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南国へ国外逃亡できたよ
卒業パーティー 2
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偉い方が、私の前で立ち止まる。
「コリンズ伯爵令嬢、お初にお目にかかる。私はクリストファー・フォン・サース、この国の王太子をしている者だ。君の義兄のコリンズ卿にはいつも世話になっている。」
マジかよ!王太子殿下とか関わりたくない部類なのに。義兄が世話になっているなら、変な態度取れないじゃない。しかも、クラスメイトの宰相子息が殿下に付いているようだ。アイツが私を教えたのか!顔が引きつるのを我慢して、頑張って微笑む私。
「マリア・コリンズと申します。こちらこそ義兄がいつもお世話になっております。」
王族向けのカーテシーをする私。
「…なるほど。マリア嬢と呼んでもいいか?私のこともクリスと呼んでくれ。」
嫌なパターンだわね。
「どうぞ、マリアとお呼び下さいませ。しかしながら、私のような者が王太子殿下を名前で呼ぶなど、恐れ多い事でございます。尊敬の意味を込めて、私は王太子殿下と呼ばせて頂きたく思いますわ。」
笑顔で誤魔化す私。すると、殿下の背後から宰相子息が
「殿下、発言よろしいですか?」
「何だ?」
「このような場で、令嬢に名前で呼ぶように話されると、特別な関係と勘違いされる者が出てきます。それはやめた方がよろしいのでは。」
多分、私への牽制と嫌味を込めて言っているのだろう。お前、殿下に名前で呼ぶ許可をもらったからって、調子に乗ってんなよ!みたいな。ふふっ!でも、今はそれが反対にありがたいのよ。思わず、嫌味な宰相子息に微笑んでしまった。
「……うっ。…コリンズ伯爵令嬢、私に何か?」
「いえ、まさにその通りだと思いまして。王太子殿下という、この国で最も高貴な方を、伯爵令嬢の私が名前で呼ぶことは、変な勘違いをされる方が出て来てしまうかもしれません。ですので、王太子殿下と呼ぶことを、どうぞお許し下さいませ。」
宰相子息は黙ってしまった。私が予想外の反応をしたからだろう。
ほら黙ってないて、早くどっかに連れて行けよ!他にも声を掛けてもらいたい令嬢が沢山いるんだろ。そんな目で宰相子息をみるが…
「そうか。残念だがそのうち慣れたら、ぜひ名前で呼んでもらいたい。では、ダンスはいいだろう。私と踊ってくれるか?」
ちっ!宰相子息は使えないわね。
「…はい。喜んで。」
何でこの国に来てまで、王族と関わらなければいけないの。あーあ、ムダに目立っちゃうわよ!
殿下の手を取ってホールの中に進むと。みんなに注目されているのが分かる。最悪だ!
「マリア嬢、ダンスが上手いな!」
「殿下がお上手なので、踊りやすいからですわ。」
「噂で聞いたが、編入して来てすぐのテストで首席を取ったらしいな!どんなガリ勉な令嬢なのかと、興味を持っていたら、想像と全く違うので驚いた。しかも、魔法や芸術も得意だとは。」
「ふふっ!ガリ勉ですわ。この学園は、実力主義だと聞いたので、必死に勉強致しました。でも、次はどうなるのかは分かりません。もっと優秀な方は沢山いるのは分かってますから。私は、自分に出来ることを、必死にやって行くだけです。」
「自分でガリ勉って言い切る令嬢は、初めて見たぞ。しかもエルの義妹だって聞いたから、色々とエルに聞いても、殿下には関係ないですからとか言われて、話してくれないし。エルとは、家で話したりするのか?」
エルって呼ぶくらい、仲が良いの?
「普段はあまり話す機会はありませんわ。養女の立場で、あまり馴れ馴れしくするのは迷惑かと思いまして。でも、親切な義兄だと思います。今日はこの会場まで、送り迎えをしてくれましたし。」
「へぇ。あのエルが送り迎えをするなんて、驚きだ。君は凄いな!エルは何時に迎えに来る?」
一体、何が凄いのか!
