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22話
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破綻寸前の王国、そして迫る特使派遣
一方、王国では日増しに混乱が深まっていた。アルベルトが「ラグナ帝国との和平交渉は任せておけ」と啖呵を切ったものの、具体策は何も出せず、カトリーナは相変わらず宮廷の行事で失態を繰り返す。
貴族たちは絶望と焦燥を隠せない。中でもリヴェール公爵は、ここでラグナ帝国から有力な譲歩を引き出すことで、自分の家名を再び高めようと画策していた。
(フローラがラグナ帝国に渡ったのだから、奴らも少しくらいは我々に恩を返してくるはずだ……)
そんな思惑で、水面下でラグナ帝国に「極秘交渉」を持ちかけたのが公爵たちである。だが、ラグナ帝国側の返答は「特使の派遣を歓迎する」という無難なものに留まり、具体的な取り決めには一切応じていない。
さらに、国境地帯ではラグナ帝国の軍勢がますます強固な布陣を整えているとの報が入る。まるで「交渉をするか、さもなくば武力行使か」と言わんばかりだ――その圧力に、王国は激しく動揺した。
アルベルトはさすがにまずいと感じたのか、「特使」を派遣して直談判することを決断する。だが、その特使に誰を送るかを巡って宮廷は紛糾した。
「我が家の者を出すべきだ」「いえ、ここは王家の血筋を送るべきだ」――そんな議論が続く中、最終的にアルベルトが下した決定は、当の公爵を含めた数名の貴族連合に特使を務めさせるというものだった。
ちなみに、アルベルト自身やカトリーナは、身の危険を理由に同行を拒否。王太子としての責務を果たそうともせず、実質的に「公爵たちにすべてを丸投げ」する形になった。
公爵にしてみれば、これは願ってもない機会でもある。自分がラグナ帝国との交渉をうまくまとめれば、一躍王国の英雄として地位を確立できるからだ。
それでも、公爵の胸には不安が渦巻いていた。
(フローラは果たしてどうしている……。まさかとは思うが、皇太子に気に入られて本当に皇太子妃などということにはなっていまいな……?)
フローラはもうとっくに切り捨てたはずの存在、冷遇されて当然の娘――そう何度も自分に言い聞かせても、頭から離れない不安があった。
だが、王国の危機を前に、そんな私情は二の次。公爵は特使団を率い、帝国へ向けて出発するのだった。
一方、王国では日増しに混乱が深まっていた。アルベルトが「ラグナ帝国との和平交渉は任せておけ」と啖呵を切ったものの、具体策は何も出せず、カトリーナは相変わらず宮廷の行事で失態を繰り返す。
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アルベルトはさすがにまずいと感じたのか、「特使」を派遣して直談判することを決断する。だが、その特使に誰を送るかを巡って宮廷は紛糾した。
「我が家の者を出すべきだ」「いえ、ここは王家の血筋を送るべきだ」――そんな議論が続く中、最終的にアルベルトが下した決定は、当の公爵を含めた数名の貴族連合に特使を務めさせるというものだった。
ちなみに、アルベルト自身やカトリーナは、身の危険を理由に同行を拒否。王太子としての責務を果たそうともせず、実質的に「公爵たちにすべてを丸投げ」する形になった。
公爵にしてみれば、これは願ってもない機会でもある。自分がラグナ帝国との交渉をうまくまとめれば、一躍王国の英雄として地位を確立できるからだ。
それでも、公爵の胸には不安が渦巻いていた。
(フローラは果たしてどうしている……。まさかとは思うが、皇太子に気に入られて本当に皇太子妃などということにはなっていまいな……?)
フローラはもうとっくに切り捨てたはずの存在、冷遇されて当然の娘――そう何度も自分に言い聞かせても、頭から離れない不安があった。
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