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ぶっ飛ばしたいほど尊い推し(2)
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そう言って、由紀さんは鼻をすすり続ける。電話越しに聞こえるその音に、私の心は激しく揺さぶられた。
「と、とりあえず情報を集めましょう。由紀さん、午後の予定は?」
私は慌てて由紀さんに問いかける。
『……こんな状態じゃ仕事にならないから、リスケして早退する』
消え入りそうな由紀さんの声に、私はすかさず賛同した。
そんなことくらいでと言われるかもしれないけれど、私たちヲタクに取っては、今後の人生を揺るがすほどに一大事。早退する程のことなのだ。
私は由紀さんを励ますように、努めて明るい声を出す。
「とにかく気を確かに。気をつけて帰ってください。この後、私も情報収集します。何かわかったら連絡しますね」
そう言って電話を切ると、すぐにインターネットの記事を検索した。
……樹の脱退。速報が出るくらいだから、多分コレは本当だ。じゃあ、Scorpioは? まさか、このまま解散なんて……。ありえない。解散だったら、そう速報が出るはずだ。
いや、……速報、出るだろうか? 知名度が全国区の藤崎樹と違って、Scorpioは知名度そこそこのグループ。そんなグループの解散をニュース速報で流すことはしない気がする。
私の頭の中では、様々な憶測が飛び交う。考えれば考えるほど、思考は悪い方向へと傾いていく。私は頭を振って、その考えを無理矢理追いやった。
とにかく今は情報を集めよう!
仕事など手につかない。私は午後の就業時間を使って、様々な情報サイトにアクセスした。しかし、どのサイトにも速報以上の情報はなかった。
それどころか、時間が経つにつれ、憶測だけで書かれた不愉快な記事が増えていく。グループの不仲説、樹のとんでもないスキャンダル。中には芸能界引退説まで。そんな根も葉もない情報が、さらに私の心を落ち着かなくさせた。
Scorpioはどうなっちゃうんだろう。
私の脳裏には、蓮の明るい笑顔が浮かぶ。
きっと、蓮だって今苦しい思いをしているはずだ。
蓮は樹の脱退をどう思っているのだろう?
メンバーだもの。速報が出る前からこの状況を知っていたはず。何を思って、どう受け止めているのか。こんな憶測ばかりの情報じゃなくて、蓮の口から、ちゃんと現状を聞きたい。
私はスマホを握り、祈るように目を閉じた。すると、スマホがタイミング良くSNSの更新を知らせる。蓮のアカウントからだ。
公式のサーバーダウンを詫びるとともに、明日重大なお知らせがあることを明記していた。
「と、とりあえず情報を集めましょう。由紀さん、午後の予定は?」
私は慌てて由紀さんに問いかける。
『……こんな状態じゃ仕事にならないから、リスケして早退する』
消え入りそうな由紀さんの声に、私はすかさず賛同した。
そんなことくらいでと言われるかもしれないけれど、私たちヲタクに取っては、今後の人生を揺るがすほどに一大事。早退する程のことなのだ。
私は由紀さんを励ますように、努めて明るい声を出す。
「とにかく気を確かに。気をつけて帰ってください。この後、私も情報収集します。何かわかったら連絡しますね」
そう言って電話を切ると、すぐにインターネットの記事を検索した。
……樹の脱退。速報が出るくらいだから、多分コレは本当だ。じゃあ、Scorpioは? まさか、このまま解散なんて……。ありえない。解散だったら、そう速報が出るはずだ。
いや、……速報、出るだろうか? 知名度が全国区の藤崎樹と違って、Scorpioは知名度そこそこのグループ。そんなグループの解散をニュース速報で流すことはしない気がする。
私の頭の中では、様々な憶測が飛び交う。考えれば考えるほど、思考は悪い方向へと傾いていく。私は頭を振って、その考えを無理矢理追いやった。
とにかく今は情報を集めよう!
仕事など手につかない。私は午後の就業時間を使って、様々な情報サイトにアクセスした。しかし、どのサイトにも速報以上の情報はなかった。
それどころか、時間が経つにつれ、憶測だけで書かれた不愉快な記事が増えていく。グループの不仲説、樹のとんでもないスキャンダル。中には芸能界引退説まで。そんな根も葉もない情報が、さらに私の心を落ち着かなくさせた。
Scorpioはどうなっちゃうんだろう。
私の脳裏には、蓮の明るい笑顔が浮かぶ。
きっと、蓮だって今苦しい思いをしているはずだ。
蓮は樹の脱退をどう思っているのだろう?
メンバーだもの。速報が出る前からこの状況を知っていたはず。何を思って、どう受け止めているのか。こんな憶測ばかりの情報じゃなくて、蓮の口から、ちゃんと現状を聞きたい。
私はスマホを握り、祈るように目を閉じた。すると、スマホがタイミング良くSNSの更新を知らせる。蓮のアカウントからだ。
公式のサーバーダウンを詫びるとともに、明日重大なお知らせがあることを明記していた。
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