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第3章:月下の妖精
第39話 シトラスの心
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アンリ兄様たちの居ない朝食の席で、お父様が私に告げる。
「シトラス、お前が強いのはわかっているが、あまりむやみに聖女の力を使ってはいけないよ。
力尽きた後に魔物に襲われていたら、どうなっていたことか」
私は首をすくめて頭を下げた。
「ごめんなさい、お父様。
あの場は私が対処するのが最善だと思ったのです」
「実際、最善ではあっただろう。
私がアンリたちを怒ったのは、視界を奪われた程度で狼狽え、戦えなくなってしまった不甲斐なさに対してだ。
十歳のシトラスにすらできたことを、十三歳のアンリが出来ないなど、言い訳のしようがないだろう」
お父様、聖女の私と比べるのは酷じゃないかなぁ。
一応、戦おうとはしてくれていたし。あのままだと怪我をしてたと思うけど。
私はお父さんのモーニング・パンチで鍛えられたから、見えない攻撃の気配を察知するのに慣れていただけだし。
でも余計なことを言ってアンリ兄様たちにとばっちりがいくと可哀想なので、黙っておくことにする。
そのまま黙々と食べ進め、食べ終わると席を立った。
「では聖水の製作作業をしてまいります」
私は一階の工房へ足を向けて歩いて行った。
工房と言っても、水に癒しの力を与えて封印をするだけの場所だ。
水を用意するのは重労働なので、従僕たちが力を貸してくれる。
井戸から水をくみ上げ、瓶に詰めてもらったら私がそれに癒しの奇跡を施していく。
癒しの奇跡が宿った水は、とっても美味しいお水に変わる。
しかも疲労回復に傷病快癒の効果まで付くお得な水なのだ。
直接奇跡を施すほど、劇的な効果がある訳じゃないけどね。
こうして私が癒しの奇跡を施した水は、従僕が紙と封蝋で瓶を封印してくれる。
少なくとも、この紙や封蝋が壊れてなければ正規の聖水という保証になる。
四リットル入る瓶を三十個以上作る頃になると、私は力尽きて気絶してしまうらしい。
いつも数を数えずに無心で作っているから、従僕から聞いているだいたいの平均個数だ。
作り終わった聖水は、私が気絶している間に聖教会の人が回収に来るのだとか。
今日も私は気絶するまで力を使い、床に倒れ込んでいた。
倒れ込む自分は自覚するのだけれど、そこから先は記憶が途切れてしまう。
その後は従僕の誰かが部屋に連れて行ってくれるらしい。
今日は不思議とうっすらと意識が戻り、ふわふわと運ばれている感覚を楽しんでいた。
階段を上り、ベッドに寝かされる。
首まで布団をかけてもらった後、頬に柔らかい感触が触れた。
「ゆっくりおやすみくださいませ、お嬢様」
今のはレナートの声だな。
頬の感触は、たぶん唇だ。
レナートったら、寝ている淑女に口づけだなんて、大胆なことをしていくなぁ。
これがお父様やアンリ兄様にばれたら、たぶん問答無用で剣の錆にされちゃう気がするんだけど。
レイチェルたちは傍に居ないのかな。
まぁ私が聖水製作に精を出してる時間だし、他の仕事をしてるのかもしれない。
でもこういうことはお姫様にやるから様になるのであって、農家の村娘にやっても格好がつかないと思うよ。
やる相手くらい選んだ方が良いんじゃないかな?
大丈夫か、十二歳の少年よ。君は相手を間違えているぞ。
私はレナートの気配が部屋から出ていくのを確認してから、再び意識を手放した。
****
「お嬢様、お昼でございます。ご起床ください」
――ああ、もうそんな時間か。
腕を引っ張ってもらい起き上がってから、服を整えてダイニングに向かう。
ダイニングには全員が揃っていた。
クリザンティ伯爵とファウスト伯爵令息は、昼食の後に帰るらしい。
私は牛肉のステーキを口に運びながら、ふと思いついてお父様に質問する。
「お父様、お兄様の婚約話などは出てこないのですか?」
お父様がきょとんとして私を見ていた。
「そんなことが気になるのかい?
今のところ、令嬢の方からアプローチがあったとは聞かないね。
親の方から私に話を持ち掛けてくる事はあるが、公爵夫人として相応しいかというと、首を傾げる相手ばかりだ」
「お兄様は社交界で双璧と呼ばれるほど称えられているのではなかったのですか?
