1 / 19
プロローグ
しおりを挟む
「アリー。君のことは好きだったし、今も大切な人であることに変わりない。でも別に愛する人ができた…。
私は自分の気持ちに嘘はつけない。アリーをこのまま婚約者として縛り付けておきたくないと思っている。
婚約を解消してもらえないか?」
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者のアリスを放課後に呼び出して、婚約解消の話をした。
「……分かりました。今までありがとうございました。どうかお幸せになって下さいませ。」
アリーは大きな瞳に涙を潤ませながら、笑顔で婚約解消を認めてくれた。
ズキンと胸が痛むような気がした…。
嫌いになって別れる訳ではない。婚約者としてずっと仲良く過ごしてきたのだから、胸が痛むのは当然だ。
「アリー、傷付けてしまって申し訳ないと思っている。私が全て悪いから、後日、君に慰謝料を支払いたい。
君の幸せを私も祈っている。」
「…失礼いたします。」
アリーは下を向いたまま、すぐにその場から離れて行ってしまった。
私はなんてことをしてしまったのだろう…。
何度その日に戻りたいと思ったことか。
その日のことを、何度も思い出しては後悔することになるとは。その時の私は分かっていなかったのだ。
私は自分の気持ちに嘘はつけない。アリーをこのまま婚約者として縛り付けておきたくないと思っている。
婚約を解消してもらえないか?」
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者のアリスを放課後に呼び出して、婚約解消の話をした。
「……分かりました。今までありがとうございました。どうかお幸せになって下さいませ。」
アリーは大きな瞳に涙を潤ませながら、笑顔で婚約解消を認めてくれた。
ズキンと胸が痛むような気がした…。
嫌いになって別れる訳ではない。婚約者としてずっと仲良く過ごしてきたのだから、胸が痛むのは当然だ。
「アリー、傷付けてしまって申し訳ないと思っている。私が全て悪いから、後日、君に慰謝料を支払いたい。
君の幸せを私も祈っている。」
「…失礼いたします。」
アリーは下を向いたまま、すぐにその場から離れて行ってしまった。
私はなんてことをしてしまったのだろう…。
何度その日に戻りたいと思ったことか。
その日のことを、何度も思い出しては後悔することになるとは。その時の私は分かっていなかったのだ。
747
あなたにおすすめの小説
あなたへの想いを終わりにします
四折 柊
恋愛
シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)
彼女は彼の運命の人
豆狸
恋愛
「デホタに謝ってくれ、エマ」
「なにをでしょう?」
「この数ヶ月、デホタに嫌がらせをしていたことだ」
「謝ってくだされば、アタシは恨んだりしません」
「デホタは優しいな」
「私がデホタ様に嫌がらせをしてたんですって。あなた、知っていた?」
「存じませんでしたが、それは不可能でしょう」
元婚約者が愛おしい
碧井 汐桜香
恋愛
いつも笑顔で支えてくれた婚約者アマリルがいるのに、相談もなく海外留学を決めたフラン王子。
留学先の隣国で、平民リーシャに惹かれていく。
フラン王子の親友であり、大国の王子であるステファン王子が止めるも、アマリルを捨て、リーシャと婚約する。
リーシャの本性や様々な者の策略を知ったフラン王子。アマリルのことを思い出して後悔するが、もう遅かったのだった。
フラン王子目線の物語です。
私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。
しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。
だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。
王太子殿下との思い出は、泡雪のように消えていく
木風
恋愛
王太子殿下の生誕を祝う夜会。
侯爵令嬢にとって、それは一生に一度の夢。
震える手で差し出された御手を取り、ほんの数分だけ踊った奇跡。
二度目に誘われたとき、心は淡い期待に揺れる。
けれど、その瞳は一度も自分を映さなかった。
殿下の視線の先にいるのは誰よりも美しい、公爵令嬢。
「ご一緒いただき感謝します。この後も楽しんで」
優しくも残酷なその言葉に、胸の奥で夢が泡雪のように消えていくのを感じた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」「エブリスタ」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎泡雪 / 木風 雪乃
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる