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その8
しおりを挟む「でもね、アデラインは契約通り、少し早めに生まれていたヨーゼフと婚約が決まっていたからどうしようもなくてね。必死に説明するけどエドアルトが聞かなくて…」
「ヒルデ姉、そこまでにしてくれ」
「嫌よ。貴方がもっと早くアデラインに話してれば私が話すことはなかったのよ?」
普段は堂々と国王としてたち振る舞うエドアルトがヒルデに対してはたじたじになっている様子を見てアデラインはふふ、と笑った
「それでね、私が言ったの。「どうしてもアデラインが欲しいなら私に協力しなさい」って」
「それが今回の粛清だったのですか?」
「そう。一度甘い蜜を吸わせてからどん底に落とした方が楽しいでしょう?」
エドアルトとアデラインのお陰でうまくいったわ。とヒルデは満足そうに微笑んだ
「……ここからは俺が話してもいいか?」
静かにアデラインの横で紅茶を飲んでいたエドアルトが声を発した
エドアルトはアデラインの手を握りしめ、しっかりと瞳と瞳を見つめ合わせるゆっくり話した
「ヒルデ姉に協力することで義兄と甥を蹴落として俺が王太子、ひいては国王になることがアデラインを俺のものにする最善の策だと教えてもらった。
だが作戦を義兄たちに知られては行けない上に頻繁にアディに会うのは避けろと言われていたから中々会いに行けなかった」
「よく言うわ。ヨーゼフがアデラインとの茶会をすっぽかしたら我先にといっていたくせに」
私は知ってるのよ、とヒルデがいう
その言葉にエドアルトは苦笑し話を続けた
「会うたびに想いが強くなった。でもまだヨーゼフの婚約者だとなんとか我慢していた。だからせめて呼び名だけでもと思いアディと呼んだんだ」
「突然愛称で呼ばれましたからあの時はびっくりしましたわ。でも、、私もその頃には陛下を、いえ、エドアルト様をお慕い申し上げておりましたから…」
「アディ……!!」
アデラインの告白にエドアルトは歓喜極まり人目も憚らず抱きしめた
抱きしめられたことに驚いたアデラインだったが不思議と嫌な気持ちではなく、むしろ喜びに胸が溢れた
「まあまあ。若いっていいわね~」
ヒルデはそんな2人を微笑ましく眺めていた
ーーーーーー
2人の想いが通じ合って数ヶ月後
「それでは行ってきますわ」
「アディ…本当に行くのか?」
「エドったら…里帰りさせてくれるって言ったじゃない」
「そうだが…やっぱり王宮で「嫌よ」」
「私は、私のお母様と同じようにレプシウス侯爵領の穏やかな場所で出産を迎えたいの。それに王都からもそんなに離れていないから産気づいてもすぐにエドがこれるわ」
寂しがるエドアルトにお腹の膨らんだアデラインはよしよしと頭を撫でた
アデラインのお腹の中には新しい生命がいる
臨月を来月に迎えたアデラインはこれから兄夫妻が納めるレプシウス公爵領に向いそこで出産を迎える予定だった
「細い体で…君にばかり負担をしいて申し訳ない」
「謝らないでって約束したでしょう?子供が欲しいのは私も同じだし、私の家系は双子が生まれやすいの」
むしろ可愛い我が子が2人もいるのよ?素敵じゃない!と顔を綻ばせ笑うアデラインは美しかった
そんなアデラインをそっと抱きしめエドアルトはぽつりと呟いた
「愛してるよ。私の可愛いアディ」
「私も愛しておりますわ。エド」
1ヶ月後、春の陽気に包まれた暖かい日にアデラインは元気な男女の双子を出産した
愛妻家で知られるロドリグ王国国王に子煩悩という名誉がつけられるのはそう遠くない未来だ
今日もまた、アデラインは愛しい旦那様と子供たちに囲まれて過ごす
「王妃も悪くないわね」
完
最後までお読み頂きありがとうございます。
最後がやや駆け足気味になってしまったのは自分自身でも悔やまれる部分ですが、なんとか完結まで持ち込めてよかったです。
今後もよろしくお願いします、
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