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14話
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そして、運命の最終局面へ……
仮面舞踏会での騒ぎは、大きなスキャンダルこそ起こらなかったものの、王太子とその婚約者が不可解なトラブルに見舞われたことは、出席した貴族たちの間で静かな話題となっていた。「燭台が倒れただけ」「うっかりドレスの裾を引っかけただけ」といった様々な憶測が飛び交い、真相は闇の中。
しかし、その“闇の中”であるがゆえに、まことしやかな噂が膨れ上がるのも社交界の常だ。「もしかして亡霊が本当にいるのかもしれない」という極端な説まで流れ、ある者は面白がり、ある者は薄気味悪がっている。
私の望み通り、アルファルドとセレスティナへの信用はじわじわと下がりつつあるようだ。と同時に、王太子を快く思わない旧貴族層の一部が、内心で“幽霊騒ぎ”を喜んでいるという話もある。私が意図したわけではないが、彼らにとっては王太子の権威が揺らぐことは好都合なのだろう。
これが一気に爆発的な“ざまあ”に繋がるかどうかは、まだわからない。だが確実に、狭い宮廷社会の歯車が音を立てて動き始めている。
リヒトも再び動いてくれている。あの組織“グラン・クルール”の具体的な活動を探ったり、ロゼリア家の資金の流れを追ったり、私の両親を殺害した証拠を掴むべく内偵を進めているようだ。
私もまた、どこかで決定的な“爆弾”を落とす準備をしなければならない。幽霊のまま騒ぎを起こすだけではなく、国王や主要な貴族たちの前で、アルファルドたちの罪を暴く――その機会を伺うのだ。
(そろそろ、最終的な仕掛けに入る頃合いかもしれないわ。彼らが隠している“核心”を引きずり出して、王太子の玉座を崩してやる……)
そう決意を新たにする私の胸中には、止むことのない憎悪と、奇妙な焦燥感が同居していた。まだ体の不調は続き、時折胸が痛むのだが、そんなことに構っている余裕はない。
私は死んだふりをしている“亡霊”――もう後戻りなんてできないのだから。両親の仇を討つまで、自分の魂を賭けてもやり遂げなければならない。
そのときは近い。
アルファルド王太子とセレスティナ、そして私の運命が交わる“最後の舞台”が、刻一刻と近づいてきているのを感じる。
仮面舞踏会での騒ぎは、大きなスキャンダルこそ起こらなかったものの、王太子とその婚約者が不可解なトラブルに見舞われたことは、出席した貴族たちの間で静かな話題となっていた。「燭台が倒れただけ」「うっかりドレスの裾を引っかけただけ」といった様々な憶測が飛び交い、真相は闇の中。
しかし、その“闇の中”であるがゆえに、まことしやかな噂が膨れ上がるのも社交界の常だ。「もしかして亡霊が本当にいるのかもしれない」という極端な説まで流れ、ある者は面白がり、ある者は薄気味悪がっている。
私の望み通り、アルファルドとセレスティナへの信用はじわじわと下がりつつあるようだ。と同時に、王太子を快く思わない旧貴族層の一部が、内心で“幽霊騒ぎ”を喜んでいるという話もある。私が意図したわけではないが、彼らにとっては王太子の権威が揺らぐことは好都合なのだろう。
これが一気に爆発的な“ざまあ”に繋がるかどうかは、まだわからない。だが確実に、狭い宮廷社会の歯車が音を立てて動き始めている。
リヒトも再び動いてくれている。あの組織“グラン・クルール”の具体的な活動を探ったり、ロゼリア家の資金の流れを追ったり、私の両親を殺害した証拠を掴むべく内偵を進めているようだ。
私もまた、どこかで決定的な“爆弾”を落とす準備をしなければならない。幽霊のまま騒ぎを起こすだけではなく、国王や主要な貴族たちの前で、アルファルドたちの罪を暴く――その機会を伺うのだ。
(そろそろ、最終的な仕掛けに入る頃合いかもしれないわ。彼らが隠している“核心”を引きずり出して、王太子の玉座を崩してやる……)
そう決意を新たにする私の胸中には、止むことのない憎悪と、奇妙な焦燥感が同居していた。まだ体の不調は続き、時折胸が痛むのだが、そんなことに構っている余裕はない。
私は死んだふりをしている“亡霊”――もう後戻りなんてできないのだから。両親の仇を討つまで、自分の魂を賭けてもやり遂げなければならない。
そのときは近い。
アルファルド王太子とセレスティナ、そして私の運命が交わる“最後の舞台”が、刻一刻と近づいてきているのを感じる。
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