【完結】貴方の愛は信じても良いのでしょうか?【大正恋愛奇譚】

白井ライス

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それから三時間後、先生が目を覚ましました。
皆が居るというのに私は人目もはばからず直ぐ様先生を抱き締めます。

「先生、良かったです。本当に良かったです」

私が強く強く言うとまだ意識が朦朧としている先生が言いました。

「さきちゃん……僕は死ねなかったんだね」

残念そうに言います。
私は反射的に言い返しました。

「先生、勝手に居なくなろうとしないで下さい。私を置いて死のうとしないで下さい」

「さきちゃん、僕は酷い男なんだよ。色んな女を不幸にした。そんな僕は幸せになっちゃいけないんだ」

「ええ、先生は酷い男性です。女性の気持ちが少しも分からないのですから。でも幸せになって良いかどうかは神様が決めることです」

「神様が決めるのことか。なら僕は地獄へ落とされるだろうな」

「そんなに言うなら私も地獄へ付いていきます」

「さきちゃんは連れていけないよ」

「いいえ、付いていきます」

「そしたら地獄も楽しいだろうね。ははは」

先生は力無く笑います。その弱々しい姿に私は言いました。

「先生はもっと強くなってくれないと困ります」

「強くなれないよ。今までも酒か女に溺れてきた」

「私が居るじゃないですか」

「でも、さきちゃんは僕のことが嫌いになってしまったんだろう?」

「そんな訳ありません。今でもこれからも先生だけを愛し続けます」

「さきちゃん……」

そして、私は意を決して言いました。

「先生、こういうのは普通男性から言うものだと思いますが会えて女の私達から言わせていただきますーー私達結婚しましょう」

「さきちゃん!!」

すると先生が嬉しそうに私に接吻をしました。そして、言います。

「勿論だよ」

そこでようやく室淵さんが咳払いをしました。

「コホンッ。我々はお邪魔なようですね」

そして、室淵さんが出ていきました。
するとツネさんイネさんもそれに倣って出ていきました

「失礼しました~」

皆が少しはにかんでいました。
私は我に返り、ボッと顔を赤くしました。
先生はそれを知ってか知らずか私に絡み付いてきます。

「さきちゃんっさきちゃんっ」

「先生、駄目です。お身体に障りますから」

私は先生を制止させようとしますが止まりません。

「此処まで来たら我慢できないよ。皆も居なくなったことだし、少しだけ」

「では本当に少しだけですよ」

私達は深い口づけを交わしました。
その時、先生の口から苦い味がしました。
私はお医者様に言われたことを思い出し先生に薬と水を渡すことにしました。

「先生、その前にこちらの薬を飲んで下さい」

その薬は真っ黒でまるで炭のようでした。

「折角、良い雰囲気だったのに~」

先生は渋々と言った形で薬を飲みました。

「うわっにっがぁ~」

その姿にホッとすると共に私はこういう先生の無邪気な所が好きなんだなぁと思いました。
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