「20時くらいに来ると話しておりました。」
「20時?エルは随分と心配性なようだ。くっくっ。あのエルがね。せっかくだから、私も迎えに来たエルに会いたいから、その時は一緒に出て行ってもいいか?」
えー!必要以上に関わりたくないのに。しかし、嫌とは言えない。
「勿論ですわ。きっと義兄は喜ぶと思います。」
そして、ダンスが終わる。あー疲れた!もうダンスは終了。何か美味しいものでも、食べようか。食事やスイーツが並んでいるテーブルを見ると、すでにリーナ達が何かを食べている。私に気付いて手を振る友人達。私もそこへ行こう。歩き出した時だった。横から、パシャっと音がする。
「あらっ!ごめんあそば…。えっ?」
早速、見知らぬ令嬢が私にジュースをかけて来た。勿論、保護魔法でジュースはかけようとした令嬢に跳ね返る。どこの国でも、ジュース攻撃は存在するのね。面倒だから、スルーしよう。だって、令嬢からは少し離れているし、コップは令嬢が持ってままだし、私は全然悪くないからね。しかも、リーナ達が笑って見ているわ。彼女たちには、私が保護魔法を使いこなしていることは知っているからね。しかし、保護魔法を知らないのか、悔しいのか、その令嬢は文句を言ってくるのであった。
「ちょっと!なんでジュースをかけるのよ。」
コップを持った令嬢が怒っている。意味が分からない。
「保護魔法ですわ。」
冷たく、無表情で言う私。
「…保護魔法?」
「はい。保護魔法です。」
「……。」
その令嬢は黙ってしまった。その時、リーナ達が数人でやってくる。
「あら?保護魔法くらい、使えなくても存在くらいは知ってますわよね?」
「授業で学びましたから、知っていて当然ですわ。使いこなすのは難しいですけどね。」
周りからクスクスと笑う声が聞こえる。
恥ずかしくなったのか、令嬢は顔を赤くして去って行ってしまった。何だ、アイツ?
後日談だが、その事件以降、誰にも絡まれなくなった。『保護魔法ですわ』と冷たく言い放つ私は、周りから見てかなり怖かったらしい。しかも、殿下とのダンスも、格の違いを見せつけられたわよと言われた。実力主義の学園だから、出来る人にケンカは売らないのだそうだ。それは良かった。頑張ります。
クラスメイト達と美味しい料理やスイーツを楽しんでいると、20時近くになる。そろそろ行くか。義兄が迎えに来ることを話し、先に帰ることを友人達に告げる。そう言えば、迎えに来た義兄に殿下が会いたいと言ってたけど…、殿下はどこだ?ん?入り口近くで待ってる?慌てて、殿下の所に行く私。
「申し訳ありません。お待たせ致しました。」
「いや、私も今来たばかりだ。行こうか!」
殿下がさり気なく、手を差し出す。エスコートしてくれるの?必要無いのに…。でも、無視出来ないし。殿下の手に自分の手をのせて、エスコートしてもらう。
ホールの外に出て直ぐに、寡黙なお兄様が待っていてくれた。
「エル!君の義妹殿と友人になったぞ!」
寡黙なお兄様をイジってるわ。やっぱり仲が良いのね。
「王太子殿下、私の義妹と友人にならなくて結構でございます。では、失礼致します。マリア、帰ろうか!」
寡黙なお兄様が、私の手を引く。えー!
「くっくっ!そこまでしなくても。マリア嬢、また今度!」
「コリンズ伯爵令嬢、お初にお目にかかる。私はクリストファー・フォン・サース、この国の王太子をしている者だ。君の義兄のコリンズ卿にはいつも世話になっている。」
マジかよ!王太子殿下とか関わりたくない部類なのに。義兄が世話になっているなら、変な態度取れないじゃない。しかも、クラスメイトの宰相子息が殿下に付いているようだ。アイツが私を教えたのか!顔が引きつるのを我慢して、頑張って微笑む私。
「マリア・コリンズと申します。こちらこそ義兄がいつもお世話になっております。」
王族向けのカーテシーをする私。
「…なるほど。マリア嬢と呼んでもいいか?私のこともクリスと呼んでくれ。」
嫌なパターンだわね。
「どうぞ、マリアとお呼び下さいませ。しかしながら、私のような者が王太子殿下を名前で呼ぶなど、恐れ多い事でございます。尊敬の意味を込めて、私は王太子殿下と呼ばせて頂きたく思いますわ。」
笑顔で誤魔化す私。すると、殿下の背後から宰相子息が
「殿下、発言よろしいですか?」
「何だ?」
「このような場で、令嬢に名前で呼ぶように話されると、特別な関係と勘違いされる者が出てきます。それはやめた方がよろしいのでは。」
多分、私への牽制と嫌味を込めて言っているのだろう。お前、殿下に名前で呼ぶ許可をもらったからって、調子に乗ってんなよ!みたいな。ふふっ!でも、今はそれが反対にありがたいのよ。思わず、嫌味な宰相子息に微笑んでしまった。
「……うっ。…コリンズ伯爵令嬢、私に何か?」
「いえ、まさにその通りだと思いまして。王太子殿下という、この国で最も高貴な方を、伯爵令嬢の私が名前で呼ぶことは、変な勘違いをされる方が出て来てしまうかもしれません。ですので、王太子殿下と呼ぶことを、どうぞお許し下さいませ。」
宰相子息は黙ってしまった。私が予想外の反応をしたからだろう。
ほら黙ってないて、早くどっかに連れて行けよ!他にも声を掛けてもらいたい令嬢が沢山いるんだろ。そんな目で宰相子息をみるが…
「そうか。残念だがそのうち慣れたら、ぜひ名前で呼んでもらいたい。では、ダンスはいいだろう。私と踊ってくれるか?」
ちっ!宰相子息は使えないわね。
「…はい。喜んで。」
何でこの国に来てまで、王族と関わらなければいけないの。あーあ、ムダに目立っちゃうわよ!