ですのに、令嬢方からのアプローチがないのですか?」
「ああ、確かに嫁ぎ先として有望な相手とみなされているようだ。
だけど実際に会話をしようとしても、アンリとは会話が成立しないからね。
三年前よりもかなり表情が豊かになったが、お前以外の女性に対して素っ気ないのは変わらないようだ。
――だが、それがいったいどうしたんだい?」
「いえ、私の婚姻話ばかりが先日盛り上がっていたので、『お兄様はどうなっているのだろう』と、ふと疑問に思っただけですわ。
エルメーテ公爵家を継ぐお兄様ですもの。相応の相手が求められるのも理解しています。
そんなご令嬢が、現在はどの程度いらっしゃるのかしら」
お父様が私を見つめ、ニヤリと笑った。
「現在の我が公爵家はとても大きな力を持つ。
アンリが家を継ぐ場合、その夫人にも高い能力が求められる。
現在のところ、同年代で候補となるのは片手で数える程度だ」
家を継ぐ場合? 不思議な言い方をするんだな。
「お父様? その仰りようだと、お兄様が家を継がない場合も考えてらっしゃるのでしょうか」
お父様の視線がアンリ兄様に移った。
アンリ兄様は戸惑うようにお父様を見つめ返している。
「私にはコルラウトやエルベルトも居るからね。
アンリがお前と婚姻をして新しく王統を作ってしまうのも、充分にあり得ると考えているよ。
その場合、公爵家はコルラウトかエルベルトが継ぐことになるだろう」
アンリ兄様が驚いたように目を見開いていた。
……ああそうか、アンリ兄様はこの話を聞いてないんだっけ?
普通、兄妹で婚姻なんて考えないだろうから、びっくりするよね。
「お父様? 今はもう、お兄様と私が婚姻して新しい王家を作るほど、状況は逼迫しておりませんわよ?
そのように仰ったのはお父様ではありませんか。
何より義理とはいえ妹と婚姻するなど、お兄様が可哀想ですわ」
私には優しいアンリ兄様だけど、婚姻相手として考えられるかというと多分、難しいだろう。
それまで妹として見ていた相手を急に女として見るだなんて、苦労するに違いない。
それに私では、アンリ兄様に相応しくはないと思う。
お父様の目が、楽しそうにアンリ兄様を見ていた。
「ではシトラス。お前はアンリとの婚姻をしたくないと、そう考えているのかい?」
「いえ、お父様が婚姻しろと仰るなら、私はその相手がどんな方でも婚姻する覚悟がありますわ。
その心配はご無用でしてよ? その相手がお兄様でも、ダヴィデ殿下でも、私は頷いてみせますわ」
「では――相手がファウストでも、お前は頷けるかい?」
私はきょとんとした。
そこまでは考えてなかったな。
「……答えは変わりませんわ。
お父様が最も国のためになると考える相手なら、私に異存はありません。
私は聖女、聖神様から使命を授かった人間です。その為に生き、その為に死にます」
お父様がワインを掲げながらアンリ兄様に告げる。
「――だそうだが、お前たちはどう考える?
どこの馬の骨とも知れぬ相手に、シトラスをくれてやる気になれるかい?」
アンリ兄様の表情は硬い。何かを迷うように何度も口を開こうとしては、口を閉じていた。
そしてアンリ兄様が私を見つめ、何かを決意したように告げる。
「そのような相手にくれてやるくらいなら、シトラスは私が娶ります」
アンリ兄様? シスコンをこじらせすぎでは?
そんな有様じゃ、幸福な家庭を築けないよ?
公爵家嫡男がそれじゃ、この家の将来が不安になるんだけど?
お父様がファウスト伯爵令息を見て告げる。
「ではファウスト、君はどう思うんだね?
率直な言葉を聞かせて欲しい」
ファウスト伯爵令息は、やっぱり迷うようにうつむいていた。
だけどアンリ兄様と同じように、何かを決意して私を見つめてきた。
「叶うならば、シトラス様と夫婦になり、生涯大切にしていきたいと思います。
――これはもちろん、王統が欲しいと言う意味ではありません」
……おーい、ファウストくーん? 十歳の少年が人生を間違った方向に決めてないか?
君だって立派な伯爵令息、私みたいな村娘をお嫁さんにしても幸福になんかなれないぞ?
社交界できちんとした令嬢を見つけようよ。
私は盛大なため息をついて二人に告げる。
「お二人とも、冷静になられて?
