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秘技ナデシコ
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4月3日迄の2ヶ月、アイリーンはキャベツ農家の傍ら必死に修行した。
しかし独学では駄目だと思い、両親に嘘をついて1ヶ月の間休みを貰った。
アイリーンは嘗て体術を習っていた先生の元へと教えを乞うことにしたのだ。
先生は御年70歳にして最強の体術使いだった。
先生には事前に手紙を出しており、修行の了承は得ていた。
先生の住む山へと辿り着くと懐かしい思い出がよみがえった。
子供の頃、何も知らない時、体術のいろはを教えて貰った。
そして、今回は先生に新しい体術を習いにきたのだ。
意気揚々と先生の家の玄関前まで来ると呼び鈴を鳴らすことなく先生が出迎えてくれた。
「やあアイリーンよくきたのぅ」
「先生、お久しぶりです。これから1ヶ月よろしくお願いいたします」
「肩っ苦しい挨拶はナシじゃ」
「はい!」
「では早速修行に入るぞ」
「はい!」
すぐに始まった先生との修行はこれまでになく厳しかった。
人差し指1本での垂直腕立て伏せ
小指での懸垂
一山越えるマラソン
先生が繰り出すピンポン玉を全て避けきる練習
などなど挙げたらキリがない程だった。
そんな生活を1週間繰り返していると先生が
「そろそろかのぉ~」
「何ですか先生」
「お主にある技を伝授しようと思うてな」
「良いんですか先生」
「ホッホッホッお前さんはどうしても倒したい相手が居るんじゃろ」
「そうです」
「そうかそうか」
すると先生は髭を触りながら遠くを見る。
「この技は秘技ナデシコという……じゃが、ちぃと問題もあってな」
「何ですかそれは」
「一撃必殺の技じゃから著しく筋肉に負担をかける。成功すれば一定時間体が動かなくなる」
「え……」
「じゃから1対1の対戦の時限定じゃな。しかしながらワシのこの技を受けて立ち上がれた者は居ない。それぐらい強力な技じゃ」
「そうなんですか」
「どうだ?覚える気になったか?」
先生がニカッと笑った。
今のままではショーンには絶対に勝てない。
一撃必殺の技。
体術は元々先手必勝の武術だ。
出会い頭に食らわせてやれば勝機は見えるかもしれない。
「はい!先生、よろしくお願いいたします!」
「ではいくぞ!まずは体の型からじゃ」
先生が体をくねくねと動かす。
「あの岩を見い」
「はい!先生!」
「今からワシはあの岩を崩す」
「ええ!」
岩は小柄な先生の2倍はありそうな大きさだった。
「秘技ナデシコ!」
先生が空高く舞い上がる。
「一の儀、春」
岩にヒビが入る。
「二の儀、夏」
岩に大きな亀裂が入る。
「三の儀、秋」
岩が崩壊した。
「四の儀、冬」
岩が粉々となる。
「フゥーフゥーフゥー」
いつもは息1つ乱さない先生が肩で息をしていた。
「どうじゃこれが秘技ナデシコ。四季咲きの技じゃ」
「凄いです。先生」
アイリーンはその圧倒的な力に気圧されていた。
するとニコニコ顔の先生は指を指した。
「では、アイリーン。今度はお主があの岩を崩すのじゃぞ」
それは先生が崩した岩よりももうふた回りほど大きな岩だった。
「お主なら出来るはずじゃ」
「はい!先生!」
それからの修行は熾烈を極めた。
アイリーンは何度も倒れ、意識を取り戻しては再度挑戦するといった過酷なものであった。
そのいずれも岩はびくともしない。
1日目2日目3日目……同じことの繰り返しだった。
しかしながら、先生は助言を与えたりすることなく見守っているだけだった。
そして、幾度目かの倒れた際にアイリーンはあることに気が付いた。
ジンジンと下腹部が痛むのだ。
反射的にそこから力の源が流れているんだろうと感じる。
アイリーンはその痛みに体を委ねてみることにした。
するとあろうことか体からオーラのようなものが発生しているのが見えた。
オーラは下腹部から多く出ているものの他の場所は少ない。
これが失敗の原因ではなかろうかとアイリーンは思った。