殿下の手を取ってホールの中に進むと。みんなに注目されているのが分かる。最悪だ!
「マリア嬢、ダンスが上手いな!」
「殿下がお上手なので、踊りやすいからですわ。」
「噂で聞いたが、編入して来てすぐのテストで首席を取ったらしいな!どんなガリ勉な令嬢なのかと、興味を持っていたら、想像と全く違うので驚いた。しかも、魔法や芸術も得意だとは。」
「ふふっ!ガリ勉ですわ。この学園は、実力主義だと聞いたので、必死に勉強致しました。でも、次はどうなるのかは分かりません。もっと優秀な方は沢山いるのは分かってますから。私は、自分に出来ることを、必死にやって行くだけです。」
「自分でガリ勉って言い切る令嬢は、初めて見たぞ。しかもエルの義妹だって聞いたから、色々とエルに聞いても、殿下には関係ないですからとか言われて、話してくれないし。エルとは、家で話したりするのか?」
エルって呼ぶくらい、仲が良いの?
「普段はあまり話す機会はありませんわ。養女の立場で、あまり馴れ馴れしくするのは迷惑かと思いまして。でも、親切な義兄だと思います。今日はこの会場まで、送り迎えをしてくれましたし。」
「へぇ。あのエルが送り迎えをするなんて、驚きだ。君は凄いな!エルは何時に迎えに来る?」
一体、何が凄いのか!
「20時くらいに来ると話しておりました。」
「20時?エルは随分と心配性なようだ。くっくっ。あのエルがね。せっかくだから、私も迎えに来たエルに会いたいから、その時は一緒に出て行ってもいいか?」
えー!必要以上に関わりたくないのに。しかし、嫌とは言えない。
「勿論ですわ。きっと義兄は喜ぶと思います。」
そして、ダンスが終わる。あー疲れた!もうダンスは終了。何か美味しいものでも、食べようか。食事やスイーツが並んでいるテーブルを見ると、すでにリーナ達が何かを食べている。私に気付いて手を振る友人達。私もそこへ行こう。歩き出した時だった。横から、パシャっと音がする。
「あらっ!ごめんあそば…。えっ?」
早速、見知らぬ令嬢が私にジュースをかけて来た。勿論、保護魔法でジュースはかけようとした令嬢に跳ね返る。どこの国でも、ジュース攻撃は存在するのね。面倒だから、スルーしよう。だって、令嬢からは少し離れているし、コップは令嬢が持ってままだし、私は全然悪くないからね。しかも、リーナ達が笑って見ているわ。彼女たちには、私が保護魔法を使いこなしていることは知っているからね。しかし、保護魔法を知らないのか、悔しいのか、その令嬢は文句を言ってくるのであった。
「ちょっと!なんでジュースをかけるのよ。」
コップを持った令嬢が怒っている。意味が分からない。
「保護魔法ですわ。」
冷たく、無表情で言う私。
「…保護魔法?」
「はい。保護魔法です。」
「……。」
その令嬢は黙ってしまった。その時、リーナ達が数人でやってくる。
「あら?保護魔法くらい、使えなくても存在くらいは知ってますわよね?」
「授業で学びましたから、知っていて当然ですわ。使いこなすのは難しいですけどね。」
周りからクスクスと笑う声が聞こえる。
恥ずかしくなったのか、令嬢は顔を赤くして去って行ってしまった。何だ、アイツ?
後日談だが、その事件以降、誰にも絡まれなくなった。『保護魔法ですわ』と冷たく言い放つ私は、周りから見てかなり怖かったらしい。しかも、殿下とのダンスも、格の違いを見せつけられたわよと言われた。実力主義の学園だから、出来る人にケンカは売らないのだそうだ。それは良かった。頑張ります。
クラスメイト達と美味しい料理やスイーツを楽しんでいると、20時近くになる。そろそろ行くか。義兄が迎えに来ることを話し、先に帰ることを友人達に告げる。そう言えば、迎えに来た義兄に殿下が会いたいと言ってたけど…、殿下はどこだ?ん?入り口近くで待ってる?慌てて、殿下の所に行く私。
「申し訳ありません。お待たせ致しました。」
「いや、私も今来たばかりだ。行こうか!」
殿下がさり気なく、手を差し出す。エスコートしてくれるの?必要無いのに…。でも、無視出来ないし。殿下の手に自分の手をのせて、エスコートしてもらう。
ホールの外に出て直ぐに、寡黙なお兄様が待っていてくれた。
「エル!君の義妹殿と友人になったぞ!」
寡黙なお兄様をイジってるわ。やっぱり仲が良いのね。
「王太子殿下、私の義妹と友人にならなくて結構でございます。では、失礼致します。マリア、帰ろうか!」
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