お二人には私などより相応しい令嬢が必ずおられますわ。
もっと家とご自身のことを考えてから発言なさることをお勧めいたします。
あとから悔やんでも遅いのですよ?」
私は家庭のことより、聖女の使命を優先する人間だ。
そんな人間と婚姻しても、幸福な結婚生活などやってはこないだろう。
何より愛のない家庭に、幸福などあるとは思えなかった。
お父様が楽しそうに微笑んで告げる。
「今のシトラスの心は、聞いての通りだ。
これからどうなるかは、お前たちの努力次第と言える。
昨晩のような醜態を見せているようでは、先は長いだろうね。精進する事だ」
「シトラス、お前が強いのはわかっているが、あまりむやみに聖女の力を使ってはいけないよ。
力尽きた後に魔物に襲われていたら、どうなっていたことか」
私は首をすくめて頭を下げた。
「ごめんなさい、お父様。
あの場は私が対処するのが最善だと思ったのです」
「実際、最善ではあっただろう。
私がアンリたちを怒ったのは、視界を奪われた程度で狼狽え、戦えなくなってしまった不甲斐なさに対してだ。
十歳のシトラスにすらできたことを、十三歳のアンリが出来ないなど、言い訳のしようがないだろう」
お父様、聖女の私と比べるのは酷じゃないかなぁ。
一応、戦おうとはしてくれていたし。あのままだと怪我をしてたと思うけど。
私はお父さんのモーニング・パンチで鍛えられたから、見えない攻撃の気配を察知するのに慣れていただけだし。
でも余計なことを言ってアンリ兄様たちにとばっちりがいくと可哀想なので、黙っておくことにする。
そのまま黙々と食べ進め、食べ終わると席を立った。
「では聖水の製作作業をしてまいります」
私は一階の工房へ足を向けて歩いて行った。
工房と言っても、水に癒しの力を与えて封印をするだけの場所だ。
水を用意するのは重労働なので、従僕たちが力を貸してくれる。
井戸から水をくみ上げ、瓶に詰めてもらったら私がそれに癒しの奇跡を施していく。
癒しの奇跡が宿った水は、とっても美味しいお水に変わる。
しかも疲労回復に傷病快癒の効果まで付くお得な水なのだ。
直接奇跡を施すほど、劇的な効果がある訳じゃないけどね。
こうして私が癒しの奇跡を施した水は、従僕が紙と封蝋で瓶を封印してくれる。
少なくとも、この紙や封蝋が壊れてなければ正規の聖水という保証になる。
四リットル入る瓶を三十個以上作る頃になると、私は力尽きて気絶してしまうらしい。
いつも数を数えずに無心で作っているから、従僕から聞いているだいたいの平均個数だ。
作り終わった聖水は、私が気絶している間に聖教会の人が回収に来るのだとか。
今日も私は気絶するまで力を使い、床に倒れ込んでいた。
倒れ込む自分は自覚するのだけれど、そこから先は記憶が途切れてしまう。
その後は従僕の誰かが部屋に連れて行ってくれるらしい。
今日は不思議とうっすらと意識が戻り、ふわふわと運ばれている感覚を楽しんでいた。
階段を上り、ベッドに寝かされる。
首まで布団をかけてもらった後、頬に柔らかい感触が触れた。
「ゆっくりおやすみくださいませ、お嬢様」
今のはレナートの声だな。
頬の感触は、たぶん唇だ。
レナートったら、寝ている淑女に口づけだなんて、大胆なことをしていくなぁ。
これがお父様やアンリ兄様にばれたら、たぶん問答無用で剣の錆にされちゃう気がするんだけど。
レイチェルたちは傍に居ないのかな。
まぁ私が聖水製作に精を出してる時間だし、他の仕事をしてるのかもしれない。
でもこういうことはお姫様にやるから様になるのであって、農家の村娘にやっても格好がつかないと思うよ。
やる相手くらい選んだ方が良いんじゃないかな?
大丈夫か、十二歳の少年よ。君は相手を間違えているぞ。
私はレナートの気配が部屋から出ていくのを確認してから、再び意識を手放した。
****
「お嬢様、お昼でございます。ご起床ください」
――ああ、もうそんな時間か。
腕を引っ張ってもらい起き上がってから、服を整えてダイニングに向かう。
ダイニングには全員が揃っていた。
クリザンティ伯爵とファウスト伯爵令息は、昼食の後に帰るらしい。
私は牛肉のステーキを口に運びながら、ふと思いついてお父様に質問する。
「お父様、お兄様の婚約話などは出てこないのですか?」
お父様がきょとんとして私を見ていた。
「そんなことが気になるのかい?
今のところ、令嬢の方からアプローチがあったとは聞かないね。
親の方から私に話を持ち掛けてくる事はあるが、公爵夫人として相応しいかというと、首を傾げる相手ばかりだ」
「お兄様は社交界で双璧と呼ばれるほど称えられているのではなかったのですか?