このオーラを全身に纏えば秘技ナデシコは上手く行くのではなかろうかと。
ようやく体を動かせるようになったアイリーンはまずは下腹部に力を入れてオーラを全身に纏わせてみた。
しかし、これが難しく手や足などの先端部分はオーラが弱まってしまう。
まずは均等にオーラを纏わせてみる練習をした。
するとここで先生がようやく口を開いた。
「おや、とうとう掴み始めたかのぅ」
アイリーンはオーラを一定に保つのに必死だった。
そして、オーラが安定し始めるとここだ!と思った時に秘技ナデシコを繰り出してみた。
しかし、着陸する前に先生から
「まだまだ甘いのぉ」
と言われてしまった。
また1からやり直しだ。
秘技ナデシコは失敗した。
しかし、見守っているだけだった先生の口をようやく開かせることが出来た。
アイリーンは体が再び動き出せるようになるまでオーラについてじっくり考えることにした。
※※※
4日目、5日目、6日目……
時間は残酷にすぎていく。
ショーンとの決闘はあと2週間後にまで迫ってきていた。
技を繰り出す前のオーラの安定には成功しているが肝心の技を繰り出した後がオーラが安定しなかった。
先生は相変わらず「ホッホッホッ」と笑って見守っているだけ。
アイリーンはこの際、オーラの全身安定ではなく技を繰り出す際にオーラを相手にぶつけてみようと試みた。
「秘技ナデシコ!」
もう何度目かわからない技名。
アイリーンは相手と見立てた巨大な岩に立ち向かう。
「一の儀、春」
オーラが岩にぶつかりヒビが入った。
アイリーンは技が上手く行っていることに気が付いた。
そう、秘技ナデシコはまず全身に均等にオーラを纏い、技を繰り出す瞬間相手にオーラをぶつけることにより成功するのだ。
「二の儀、夏」
岩にドンドンヒビが入っていく。
「三の儀、秋」
岩はとうとう崩れてしまった。
しかしアイリーンは辞めない。
「四の儀、冬」
岩は粉々になった。
「ハァーッハァーハァー」
秘技ナデシコの技を繰り出し、立っているのがやっとになったアイリーン。
するとここで先生がやって来た。
「技習得おめでとう」
しかし独学では駄目だと思い、両親に嘘をついて1ヶ月の間休みを貰った。
アイリーンは嘗て体術を習っていた先生の元へと教えを乞うことにしたのだ。
先生は御年70歳にして最強の体術使いだった。
先生には事前に手紙を出しており、修行の了承は得ていた。
先生の住む山へと辿り着くと懐かしい思い出がよみがえった。
子供の頃、何も知らない時、体術のいろはを教えて貰った。
そして、今回は先生に新しい体術を習いにきたのだ。
意気揚々と先生の家の玄関前まで来ると呼び鈴を鳴らすことなく先生が出迎えてくれた。
「やあアイリーンよくきたのぅ」
「先生、お久しぶりです。これから1ヶ月よろしくお願いいたします」
「肩っ苦しい挨拶はナシじゃ」
「はい!」
「では早速修行に入るぞ」
「はい!」
すぐに始まった先生との修行はこれまでになく厳しかった。
人差し指1本での垂直腕立て伏せ
小指での懸垂
一山越えるマラソン
先生が繰り出すピンポン玉を全て避けきる練習
などなど挙げたらキリがない程だった。
そんな生活を1週間繰り返していると先生が
「そろそろかのぉ~」
「何ですか先生」
「お主にある技を伝授しようと思うてな」
「良いんですか先生」
「ホッホッホッお前さんはどうしても倒したい相手が居るんじゃろ」
「そうです」
「そうかそうか」
すると先生は髭を触りながら遠くを見る。
「この技は秘技ナデシコという……じゃが、ちぃと問題もあってな」
「何ですかそれは」
「一撃必殺の技じゃから著しく筋肉に負担をかける。成功すれば一定時間体が動かなくなる」
「え……」
「じゃから1対1の対戦の時限定じゃな。しかしながらワシのこの技を受けて立ち上がれた者は居ない。それぐらい強力な技じゃ」
「そうなんですか」
「どうだ?覚える気になったか?」
先生がニカッと笑った。
今のままではショーンには絶対に勝てない。
一撃必殺の技。
体術は元々先手必勝の武術だ。
