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過去との因縁
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「リーザ。私はリーザをちゃんと守れたかな?」
ラフィ殿下を追い出し、私と楽しそうに踊るお兄様。
「勿論です、お兄様。お兄様や皆がいたから、私は全然怖くなかったもの」
「良かった……贖罪……出来たかな」
「お兄様……これからはお兄様自身の幸せを考えて。私はお兄様も幸せでない限り、本当の幸せにはならないと思ってるわ。素敵な方を見つけて、将来は私の子供とお兄様の子供と仲良く遊ばせるのが夢よ」
「そっか……それはいいね。ラフィの子でもあるというのは若干気に入らないけれど」
「ふふふ、もうお兄様ったら」
その後はジュスト様とバイアルド殿下とも踊った。ジュスト様は私にごめんなさいとありがとうを繰り返し言うので、次に言った時は二匹のためにスイーツのお店を1軒買わせるわと脅したら、笑いながらやめてくれた。
バイアルド殿下は本当にあのバイアルド殿下なのかという位、ダンスのリードも上手くなり、いかに兄であるラフィ殿下が凄いかと延々私に言って聞かせてくれた。
『わーい、もっと、もっと回って、エリーゼ』
『バカ!止めろ。さっき食べたマフィンが出るっ』
あらかたスイーツを食べ尽くした二匹とも、抱えてダンスをした。
「本当にありがとう。あなた達のおかげで私は本当に幸せよ」
オスクリタの限界を察知し、回るのをやめ軽く揺れながら二匹に言う。
『僕も幸せだよ。エリーゼと会えてとっても幸せ』
『俺もだ。これからもエリーゼと共にいる』
揺れていた身体が止まってしまう。
「ホント?本当に一緒にまだいてくれるの?」
『?当たり前じゃない』
『もしかして、これが解決したから居なくなると?』
「そう思っていたわ。私を守ることが目的だと思っていたから」
『これからも守り続けるよ』
『エリーゼが死するその時まで』
自然と涙が零れ落ちた。
「ルーチェ、オスクリタ。本当にありがとう。私は今、これ以上ないくらい幸せよ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
カツン、カツンと二つの足音が響く。全てが石で作られているであろう地下室は、あまり使われる事がないためにかび臭い。湿気も帯びており、全体的に嫌な空気だ。
「こんな所に入れられた感想は?偽聖女殿」
舞踏会で着ていたピンクのドレスのまま、地下牢に入れられた偽聖女は、やって来た二人を物凄い形相で睨みつけている。
「うわあ、怖い怖い」
わざと震えて見せるチェーザレ。
「出しなさいよ。私が何をしたって言うのよ」
「はっ、まだそんな事を言うのか?捕らえられた時に、はっきりと罪状を告げられていただろう。聖女を騙った詐欺罪と、エリーゼを殺すように指示を出した殺人教唆未遂だ」
「残念ながら、どちらも罪としては決して軽くない。王族をも騙したわけだし、エリーゼの事については未来の王妃を殺害しようとしたわけだしね」
二人で説明してやるが偽聖女は全く納得していなかった。
「何度も言ってるでしょ。ここは、私が主人公のゲームの世界なの。それなのにこんな所に閉じ込めていいと思っているわけ!?」
「勿論、いいと思っているさ。例えここがゲームの世界に酷似していたとしても、ゲームの世界ではない。考えたらわかるだろう。選択肢でも出たか?好感度見れたか?ゲームじゃないんだから見れるわけがないだろう」
「あんた……転生者なのね」
偽聖女はラファエロを更に睨みつける。
「ああ、その通り。妹がこのゲームをやっていてね。良く知ってるよ。その時から俺は主人公が大っ嫌いだったがな。ああ、因みに妹の名前は白川紗良というんだが」
「え?」
「聞こえなかったか?白川紗良。おまえが会社の階段から突き落として殺した白川紗良だ、柳澤澄江」
「あの、女の……?」
「俺の部下の高見沢に惚れてたんだろう。その割には尻軽で誰にでもケツを振っていたようだが……だから盛大に大告白をされた紗良の事が憎くて仕方なかったんだろ?」
「え?俺の部下?高見沢さんが?」
「そうだよ。俺は営業課長だったからな」
「おまえが紗良を殺したんだ。しっかり防犯カメラに写っていたよ。おまえが突き落とす所がな。俺や高見沢がどんなにお前を憎んだかわかるか?この手で殺してやろうと思ったら、おまえはあの後すぐに大型トラックにひかれて死んだんだ。悔しかったよ。おまえをこの手で裁けなかった事が」
そして俺は笑った。
「だから今、どんなに気分がいいか……今回はお前をこの手で裁くことが出来る。堪らないよ」
「ひっ!」
俺の赤い瞳に睨まれた彼女は、声にならない悲鳴を上げた。
「まとも生きていない人間にはやっぱり天罰が下るんだな。柳澤澄江の時はトラックにひかれて死んで、前の時は魔物に八つ裂きにされて。神に見放され聖女にもなれず、ゲームの世界でも主人公なのに見放された。そんなお前の今回は一体どうなるんだろうな?」
「い、嫌……いや、助けて……助けてよ!!」
偽聖女は柵に縋りつき喚き散らした。
「誰が?俺が?助けると思うか?」
それだけ言って、俺たちは地下牢を後にした。どんなに偽聖女が叫んでも全く気にすることなく。
「魔王の如く、でしたね」
「ダメだったか?」
「いいえ、これからも付いて行こうと改めて思いましたよ」
