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婚約解消に至るまで 1
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私達貴族は15歳になると、王都にある貴族学園に入学して学ぶことが義務付けられている。
アリスより2つ学年が上の私は、先に学園に入学していた。
2年生になった時だった。学園の創立記念のパーティーの日。私はドレスにジュースをかけられて、虐められている女生徒を目撃してしまった。
「貴女!婚約者のいる殿方に付き纏って、はしたないと思わないのかしら?みんな迷惑しているのよ。立場を弁えなさい!」
数人の令嬢に囲まれて震える女生徒。あんな大人数で1人を虐めるとは…。
「大勢で1人を虐めるなんて見苦しいぞ!」
気付くと私は、令嬢達に声を掛けていた。私の顔を見て、令嬢達は面倒くさそうに去っていった。
「あ、あの!ありがとうございました。」
小柄で可愛らしい令嬢は、涙目で私にお礼を伝えてくる。
「いや。気にしないでくれ。ドレスが濡れてしまっているな…。これで拭いてくれ。じゃあ!」
ハンカチを渡してその場を去ろうとすると、
「あの!名前を教えてください。」
「ルイス・オルセンだ。…失礼する。」
これが、私を地獄に突き落とした女との出会いだった。
新学期が始まった日。
「ルイス様!!」
私を名前で呼ぶ人物は、アリーだけなはず。誰だ?
振り向いた先にいたのは、あのパーティーの時に助けた令嬢だった。
「ああ。君か。」
私を待っていたのか、嬉しそうに駆け寄ってくる。
令嬢があんな風に走るなんて、私を勝手に名前呼びしたり、常識のない令嬢なのか?
「ルイス様。パーティーの時は助けて下さってありがとうございました。
ハンカチを洗って持って来ました。それと…、私が手作りで作ったクッキーです。一生懸命作ったんですよ!食べて下さいね。」
ほぼ初対面なのに、何が入っているのか分からないクッキーを食べてくれだって?あり得ない。
「結構だ!気持ちだけ頂く。それと、知り合いでもないのに、馴れ馴れしく名前で呼ばないでくれ。」
「…そんな。…グスッ、グスッ…。」
令嬢は泣き出してしまった。私が悪者みたいになってしまっている。
はあー。面倒だな。
「受け取ればいいのか…?」
「受け取ってくれるのですか?」
「今回だけだ…。誰なのかも知らない人物からは、普通なら食べ物を受け取ろうとは思わないから、気を付けろ。」
「あっ!私の名前を教えていませんでしたね。
私はリリーナ・ウッディです。よろしくお願いします。」
ウッディ男爵家の令嬢か。
その女は、私に会うと馴れ馴れしく話しかけてくるようになるのだった。
初めは鬱陶しいと思っていたはずだった。それなのに、気づくと感情豊かなリリーナに惹かれてしまっていたのだ。
アリスより2つ学年が上の私は、先に学園に入学していた。
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気付くと私は、令嬢達に声を掛けていた。私の顔を見て、令嬢達は面倒くさそうに去っていった。
「あ、あの!ありがとうございました。」
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「いや。気にしないでくれ。ドレスが濡れてしまっているな…。これで拭いてくれ。じゃあ!」
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新学期が始まった日。
「ルイス様!!」
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振り向いた先にいたのは、あのパーティーの時に助けた令嬢だった。
「ああ。君か。」
私を待っていたのか、嬉しそうに駆け寄ってくる。
令嬢があんな風に走るなんて、私を勝手に名前呼びしたり、常識のない令嬢なのか?
「ルイス様。パーティーの時は助けて下さってありがとうございました。
ハンカチを洗って持って来ました。それと…、私が手作りで作ったクッキーです。一生懸命作ったんですよ!食べて下さいね。」
ほぼ初対面なのに、何が入っているのか分からないクッキーを食べてくれだって?あり得ない。
「結構だ!気持ちだけ頂く。それと、知り合いでもないのに、馴れ馴れしく名前で呼ばないでくれ。」
「…そんな。…グスッ、グスッ…。」
令嬢は泣き出してしまった。私が悪者みたいになってしまっている。
はあー。面倒だな。
「受け取ればいいのか…?」
「受け取ってくれるのですか?」
「今回だけだ…。誰なのかも知らない人物からは、普通なら食べ物を受け取ろうとは思わないから、気を付けろ。」
「あっ!私の名前を教えていませんでしたね。
私はリリーナ・ウッディです。よろしくお願いします。」
ウッディ男爵家の令嬢か。
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