出会い頭に食らわせてやれば勝機は見えるかもしれない。
「はい!先生、よろしくお願いいたします!」
「ではいくぞ!まずは体の型からじゃ」
先生が体をくねくねと動かす。
「あの岩を見い」
「はい!先生!」
「今からワシはあの岩を崩す」
「ええ!」
岩は小柄な先生の2倍はありそうな大きさだった。
「秘技ナデシコ!」
先生が空高く舞い上がる。
「一の儀、春」
岩にヒビが入る。
「二の儀、夏」
岩に大きな亀裂が入る。
「三の儀、秋」
岩が崩壊した。
「四の儀、冬」
岩が粉々となる。
「フゥーフゥーフゥー」
いつもは息1つ乱さない先生が肩で息をしていた。
「どうじゃこれが秘技ナデシコ。四季咲きの技じゃ」
「凄いです。先生」
アイリーンはその圧倒的な力に気圧されていた。
するとニコニコ顔の先生は指を指した。
「では、アイリーン。今度はお主があの岩を崩すのじゃぞ」
それは先生が崩した岩よりももうふた回りほど大きな岩だった。
「お主なら出来るはずじゃ」
「はい!先生!」
それからの修行は熾烈を極めた。
アイリーンは何度も倒れ、意識を取り戻しては再度挑戦するといった過酷なものであった。
そのいずれも岩はびくともしない。
1日目2日目3日目……同じことの繰り返しだった。
しかしながら、先生は助言を与えたりすることなく見守っているだけだった。
そして、幾度目かの倒れた際にアイリーンはあることに気が付いた。
ジンジンと下腹部が痛むのだ。
反射的にそこから力の源が流れているんだろうと感じる。
アイリーンはその痛みに体を委ねてみることにした。
するとあろうことか体からオーラのようなものが発生しているのが見えた。
オーラは下腹部から多く出ているものの他の場所は少ない。
これが失敗の原因ではなかろうかとアイリーンは思った。
このオーラを全身に纏えば秘技ナデシコは上手く行くのではなかろうかと。
ようやく体を動かせるようになったアイリーンはまずは下腹部に力を入れてオーラを全身に纏わせてみた。
しかし、これが難しく手や足などの先端部分はオーラが弱まってしまう。
まずは均等にオーラを纏わせてみる練習をした。
するとここで先生がようやく口を開いた。
「おや、とうとう掴み始めたかのぅ」
アイリーンはオーラを一定に保つのに必死だった。
そして、オーラが安定し始めるとここだ!と思った時に秘技ナデシコを繰り出してみた。
しかし、着陸する前に先生から
「まだまだ甘いのぉ」
と言われてしまった。
また1からやり直しだ。
秘技ナデシコは失敗した。
しかし、見守っているだけだった先生の口をようやく開かせることが出来た。
アイリーンは体が再び動き出せるようになるまでオーラについてじっくり考えることにした。
※※※
4日目、5日目、6日目……
時間は残酷にすぎていく。
ショーンとの決闘はあと2週間後にまで迫ってきていた。
技を繰り出す前のオーラの安定には成功しているが肝心の技を繰り出した後がオーラが安定しなかった。
先生は相変わらず「ホッホッホッ」と笑って見守っているだけ。
アイリーンはこの際、オーラの全身安定ではなく技を繰り出す際にオーラを相手にぶつけてみようと試みた。
「秘技ナデシコ!」
もう何度目かわからない技名。
アイリーンは相手と見立てた巨大な岩に立ち向かう。
「一の儀、春」
オーラが岩にぶつかりヒビが入った。
アイリーンは技が上手く行っていることに気が付いた。
そう、秘技ナデシコはまず全身に均等にオーラを纏い、技を繰り出す瞬間相手にオーラをぶつけることにより成功するのだ。
「二の儀、夏」
岩にドンドンヒビが入っていく。
「三の儀、秋」
岩はとうとう崩れてしまった。
しかしアイリーンは辞めない。
「四の儀、冬」
岩は粉々になった。
「ハァーッハァーハァー」
秘技ナデシコの技を繰り出し、立っているのがやっとになったアイリーン。
するとここで先生がやって来た。
「技習得おめでとう」
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