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第3章:婚約破棄の真相──王太子と聖女の醜聞
7. 王太子剥奪──父王の容赦ない宣告
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7. 王太子剥奪──父王の容赦ない宣告
「……エドワード、もはや弁明の余地はない。」
国王の言葉に、謁見の間の全員が息を飲む。奥で身を縮こまらせていたセシリアは、顔面蒼白で今にも泣き崩れそうだ。
国王は重苦しい沈黙の中、玉座からゆっくり立ち上がる。視線は厳しく、そこにはわずかな情も見えない。
「お前のしたことは、国家を揺るがす愚行だ。王太子としての務めを忘れ、偽の聖女に惑わされ、王室の名を汚し、国民を欺いた。その罪はあまりにも重い。」
「父上……ま、待ってください……!」
エドワードは必死に声を張り上げる。しかし、国王は容赦なく命じた。
「王太子エドワード・カミル・レグノード、ここにおいてその地位を剥奪する。お前はこれより王位継承権を失い、いかなる職務にも就けぬ。……さらに、セシリア・ブランシュを伴い、国外へ追放とする。」
その瞬間、謁見の間が凍りついた。王太子の地位剥奪のみならず、国外追放という極刑にも等しい処分が下ったのだ。エドワードはあまりの衝撃に膝から崩れ落ち、セシリアは泣き叫びそうな顔をして声も出ない。
重臣たちの中には同情の眼差しを送る者もいたが、国王の決定に口を挟む者はいなかった。国を思えば、今までの行状を見逃すほうがよほど危険であることは明白だ。
王弟フィリップが溜め息をつきつつ、ぼそりと呟く。
「まさかここまでとは……。だが、仕方あるまいな。」
近衛騎士たちが、呆然とするエドワードとセシリアの両腕をつかみ、立たせようとする。エドワードは最後のあがきのようにロザリーへ視線を向けた。その眼差しには混乱と後悔が入り混じっている。
「ロザリー……お前は、これで満足なのか……。君は僕を……恨んでいたのだろう……?」
彼の唇が震え、顔には悔恨とも絶望とも取れる表情が浮かぶ。ロザリーはその視線をまっすぐ受け止めながら、静かに首を振った。
「エドワード殿下、わたくしは恨みなど抱いておりません。ただ、あなたが私たち――この国と、その国民を裏切り、セシリアという危険な人物とともに国家を私物化しようとした事実が許せなかっただけです。これが、当然の結果でしょう。」
「……っ……!」
エドワードは何か言い返そうとするが、うまく言葉にならない。セシリアも縋るようにエドワードの腕をつかむが、国王の宣告を覆す術はもはやなかった。
こうして、王太子エドワードとセシリアはともに王宮から連行される。国外追放という過酷な処罰が待っている以上、もう二度とこの地に足を踏み入れることはないだろう。
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「……エドワード、もはや弁明の余地はない。」
国王の言葉に、謁見の間の全員が息を飲む。奥で身を縮こまらせていたセシリアは、顔面蒼白で今にも泣き崩れそうだ。
国王は重苦しい沈黙の中、玉座からゆっくり立ち上がる。視線は厳しく、そこにはわずかな情も見えない。
「お前のしたことは、国家を揺るがす愚行だ。王太子としての務めを忘れ、偽の聖女に惑わされ、王室の名を汚し、国民を欺いた。その罪はあまりにも重い。」
「父上……ま、待ってください……!」
エドワードは必死に声を張り上げる。しかし、国王は容赦なく命じた。
「王太子エドワード・カミル・レグノード、ここにおいてその地位を剥奪する。お前はこれより王位継承権を失い、いかなる職務にも就けぬ。……さらに、セシリア・ブランシュを伴い、国外へ追放とする。」
その瞬間、謁見の間が凍りついた。王太子の地位剥奪のみならず、国外追放という極刑にも等しい処分が下ったのだ。エドワードはあまりの衝撃に膝から崩れ落ち、セシリアは泣き叫びそうな顔をして声も出ない。
重臣たちの中には同情の眼差しを送る者もいたが、国王の決定に口を挟む者はいなかった。国を思えば、今までの行状を見逃すほうがよほど危険であることは明白だ。
王弟フィリップが溜め息をつきつつ、ぼそりと呟く。
「まさかここまでとは……。だが、仕方あるまいな。」
近衛騎士たちが、呆然とするエドワードとセシリアの両腕をつかみ、立たせようとする。エドワードは最後のあがきのようにロザリーへ視線を向けた。その眼差しには混乱と後悔が入り混じっている。
「ロザリー……お前は、これで満足なのか……。君は僕を……恨んでいたのだろう……?」
彼の唇が震え、顔には悔恨とも絶望とも取れる表情が浮かぶ。ロザリーはその視線をまっすぐ受け止めながら、静かに首を振った。
「エドワード殿下、わたくしは恨みなど抱いておりません。ただ、あなたが私たち――この国と、その国民を裏切り、セシリアという危険な人物とともに国家を私物化しようとした事実が許せなかっただけです。これが、当然の結果でしょう。」
「……っ……!」
エドワードは何か言い返そうとするが、うまく言葉にならない。セシリアも縋るようにエドワードの腕をつかむが、国王の宣告を覆す術はもはやなかった。
こうして、王太子エドワードとセシリアはともに王宮から連行される。国外追放という過酷な処罰が待っている以上、もう二度とこの地に足を踏み入れることはないだろう。
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