『殺されたはずの公爵令嬢は、幽霊として王太子を断罪します』

鍛高譚

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13話

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その夜、セレスティナは“悪夢”を見る

 一方その頃。
 仮面舞踏会のあと、自室へ戻ったセレスティナは、疲れ果てた顔でドレスを脱ぎ捨てていた。アルファルドに何度も「取り乱すな」と叱責されながら踊った舞踏は、まるで拷問のように感じられたし、途中で起きた不可解な現象は、彼女の心をさらに不安定にした。

「また……あの亡霊が出たんじゃ……。ユウナの……」
 両親を殺した罪悪感など微塵も持っていないはずなのに、彼女の脳裏には、白いドレスを纏ったユウナの幻影がちらつく。とっくに死んだはずの令嬢が、鏡越しににやりと笑っている……そんな妄想に苛まれているのだ。

 ベッドに潜り込み、目を閉じても、暗闇の中でユウナがささやく声が聞こえるような気がしてならない。
「ねえ……知ってる? 私はまだ……死んでないわよ……?」

「やめて……来ないで!」
 セレスティナは呻くように布団を引き寄せるが、誰もいるはずがない。その時点で狂気じみた行為だと自覚しながらも、恐怖は収まらない。

 きっとこれは自業自得だ。心のどこかで、ユウナの亡霊が復讐に来ることを本能的に恐れているのだろう。それを認めたくなくても、感情は誤魔化せない。
 結果として、セレスティナは寝つけず朝を迎える。翌日には再び憔悴した顔で公務に臨むことになり、周囲からは「ご体調が悪いのでは?」と心配されるが、真相など言えるわけがない。

 アルファルドに相談しても、「馬鹿げた幻覚を見ているだけだ」と一蹴される。だが、彼も内心では怯え始めているのだろう。あの不気味な現象を目撃している以上、全く動揺していないはずがない。
 こうして、少しずつ少しずつ、彼らは追いつめられていく。
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