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二人のイケメン、側妃の誤算
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二匹にタシタシと前足で叩かれ続けても動けないでいるラファエロ殿下。大分ダメージが大きかったようだ。
「リーザ」
泣きそうな声ですが、泣いちゃいますか?
「はい、ラフィ殿下」
「リーザは俺を振るのか?」
心細そうな声に、不覚にもキュンとしてしまった。
「私がラフィ殿下を振るなんてありえません。例え婚約者候補がたくさんいても私からラフィ殿下を振ってしまうなんてことはしませんよ」
目線を合わせるようにしゃがむ。これ以上好きにならないようにはしているけれど。
「よしっ!」
私の言葉を聞いていきなり復活したラファエロ殿下。お兄様は何かを言いたそうにしているが何も言わない。
「じゃあ早速、このまま教室まで行こう」
再び私の腰を抱くラファエロ殿下。
「バイアルドにしっかりアピールしておかないとな。他の男たちにも」
「バイアルド殿下には言っていないのですか?」
「いや、グアルティエロが話したと言っていた」
お父様が言ったのならもういいのでは?
「その後にね、わざわざ父上からラフィに手紙が届いてね。エリーザがラフィの名前をその場で言わなかったという事は、言うのが恥ずかしかったんだろうって。手紙なのに父上がラフィを凄くバカにしたのを感じたらしいよ」
ああ、だからオリヴィエーロの男ってだったのね。
「ごめんなさい。私のせいですね」
変に気を遣わずにちゃんと言えば良かった。
「いいんだ。そのおかげでこうやってエスコート出来るんだからな」
深紅の瞳が煌いて、ドキッとしてしまう。小さな事でときめく自分が嫌になる。これ以上は好きになりたくないのに。
昨日に続いて注目されまくっている。もう恥ずかしくて軽く死ねそうだ。ラファエロ殿下はなんだか嬉しそうだし。ルーチェとオスクリタに至っては、お兄様に大事そうに抱かれてご満悦状態。こんなに注目されているというのに平気でいるこの二人は一体なんなのか。
「真っ赤な顔したエリーザが可愛すぎる!」
途中で呟くラファエロ殿下の言葉に増々私の顔が熱くなる。なんとか顔を覆うのは耐えて教室まで到着した。
更に扉をスッと開けて中までエスコートしてくれるラファエロ殿下。賑やかだった教室がシンと静かになった。席は特に決まっていないので、手近な席に私を座らせる。後ろにいたお兄様は机の上に二匹を乗せた。乗せる前に二匹にキスをして。
途端に静まり返っていた教室が、黄色い声で揺れた。
「じゃあ、またな」
ラファエロ殿下も負けじとなのか、私の頭にキスを落とす。心臓がキュウッと縮まった気がした。
「じゃあね、私の天使」
お兄様は私の頬にキスをして、二人は颯爽と教室を去って行った。
二人がいなくなってからはもう、カオスだった。
全ての令嬢が私の周りに集まり
「一体今のはどういうことですの?」
「お兄様ってチェーザレ様の事だったのですね」
「羨まし過ぎますわ」
そんな感じの事を言い続け、どんどん壊れていく令嬢方。
「エリーザ様お願いです。使役獣様方に触れる許可を」
「私も是非」
「私も。チェーザレ様がキスした所を触らせてほしいです」
怖い。二匹も、ただならぬ空気に恐れをなして、初めて私を置いてフッと消えた。
その後も、ずっとお願いされたり、私を餌に二人を吊り上げようとしたり。本当に凄かった。おかげでバイアルド殿下はあれっきり、私に婚約話を持ち込むどころか近づくことさえ出来ずにいたから良かったのではあるけれど。
因みに消えた二匹は、放課後になって教室を出た途端に現れた。
『ごめんね、エリーザ。離れるのは絶対にダメだってわかってたんだけど、どうしても怖かったんだ』
『ごめん。俺も怖かった。母上が怒ってる時よりも怖いと感じてしまった』
しょんぼりとしている二匹。お母様より怖いなんて、相当だったのだろう。
「ふふ、そんなの全然気にしていないわ。私もあれは怖かったもの。もしあのままあなた達があの場に居たら、毛をむしられてたかもしれない。逃げてくれて正解だったわ」
『エリーザ!』
二匹は私の胸に飛び込んできた。
「ふふ、帰りましょうか」
『うん!』
『ああ』
降りたがらない二匹をずっと抱いて、屋敷へ帰った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何故オリヴィエーロの娘は息子の婚約者ではないの?今回こそはあんな役に立たない爵位の聖女ではなく、オリヴィエーロの娘を嫁にと願っているのに。
そもそも何故、時間が巻き戻っているのか。私は部屋でお茶を飲んでいたはずなのに。
全く状況がわからない。陛下が久しぶりに来てくれたような気はするのだけど……
わかっているのは、前と一緒で陛下が私を王妃にしてくれない事。前も、今も、王妃を殺したのは上手くいったのに。薬を少しずつ仕込んで、やっと消したのに。彼女がいなくなれば陛下は私を愛してくれるはずなのに。
愛してくれるどころか、もう私の所に来てくれなくなってどれほど経つのか。
私の世話をしている侍女たちも、冷めた目で私を見る。私がダメならバイアルドが王になればいい。だからこそ、この国一番の力を持っているオリヴィエーロの力を。
そう思っていたのに、よりによって第一王子に持って行かれるなんて。
いいわ。前の時と一緒にすればいい。いなくなってもらいましょ。
「リーザ」
泣きそうな声ですが、泣いちゃいますか?
