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5.南海の秘宝
15.さぁ、試験前夜ですよ。ヤマ賭けは完璧ですか?
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「ほぉ、『お嬢ちゃん講師+お子様の4人PT』と、『戦闘実習+符術基礎+魔法医療学受講生の選抜PT』による総合演習の実施ですか。
しかも、アレキサンドリアご自慢の個人用調整魔道具なし、演習場の地形は1辺2kmまでの選抜チームが指定してよいと? これは負けた時の言い訳が出来るようにとの配慮ですか?」
「いいえ、あなた方が何処までこちらが教えたことを把握していたかを確認するだけの、中間査定試験ですね。
選抜チームの人数や参加希望冒険者を募るかは、符術師受講生側で決定してよいとの事です。戦略・戦術を練るのは、3講座の受講生の中では、符術師受講生しか出来ないでしょう?」
ユイの言葉に、自尊心をくすぐられながらも、符術師受講生主席であるクリスティン・ジグモンディは肯きます。喜んでいるくせに、そのキツネ目に痩身の彼にはその様子は見られませんね。全く可愛くないですね。彼はユイの講座で、最初の演習で見事勝利をおさめた男ですが、冷静な分状況にはかなりの不満をもって居た事は実は知っています。なにせ、索敵魔法に反応がしっかり出るくらいでしたから。
その日の符術基礎講座で発表された、総合演習なる中間査定試験の発表は、他の2講座を受講する受講生にも、驚きと歓迎をもって迎えられます。
成人前後の少女達が、講師であることに不満を持っていた受講生は結構多かったのを僕達も知っていましたけどね。
彼らは言いました。曰く、『自分達の不満が、ついに魔術技術学院【スクオラ・ディ・テクノロジア】を運営する、アレキサンドリア共和国上層部と、ロンタノ辺境伯を動かした正義の結果である』と。
そして、それぞれの講座での参加条件が明らかになります。
今回の演習では、参加者全員が保護魔道具と呼ばれるアクセサリーの使用を義務付けられます。これは、各個人の装備の耐久を超え、死亡と判定された場合にはフィールドからの強制退去が行なわれ、致死ダメージは回避できるという、フィールド専用アクセサリーです。これを使用すれば、死ぬ事はありません。
そして、それぞれの受講生と講師は、装備面では対等のものを使用することが決まっています。あくまでも勝敗を決するのは、各個人の知略・武力・魔力ということですね。
そして、ある噂が流れます。『成績上位者は、過去のロンタノ辺境伯のように、アレキサンドリア上層街での特別受講を認められる』との噂です。いわゆる特例措置ですね。
これを受けて、試験までの2週間に部隊編成の打ち合わせが何度も行なわれたようですが、受講生側に誤算が1つ発生します。それは、Lv.C以上の冒険者の参加が極端に少ないのです。当初、アレキサンドリアか魔術技術学院【スクオラ・ディ・テクノロジア】側から干渉があったのではと推測されましたが、そういった事実も無く、受講生側もあまり多人数の上位ランクの冒険者を運用すれば、自分達の力で勝利したとはいえないとの意見もあり、特に問題となりませんでした。
符術基礎講座で使用されていた模擬戦場盤による、戦術の確認や編成などが決まり、いよいよ明日が中間査定試験となった前夜、チッタ・アペルタの街は受講生や一部の冒険者により前夜祭とばかりに大騒ぎとなっているようですね。
僕達は、ファロス島の僕の部屋で戦術の最終確認をしながら、ドローンからの映像を見ながら呟きます。
「もう勝ったかのようなお祭り騒ぎですね」
「というより、これで負けたら笑いものですわね。成人前後の女子4人のパーティーに対して、100人以上の部隊が挑むんですから」
「はぁ、残念ですぅ。鏃無しの矢筒があれば、最初の一射でこちらの勝ちなのにぃ」
