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ヒューの実家のクリスマスに顔を出し、ヒューの家族に迎えられた後、年が明けた元旦に今度は瀧の実家にヒューと二人で帰った。
瀬乃生家も全員揃っていてヒューは茗子の作ったおせちのレシピを楽しそうに聞き、静湖から遠回しに年頃のいい男は周りにいないかを尋ねられ、酔っ払った和彦からいつ使用するかもわからない節約術を教わったりした。
そんな慌しい年末年始が過ぎて程なくした土曜日の昼下がりの午後、二人は昼食も終えてゆっくりソファに座り、指を絡めながら手を繋いで映画を見ていた。ヒューは瀧の肩に頭を乗せ上機嫌だ。
退屈な映画で飽きてきたのかさっきから瀧は肩に寄りかかるヒューの髪を撫でたり、優しく引っ張ったりして遊んでいた。
「瀧、くすぐったいよ」
お返しとばかりにヒューも絡めていた指先で瀧の指の間をカリカリとくすぐる。
瀧がつむじに口づけをするとヒューは顔を瀧に向けて上げ、唇へのキスをせがんだ。
瀧はわざと鼻先にキス。
ヒューは嬉しそうに握っていた手を解き瀧の腰に手を回すと、し損ったキスをしようと引き寄せる。瀧はくすくす笑いながら身を逸らした。
「ヒュー、映画見てんの」
「嘘だよ」
ヒューも微笑みながら唇を奪う。軽いキスを互いにし続けているとローテーブルのスマホが震えた。
ヒューは倒していた身体を起こしテーブルの上のスマホを掴み長い指で操作を始めるとくすくすと笑みをこぼした。
瀧はヒューの関心が自分からスマホへ移ったことが面白くなく自分も起き上がりヒューの肩に顎を乗せる。
「誰?」
「テディ。彼、今日、恋人の車で郊外のワイナリーに出掛けたんだけど出先で別の恋人とかち合っちゃって、一緒に来たほうがテディを置いて一人車で帰っちゃったんだって。おかげでタクシーを呼んで帰るのに何時間もかかったって」
セオドアが恋人との失敗談をユーモアたっぷりにメッセージでわざわざヒューに伝えてきたことが瀧のテンションを下げた。
それに気づいたヒューはスマホをテーブルに戻すと再び瀧を引き寄せた。
その後、今日も二人で一緒に作った夕食を終えた後、キッチンの片付けを終えたヒューは書斎で仕事をしていたがしばらくするとソファでくつろぐ瀧のそばに寄ってきた。
スマホをいじっていた瀧はヒューに身体を預けながら観ていた動画の面白さを説明する。ヒューはうんうんと頷きながらもうなじや耳へのキスを止めない。
瀧は喋るのをやめ、されるがまま動画を見続けていたが、しばらくして動画を消してスマホをソファへと置くとたどたどしく口を開いた。
「‥ねえ、あのさあ、ヒュー、したい」
誘いのセリフにしてはぎこちない。ヒューは首を傾げながらもその言葉に乗った
「シャワー浴びに行こっか?」
「‥‥俺が洗ってもいい?」
「瀧が洗ってるとこ見せてくれるの」
「そうじゃなくて」
わずかに口を尖らせながら身体をこちらに向け腕を首に絡めてきた瀧の真意にヒューは気が付くと、ごくりと息を飲んだ。
「‥瀧が私にしたいの?」
「うん」
「その、前にも言ったけど、私はそっちは好きじゃなくて‥」
「あいつとはやったんだろ。ずっと気になってたんだよ。俺が知らないヒューをあいつが知ってるのムカつくんだよね」
あいつとはセオドアのことだ。
瀧の脳裏には初めて出会ったときにわざと「後ろでよがる声たまらないよな」と焚き付けてきたセオドアの顔が浮かぶ。
瀧が独占欲を見せてくれるのは嬉しいがヒューはこればっかりは困惑した。
「やさしくするから‥!」
首に回していた腕を外すと両手をヒューの肩に力強く当て瀧は真剣な眼差しで見つめてくる。
ヒューは眉間を指で押さえながら静かに息を吐き出した。
「ちょっと話し合おうか」
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