私は秘書?

陽紫葵

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私は秘書?

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その日は木曜日だった。
翌週の火曜日。職場を出ようとした時、上篠さんから電話があった。
「今大丈夫か?」
「はい。今、社を出るとこですけど」
「じゃあ、丁度いいや。駅まで迎えに来てくれない?」
「駅までって、今、着いたんですか?」
「今は、新幹線から乗り換えの駅だから、30分くらいで着くかな。あ、来た。駅前ロータリーな」
と、一方的に切った。
ホント、いつもこうだなぁ。
しょうがない。行くしかない。
迎えにって何で?ホテルは駅の近くって言ってた。
今日は違うとこに泊まるんだろうか?
渋滞にはまってしまったので、40分ほどかかった。
ロータリーの前に、上篠さんがいるのが見えた。
車を停めると、すぐに来て、トランクに荷物を入れ、助手席に乗った。運転を変われる状況ではない。
「ごめんな」
「ううん」
すぐに車を走らせ、
「あの、何処へ行けばいいですか?」
「悪いけど、今日、泊めてくれない?」
「え?」
「そんな驚くなよ」
「だって」
「明日の朝来る予定にしてたんだけど、朝一に会議に出なきゃいけなくなって、急に決めてきたから、ホテル取れなくて」
「そうなんですか・・・」
それでも、すぐに、いいですよとは言えない。
「そんな顔すんなよ。な!今日だけだから」
「しょうがないなぁ」
と言ってしまった。
一旦、部屋に荷物を置いてから、外食に出かけた。
上篠さんが奢ってくれると言ったので。
食べて、帰ってから、上篠さんが先にお風呂に入り、その間にお布団の用意をした。
リビングのソファーをベッドにして寝てもらうことにした。
前のように、一緒に寝るわけにもいかない。
私もお風呂に入ってから、すぐに寝室に入り、一人で過ごした。
一緒の部屋にいるのも落ち着かない。
翌朝、そっと起き、お弁当の用意をした。材料はあったので、2人分作った。
そうしている内に、上篠さんは起きてきて、
「じゃあ、朝食は俺が作ろう」
食パンを買ってきてあったので、フレンチトーストを作ってくれて、コーヒーも入れてくれた。
上篠さんのフレンチトーストは、前にも食べたことがある。
「うん、美味しい」
「だろ?」
その後、用意して、一緒に会社に出掛けた。
職場に行ってから、
「やっぱ、丹代に任せて正解だったな」
「どうゆう事?」
「俺も、この仕事、強引に頼まれたけど、やれない分のサポートとして候補は他にもあったんだけどな。見浪さんにも相談してさ」
「私はまだ不安だけど」
「だろうな。丹代は真面目だし、ちゃんとやれるし、それに、俺のサポートだからな」
「どうゆう意味よ」
「怒ってる?」
「別に」
その日は、ホテルに泊り、木曜にまた帰って行った。
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