「ははは、頼むよ。義兄さん」
「殺しますよ」
「怖っ」
ラフィ殿下を追い出し、私と楽しそうに踊るお兄様。
「勿論です、お兄様。お兄様や皆がいたから、私は全然怖くなかったもの」
「良かった……贖罪……出来たかな」
「お兄様……これからはお兄様自身の幸せを考えて。私はお兄様も幸せでない限り、本当の幸せにはならないと思ってるわ。素敵な方を見つけて、将来は私の子供とお兄様の子供と仲良く遊ばせるのが夢よ」
「そっか……それはいいね。ラフィの子でもあるというのは若干気に入らないけれど」
「ふふふ、もうお兄様ったら」
その後はジュスト様とバイアルド殿下とも踊った。ジュスト様は私にごめんなさいとありがとうを繰り返し言うので、次に言った時は二匹のためにスイーツのお店を1軒買わせるわと脅したら、笑いながらやめてくれた。
バイアルド殿下は本当にあのバイアルド殿下なのかという位、ダンスのリードも上手くなり、いかに兄であるラフィ殿下が凄いかと延々私に言って聞かせてくれた。
『わーい、もっと、もっと回って、エリーゼ』
『バカ!止めろ。さっき食べたマフィンが出るっ』
あらかたスイーツを食べ尽くした二匹とも、抱えてダンスをした。
「本当にありがとう。あなた達のおかげで私は本当に幸せよ」
オスクリタの限界を察知し、回るのをやめ軽く揺れながら二匹に言う。
『僕も幸せだよ。エリーゼと会えてとっても幸せ』
『俺もだ。これからもエリーゼと共にいる』
揺れていた身体が止まってしまう。
「ホント?本当に一緒にまだいてくれるの?」
『?当たり前じゃない』
『もしかして、これが解決したから居なくなると?』
「そう思っていたわ。私を守ることが目的だと思っていたから」
『これからも守り続けるよ』
『エリーゼが死するその時まで』
自然と涙が零れ落ちた。
「ルーチェ、オスクリタ。本当にありがとう。私は今、これ以上ないくらい幸せよ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
カツン、カツンと二つの足音が響く。全てが石で作られているであろう地下室は、あまり使われる事がないためにかび臭い。湿気も帯びており、全体的に嫌な空気だ。
「こんな所に入れられた感想は?偽聖女殿」
舞踏会で着ていたピンクのドレスのまま、地下牢に入れられた偽聖女は、やって来た二人を物凄い形相で睨みつけている。
「うわあ、怖い怖い」
わざと震えて見せるチェーザレ。
「出しなさいよ。私が何をしたって言うのよ」
「はっ、まだそんな事を言うのか?捕らえられた時に、はっきりと罪状を告げられていただろう。聖女を騙った詐欺罪と、エリーゼを殺すように指示を出した殺人教唆未遂だ」
「残念ながら、どちらも罪としては決して軽くない。王族をも騙したわけだし、エリーゼの事については未来の王妃を殺害しようとしたわけだしね」
二人で説明してやるが偽聖女は全く納得していなかった。
「何度も言ってるでしょ。ここは、私が主人公のゲームの世界なの。それなのにこんな所に閉じ込めていいと思っているわけ!?」
「勿論、いいと思っているさ。例えここがゲームの世界に酷似していたとしても、ゲームの世界ではない。考えたらわかるだろう。選択肢でも出たか?好感度見れたか?ゲームじゃないんだから見れるわけがないだろう」
「あんた……転生者なのね」
偽聖女はラファエロを更に睨みつける。
「ああ、その通り。妹がこのゲームをやっていてね。良く知ってるよ。その時から俺は主人公が大っ嫌いだったがな。ああ、因みに妹の名前は白川紗良というんだが」
「え?」
「聞こえなかったか?白川紗良。おまえが会社の階段から突き落として殺した白川紗良だ、柳澤澄江」
「あの、女の……?」
「俺の部下の高見沢に惚れてたんだろう。その割には尻軽で誰にでもケツを振っていたようだが……だから盛大に大告白をされた紗良の事が憎くて仕方なかったんだろ?」
「え?俺の部下?高見沢さんが?」
「そうだよ。俺は営業課長だったからな」
「おまえが紗良を殺したんだ。しっかり防犯カメラに写っていたよ。おまえが突き落とす所がな。俺や高見沢がどんなにお前を憎んだかわかるか?この手で殺してやろうと思ったら、おまえはあの後すぐに大型トラックにひかれて死んだんだ。悔しかったよ。おまえをこの手で裁けなかった事が」
そして俺は笑った。
「だから今、どんなに気分がいいか……今回はお前をこの手で裁くことが出来る。堪らないよ」
「ひっ!」
俺の赤い瞳に睨まれた彼女は、声にならない悲鳴を上げた。
「まとも生きていない人間にはやっぱり天罰が下るんだな。柳澤澄江の時はトラックにひかれて死んで、前の時は魔物に八つ裂きにされて。神に見放され聖女にもなれず、ゲームの世界でも主人公なのに見放された。そんなお前の今回は一体どうなるんだろうな?」
「い、嫌……いや、助けて……助けてよ!!」
偽聖女は柵に縋りつき喚き散らした。
「誰が?俺が?助けると思うか?」
それだけ言って、俺たちは地下牢を後にした。どんなに偽聖女が叫んでも全く気にすることなく。
「魔王の如く、でしたね」
「ダメだったか?」
「いいえ、これからも付いて行こうと改めて思いましたよ」
「ははは、頼むよ。義兄さん」
「殺しますよ」
「怖っ」
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