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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
空気を読んで!
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次の日の昼休み、学園の美味しいランチを食べ、教室でお喋りを楽しんでいると、廊下がざわついている。何だ?と思っていると、同じクラスの令息が、
「フォーレス侯爵令嬢、ファーエル公爵令息がお呼びです。」
何だって?早速、呼び出し?でも、令嬢じゃなくて、令息?怖いわね。レジーナやエリーゼ達にアイコンタクトをし、廊下に向かう。するとそこには、華やか美形の子息が。
「久しぶりだね。私の事、覚えてる?」
サーっと血の気が引く。聖女子学園の頃に治癒魔法で助けたサーラちゃんのトコの領主の息子だよね。しかも、公爵令息。関わりたくない種類の人だ!
私が言葉を詰まらせていると、
「失礼した。もしかしたら、フォーレス侯爵令嬢は忘れているかもしれないが、君が聖女子学園にいた頃、馬車事故に遭ったうちの領民を治癒魔法で助けてもらった時に、その場に居たんだが。君は急いでいると、名も名乗らず、すぐにその場を立ち去ってしまったから、お礼が出来なかったので、勝手に調べさせてもらったんだ。聖女子学園で君の髪や瞳の色と、治癒魔法の使い手は王弟殿下のフォーレス侯爵家の令嬢しかいないと分かったから、入学したと聞いて、早速その時のお礼を言おうと、今日伺ったのだよ。」
勝手に人のプライバシー調べんなよ!
「自己紹介もまだだったな。私は3年のアラン・ファーエルだ。生徒会長もしている。よろしく。」
げっ!生徒会長なの?ますます危険ね。よろしくされたくないわ。しかし、自分よりも身分の高い人に名乗られたらねぇ…。私はカーテシーをして、
「マリーベル・フォーレスですわ。あの時のお方だとは、気付かずに申し訳ありません。しかしあの時は、当然の事をしたまでですので、気になさらないで下さいませ。それでは、ご機嫌…」
「いや、ぜひお礼をさせてほしい。大切な領民を助けてもらったのだから。うちの両親も、君には感謝しているんだ。ぜひ、うちの茶会に来て頂けないだろうか?」
周りからの注目がすごい。ざわついているわね。それよりも、そんなお誘いやだー!公爵家に誘われたら断れないじゃない。その時、
「生徒会長、義妹のマリーベルは、幼少期に体が弱く、ずっと領地で療養してましたし、女子校から来たばかりで、あまり貴族令息に慣れていないのです。そのお誘いは、もう少し学園生活に慣れてからにして頂けるとありがたいのですが、よろしいでしょうか?」
なんと!義兄が助けてくれた?
「アルベルトか?そこまで言うなら、今日は残念だが、また次回誘わせてもらうよ。しかし、あのアルベルトが随分と義妹に過保護だな。」
「マリーベル嬢と呼んでも構わないか?私のこともアランと呼んで欲しい。」
「公爵令息で生徒会長を務める、大変高貴なお方を、私のような一介の女生徒が名前でお呼びするなど、とんでもない事でございます。ぜひ、ファーエル公爵令息様と呼ばせて頂きたく思いますわ。」
仲良く出来ないって空気読んでよ!!
周りの野次馬生徒や、義兄が残念な人を見る目で私を見ていたことに、必死な私は気付かない。
「くっ、くっ、くっ。アルベルトの義妹は面白い。この学園で一番高貴なのは、国王陛下の姪の貴女だと思うが。くっ、くっ。」
「じゃあ、君の言う高貴なお方である私からのお願いだ。アランと呼んでくれ。それと、茶会はまた次回として、学園のランチくらいは一緒するのを許してくれ。じゃあ、また!」
言いたいことだけ言って、彼は去って行った。
ふぅー、嵐のようだったわ。その時、
「マリーベル、今日は義父上の帰りが早いらしいから、ぜひディナーを一緒にと義母上が言っていたよ。だから、今日は授業が終わったら一緒にタウンハウスに行こうね。アリーには伝えておくし、義母上がマリーベルの好きな物を沢山用意して待っているみたいだし。…来れるよね?」
ひぃー。初めてまともに会話したはずなのに、義兄の綺麗な笑顔が怖いわ。私、何かしちゃったの?
「お、お兄様、私に断る理由なんてないですわ。楽しみにしてますわね。」
避けて生きてきた、王都のタウンハウスに急遽行く事になってしまったわ。アウェーど真ん中じゃないの。
教室に戻ると、令息達の何とも言えない視線と、聖女子メンバーの面白かったと言いたげな視線が痛い。こっち見んなよ!
そんな中、レジーナが教えてくれたが、ファーエル公爵令息が呼び出して来た時から、義兄が心配そうに見ていたから、根は優しい人なのではと言う。まだよく分からないけど、助けようとはしてくれたから、お礼は伝えよう。
そんなこんなで授業が終わり、放課後になってしまった。
私は何故か、義兄に拘束?手を引かれて馬車まで向かっている。手を繋がなくても逃走しませんって!すれ違う他の令息や令嬢達の視線が痛い。目立ちたくないのー!
