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16話
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王国への複雑な想い
楽しい時間はあっという間に過ぎ、仮祝宴も無事に終わりを迎える。フローラは何度となく貴族たちから挨拶を受け、クラウスとのダンスを披露し、名実ともに「皇太子妃候補」としての第一歩を踏み出した。
その夜、部屋に戻って侍女たちがドレスを脱がせてくれる最中、フローラはふと考え込む。
(私、こんなにも幸せでいいのかしら……)
王国での日々を思い返すと、悔しさや悲しみが込み上げてくる一方で、ほんの少しの「ざまあみろ」という気持ちも湧いてしまう。あれほど虐げられてきた自分が、いまや敵国の皇太子から溺愛されているのだから。
アルベルトはどうしているだろう。公爵家の父や継母、異母妹は……。自分がラグナ帝国でこうして歓迎され、大切に扱われていることを知ったら、どんな反応をするだろうか。
きっと、「そんなはずはない」と嘲笑するかもしれない。あるいは、いつか後悔する日が来るかもしれない。それでも、それはもうフローラの知るところではない。
深くため息をつき、フローラは夜着に着替える。鏡の前に立つと、先ほどまでの華やかな装いから一変、ただの少女に戻った自分が映っていた。
(私は、ただ……クラウス様に応えられるようになりたい。そんな気持ちが日に日に強くなっている……)
まだ正式に「皇太子妃」として認められたわけではない。結婚の儀はこれからだし、帝国の人々がすべて快く受け入れてくれるとは限らない。
それでも、フローラは前を向こうと心に決める。もう誰かの陰で縮こまっているだけの人生には戻りたくない――そう強く願うのだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、仮祝宴も無事に終わりを迎える。フローラは何度となく貴族たちから挨拶を受け、クラウスとのダンスを披露し、名実ともに「皇太子妃候補」としての第一歩を踏み出した。
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(私、こんなにも幸せでいいのかしら……)
王国での日々を思い返すと、悔しさや悲しみが込み上げてくる一方で、ほんの少しの「ざまあみろ」という気持ちも湧いてしまう。あれほど虐げられてきた自分が、いまや敵国の皇太子から溺愛されているのだから。
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きっと、「そんなはずはない」と嘲笑するかもしれない。あるいは、いつか後悔する日が来るかもしれない。それでも、それはもうフローラの知るところではない。
深くため息をつき、フローラは夜着に着替える。鏡の前に立つと、先ほどまでの華やかな装いから一変、ただの少女に戻った自分が映っていた。
(私は、ただ……クラウス様に応えられるようになりたい。そんな気持ちが日に日に強くなっている……)
まだ正式に「皇太子妃」として認められたわけではない。結婚の儀はこれからだし、帝国の人々がすべて快く受け入れてくれるとは限らない。
それでも、フローラは前を向こうと心に決める。もう誰かの陰で縮こまっているだけの人生には戻りたくない――そう強く願うのだった。
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