ですのに、令嬢方からのアプローチがないのですか?」
「ああ、確かに嫁ぎ先として有望な相手とみなされているようだ。
だけど実際に会話をしようとしても、アンリとは会話が成立しないからね。
三年前よりもかなり表情が豊かになったが、お前以外の女性に対して素っ気ないのは変わらないようだ。
――だが、それがいったいどうしたんだい?」
「いえ、私の婚姻話ばかりが先日盛り上がっていたので、『お兄様はどうなっているのだろう』と、ふと疑問に思っただけですわ。
エルメーテ公爵家を継ぐお兄様ですもの。相応の相手が求められるのも理解しています。
そんなご令嬢が、現在はどの程度いらっしゃるのかしら」
お父様が私を見つめ、ニヤリと笑った。
「現在の我が公爵家はとても大きな力を持つ。
アンリが家を継ぐ場合、その夫人にも高い能力が求められる。
現在のところ、同年代で候補となるのは片手で数える程度だ」
家を継ぐ場合? 不思議な言い方をするんだな。
「お父様? その仰りようだと、お兄様が家を継がない場合も考えてらっしゃるのでしょうか」
お父様の視線がアンリ兄様に移った。
アンリ兄様は戸惑うようにお父様を見つめ返している。
「私にはコルラウトやエルベルトも居るからね。
アンリがお前と婚姻をして新しく王統を作ってしまうのも、充分にあり得ると考えているよ。
その場合、公爵家はコルラウトかエルベルトが継ぐことになるだろう」
アンリ兄様が驚いたように目を見開いていた。
……ああそうか、アンリ兄様はこの話を聞いてないんだっけ?
普通、兄妹で婚姻なんて考えないだろうから、びっくりするよね。
「お父様? 今はもう、お兄様と私が婚姻して新しい王家を作るほど、状況は逼迫しておりませんわよ?
そのように仰ったのはお父様ではありませんか。
何より義理とはいえ妹と婚姻するなど、お兄様が可哀想ですわ」
私には優しいアンリ兄様だけど、婚姻相手として考えられるかというと多分、難しいだろう。
それまで妹として見ていた相手を急に女として見るだなんて、苦労するに違いない。
それに私では、アンリ兄様に相応しくはないと思う。
お父様の目が、楽しそうにアンリ兄様を見ていた。
「ではシトラス。お前はアンリとの婚姻をしたくないと、そう考えているのかい?」
「いえ、お父様が婚姻しろと仰るなら、私はその相手がどんな方でも婚姻する覚悟がありますわ。
その心配はご無用でしてよ? その相手がお兄様でも、ダヴィデ殿下でも、私は頷いてみせますわ」
「では――相手がファウストでも、お前は頷けるかい?」
私はきょとんとした。
そこまでは考えてなかったな。
「……答えは変わりませんわ。
お父様が最も国のためになると考える相手なら、私に異存はありません。
私は聖女、聖神様から使命を授かった人間です。その為に生き、その為に死にます」
お父様がワインを掲げながらアンリ兄様に告げる。
「――だそうだが、お前たちはどう考える?
どこの馬の骨とも知れぬ相手に、シトラスをくれてやる気になれるかい?」
アンリ兄様の表情は硬い。何かを迷うように何度も口を開こうとしては、口を閉じていた。
そしてアンリ兄様が私を見つめ、何かを決意したように告げる。
「そのような相手にくれてやるくらいなら、シトラスは私が娶ります」
アンリ兄様? シスコンをこじらせすぎでは?
そんな有様じゃ、幸福な家庭を築けないよ?
公爵家嫡男がそれじゃ、この家の将来が不安になるんだけど?
お父様がファウスト伯爵令息を見て告げる。
「ではファウスト、君はどう思うんだね?
率直な言葉を聞かせて欲しい」
ファウスト伯爵令息は、やっぱり迷うようにうつむいていた。
だけどアンリ兄様と同じように、何かを決意して私を見つめてきた。
「叶うならば、シトラス様と夫婦になり、生涯大切にしていきたいと思います。
――これはもちろん、王統が欲しいと言う意味ではありません」
……おーい、ファウストくーん? 十歳の少年が人生を間違った方向に決めてないか?
君だって立派な伯爵令息、私みたいな村娘をお嫁さんにしても幸福になんかなれないぞ?
社交界できちんとした令嬢を見つけようよ。
私は盛大なため息をついて二人に告げる。
「お二人とも、冷静になられて?
お二人には私などより相応しい令嬢が必ずおられますわ。
もっと家とご自身のことを考えてから発言なさることをお勧めいたします。
あとから悔やんでも遅いのですよ?」
私は家庭のことより、聖女の使命を優先する人間だ。
そんな人間と婚姻しても、幸福な結婚生活などやってはこないだろう。
何より愛のない家庭に、幸福などあるとは思えなかった。
お父様が楽しそうに微笑んで告げる。
「今のシトラスの心は、聞いての通りだ。
これからどうなるかは、お前たちの努力次第と言える。
昨晩のような醜態を見せているようでは、先は長いだろうね。精進する事だ」
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