「お、お兄様、わざわざ手を繋いでくれなくても、一人で歩けますわ。」
「マリーベルはまだ学園の場所とか覚えてないだろう?迷子になられても困るし。それに、これはエスコートと一緒だと思って。」
空気読んでよーー!しかし、義兄の手はがっしりと私の手を繋ぎ、離れることはなかった。
今後どこに行くにしても、義兄が一緒の時は、必ずエスコートという名の、拘束手繋ぎをされることになる。
物陰から睨みつける者がいたことには、2人は気が付かないのであった。
「フォーレス侯爵令嬢、ファーエル公爵令息がお呼びです。」
何だって?早速、呼び出し?でも、令嬢じゃなくて、令息?怖いわね。レジーナやエリーゼ達にアイコンタクトをし、廊下に向かう。するとそこには、華やか美形の子息が。
「久しぶりだね。私の事、覚えてる?」
サーっと血の気が引く。聖女子学園の頃に治癒魔法で助けたサーラちゃんのトコの領主の息子だよね。しかも、公爵令息。関わりたくない種類の人だ!
私が言葉を詰まらせていると、
「失礼した。もしかしたら、フォーレス侯爵令嬢は忘れているかもしれないが、君が聖女子学園にいた頃、馬車事故に遭ったうちの領民を治癒魔法で助けてもらった時に、その場に居たんだが。君は急いでいると、名も名乗らず、すぐにその場を立ち去ってしまったから、お礼が出来なかったので、勝手に調べさせてもらったんだ。聖女子学園で君の髪や瞳の色と、治癒魔法の使い手は王弟殿下のフォーレス侯爵家の令嬢しかいないと分かったから、入学したと聞いて、早速その時のお礼を言おうと、今日伺ったのだよ。」
勝手に人のプライバシー調べんなよ!
「自己紹介もまだだったな。私は3年のアラン・ファーエルだ。生徒会長もしている。よろしく。」
げっ!生徒会長なの?ますます危険ね。よろしくされたくないわ。しかし、自分よりも身分の高い人に名乗られたらねぇ…。私はカーテシーをして、
「マリーベル・フォーレスですわ。あの時のお方だとは、気付かずに申し訳ありません。しかしあの時は、当然の事をしたまでですので、気になさらないで下さいませ。それでは、ご機嫌…」
「いや、ぜひお礼をさせてほしい。大切な領民を助けてもらったのだから。うちの両親も、君には感謝しているんだ。ぜひ、うちの茶会に来て頂けないだろうか?」
周りからの注目がすごい。ざわついているわね。それよりも、そんなお誘いやだー!公爵家に誘われたら断れないじゃない。その時、
「生徒会長、義妹のマリーベルは、幼少期に体が弱く、ずっと領地で療養してましたし、女子校から来たばかりで、あまり貴族令息に慣れていないのです。そのお誘いは、もう少し学園生活に慣れてからにして頂けるとありがたいのですが、よろしいでしょうか?」
なんと!義兄が助けてくれた?
「アルベルトか?そこまで言うなら、今日は残念だが、また次回誘わせてもらうよ。しかし、あのアルベルトが随分と義妹に過保護だな。」
「マリーベル嬢と呼んでも構わないか?私のこともアランと呼んで欲しい。」
「公爵令息で生徒会長を務める、大変高貴なお方を、私のような一介の女生徒が名前でお呼びするなど、とんでもない事でございます。ぜひ、ファーエル公爵令息様と呼ばせて頂きたく思いますわ。」
仲良く出来ないって空気読んでよ!!
周りの野次馬生徒や、義兄が残念な人を見る目で私を見ていたことに、必死な私は気付かない。
「くっ、くっ、くっ。アルベルトの義妹は面白い。この学園で一番高貴なのは、国王陛下の姪の貴女だと思うが。くっ、くっ。」
「じゃあ、君の言う高貴なお方である私からのお願いだ。アランと呼んでくれ。それと、茶会はまた次回として、学園のランチくらいは一緒するのを許してくれ。じゃあ、また!」
言いたいことだけ言って、彼は去って行った。
ふぅー、嵐のようだったわ。その時、
「マリーベル、今日は義父上の帰りが早いらしいから、ぜひディナーを一緒にと義母上が言っていたよ。だから、今日は授業が終わったら一緒にタウンハウスに行こうね。アリーには伝えておくし、義母上がマリーベルの好きな物を沢山用意して待っているみたいだし。…来れるよね?」
ひぃー。初めてまともに会話したはずなのに、義兄の綺麗な笑顔が怖いわ。私、何かしちゃったの?
「お、お兄様、私に断る理由なんてないですわ。楽しみにしてますわね。」
避けて生きてきた、王都のタウンハウスに急遽行く事になってしまったわ。アウェーど真ん中じゃないの。
教室に戻ると、令息達の何とも言えない視線と、聖女子メンバーの面白かったと言いたげな視線が痛い。こっち見んなよ!
そんな中、レジーナが教えてくれたが、ファーエル公爵令息が呼び出して来た時から、義兄が心配そうに見ていたから、根は優しい人なのではと言う。まだよく分からないけど、助けようとはしてくれたから、お礼は伝えよう。
そんなこんなで授業が終わり、放課後になってしまった。
私は何故か、義兄に拘束?手を引かれて馬車まで向かっている。手を繋がなくても逃走しませんって!すれ違う他の令息や令嬢達の視線が痛い。目立ちたくないのー!
「お、お兄様、わざわざ手を繋いでくれなくても、一人で歩けますわ。」
「マリーベルはまだ学園の場所とか覚えてないだろう?迷子になられても困るし。それに、これはエスコートと一緒だと思って。」
空気読んでよーー!しかし、義兄の手はがっしりと私の手を繋ぎ、離れることはなかった。
今後どこに行くにしても、義兄が一緒の時は、必ずエスコートという名の、拘束手繋ぎをされることになる。
物陰から睨みつける者がいたことには、2人は気が付かないのであった。
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