまり……」

またも二階堂さんは待ちの姿勢です。やはり私に言わせたいようです。
私は躊躇ためらいながらも決定的なことを口にしました。

「先生との赤ちゃんが出来ていらっしゃると」

二階堂さんは大きく頷きました。

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