「はい、ラフィ殿下」
「リーザは俺を振るのか?」
心細そうな声に、不覚にもキュンとしてしまった。
「私がラフィ殿下を振るなんてありえません。例え婚約者候補がたくさんいても私からラフィ殿下を振ってしまうなんてことはしませんよ」
目線を合わせるようにしゃがむ。これ以上好きにならないようにはしているけれど。
「よしっ!」
私の言葉を聞いていきなり復活したラファエロ殿下。お兄様は何かを言いたそうにしているが何も言わない。
「じゃあ早速、このまま教室まで行こう」
再び私の腰を抱くラファエロ殿下。
「バイアルドにしっかりアピールしておかないとな。他の男たちにも」
「バイアルド殿下には言っていないのですか?」
「いや、グアルティエロが話したと言っていた」
お父様が言ったのならもういいのでは?
「その後にね、わざわざ父上からラフィに手紙が届いてね。エリーザがラフィの名前をその場で言わなかったという事は、言うのが恥ずかしかったんだろうって。手紙なのに父上がラフィを凄くバカにしたのを感じたらしいよ」
ああ、だからオリヴィエーロの男ってだったのね。
「ごめんなさい。私のせいですね」
変に気を遣わずにちゃんと言えば良かった。
「いいんだ。そのおかげでこうやってエスコート出来るんだからな」
深紅の瞳が煌いて、ドキッとしてしまう。小さな事でときめく自分が嫌になる。これ以上は好きになりたくないのに。
昨日に続いて注目されまくっている。もう恥ずかしくて軽く死ねそうだ。ラファエロ殿下はなんだか嬉しそうだし。ルーチェとオスクリタに至っては、お兄様に大事そうに抱かれてご満悦状態。こんなに注目されているというのに平気でいるこの二人は一体なんなのか。
「真っ赤な顔したエリーザが可愛すぎる!」
途中で呟くラファエロ殿下の言葉に増々私の顔が熱くなる。なんとか顔を覆うのは耐えて教室まで到着した。
更に扉をスッと開けて中までエスコートしてくれるラファエロ殿下。賑やかだった教室がシンと静かになった。席は特に決まっていないので、手近な席に私を座らせる。後ろにいたお兄様は机の上に二匹を乗せた。乗せる前に二匹にキスをして。
途端に静まり返っていた教室が、黄色い声で揺れた。
「じゃあ、またな」
ラファエロ殿下も負けじとなのか、私の頭にキスを落とす。心臓がキュウッと縮まった気がした。
「じゃあね、私の天使」
お兄様は私の頬にキスをして、二人は颯爽と教室を去って行った。
二人がいなくなってからはもう、カオスだった。
全ての令嬢が私の周りに集まり
「一体今のはどういうことですの?」
「お兄様ってチェーザレ様の事だったのですね」
「羨まし過ぎますわ」
そんな感じの事を言い続け、どんどん壊れていく令嬢方。
「エリーザ様お願いです。使役獣様方に触れる許可を」
「私も是非」
「私も。チェーザレ様がキスした所を触らせてほしいです」
怖い。二匹も、ただならぬ空気に恐れをなして、初めて私を置いてフッと消えた。
その後も、ずっとお願いされたり、私を餌に二人を吊り上げようとしたり。本当に凄かった。おかげでバイアルド殿下はあれっきり、私に婚約話を持ち込むどころか近づくことさえ出来ずにいたから良かったのではあるけれど。
因みに消えた二匹は、放課後になって教室を出た途端に現れた。
『ごめんね、エリーザ。離れるのは絶対にダメだってわかってたんだけど、どうしても怖かったんだ』
『ごめん。俺も怖かった。母上が怒ってる時よりも怖いと感じてしまった』
しょんぼりとしている二匹。お母様より怖いなんて、相当だったのだろう。
「ふふ、そんなの全然気にしていないわ。私もあれは怖かったもの。もしあのままあなた達があの場に居たら、毛をむしられてたかもしれない。逃げてくれて正解だったわ」
『エリーザ!』
二匹は私の胸に飛び込んできた。
「ふふ、帰りましょうか」
『うん!』
『ああ』
降りたがらない二匹をずっと抱いて、屋敷へ帰った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何故オリヴィエーロの娘は息子の婚約者ではないの?今回こそはあんな役に立たない爵位の聖女ではなく、オリヴィエーロの娘を嫁にと願っているのに。
そもそも何故、時間が巻き戻っているのか。私は部屋でお茶を飲んでいたはずなのに。
全く状況がわからない。陛下が久しぶりに来てくれたような気はするのだけど……
わかっているのは、前と一緒で陛下が私を王妃にしてくれない事。前も、今も、王妃を殺したのは上手くいったのに。薬を少しずつ仕込んで、やっと消したのに。彼女がいなくなれば陛下は私を愛してくれるはずなのに。
愛してくれるどころか、もう私の所に来てくれなくなってどれほど経つのか。
私の世話をしている侍女たちも、冷めた目で私を見る。私がダメならバイアルドが王になればいい。だからこそ、この国一番の力を持っているオリヴィエーロの力を。
そう思っていたのに、よりによって第一王子に持って行かれるなんて。
いいわ。前の時と一緒にすればいい。いなくなってもらいましょ。
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