「それをやっちゃったら、彼らは自分達の実力を知らずに終わっちゃうからだめだよ、ユーリアちゃん」
早めに出したコタツに足をいれて、温まりながらの会話も久しぶりに余裕がありますね。正直、今までなんだかんだで皆、ぴりぴりしていたのは事実ですから。
「それで? ユイ今回の戦術はどうするの?」
にんまりと笑うイリスさんが、ユイを見つめます。肩までの明るい金髪が、ゆらゆらと楽しそうに揺れていますね。ユイも気付いているでしょうけど、イリスさんの笑顔はなかなかレア度が高いですからね、自然にユイも可憐な花が咲くような笑顔をみせます。
「相手側としては寡兵を大兵力をもって殲滅する戦いとなりますから、戦術面では本来小技を使う必要はありません。正面から正々堂々くれば、こちらとしても打てる手が少ないので。
ですが、クリスティンは自分達の優秀さをアピールしたいでしょうから、包囲殲滅戦を採るでしょうね」
「じゃあ、私が斥候として敵本隊であるジャスティンを発見すれば良いのですね」
ユーリアちゃんが、やはり明るくウェーブのかかった金髪を揺らします。
「いえ、ジャスティンの前に『コリーヌ・プランシェ』さんの部隊を見つけてください。恐らく彼女は指揮系統を外れた少人数の部隊を、遊撃部隊として編成しているはずですから」
「今回の要は、その『コリーヌ・プランシェ』さん?」
ユイに尋ねると、少し悩みながら答えてくれます。
「いえ、恐らく彼女は今回は特に動く事は無いと思います。ですが、動かないうちに叩きたい相手ではありますね。彼女の戦略・戦術の才は、私やジャスティン以上だと思います」
ユイにそこまで言わせる『コリーヌ・プランシェ』さんも凄いですね。彼女は索敵魔法にかからなかったので、僕は顔と名前が一致していませんが、かなり優秀なのでしょう。
「じゃあ、コリーヌさんの部隊の位置がわかれば、僕が固定砲台として一斉射して潰せばいいのかな」
「ええ、その後はやってくる敵を……殲滅します」
ユイの表情は自信に輝いています。ユイがアレクシスやオリバーよりも年少だったのに、下層街では主席だったのは伊達ではなかった事を、明日彼らは思い知る事でしょうね。
「ユーリアちゃんも、単独行動だから注意してね。まあ、妖精さんもついているから心配はしていないんだけれど」
僕の言葉に、ユーリアちゃんの影から現われた妖精さんは、空中をくるりと回って同意を示してくれます。存在が忘れられがちなのは、人目につくと目立つからファロス島に戻ってこないと、ユーリアちゃんの影から出てこないせいですね。
「今日はささやかな宴に抑えておいて、明日は精一杯騒ぎますわ」
「イリスさんは食べまくるの間違いじゃ……」
「煩いですわね、貴女はあの金床姉妹をやっつけるんですわよ」
「あ~、きっと参加してるだろうね。ホセの馬鹿もいるのかなぁ。あの3人には、妙に調子を狂わされるんだよね、僕は」
「「「それは判ります(わ)」」」
皆の笑顔と笑い声が、ファロス島3層を心地よく包みました。
しかも、アレキサンドリアご自慢の個人用調整魔道具なし、演習場の地形は1辺2kmまでの選抜チームが指定してよいと? これは負けた時の言い訳が出来るようにとの配慮ですか?」
「いいえ、あなた方が何処までこちらが教えたことを把握していたかを確認するだけの、中間査定試験ですね。
選抜チームの人数や参加希望冒険者を募るかは、符術師受講生側で決定してよいとの事です。戦略・戦術を練るのは、3講座の受講生の中では、符術師受講生しか出来ないでしょう?」
ユイの言葉に、自尊心をくすぐられながらも、符術師受講生主席であるクリスティン・ジグモンディは肯きます。喜んでいるくせに、そのキツネ目に痩身の彼にはその様子は見られませんね。全く可愛くないですね。彼はユイの講座で、最初の演習で見事勝利をおさめた男ですが、冷静な分状況にはかなりの不満をもって居た事は実は知っています。なにせ、索敵魔法に反応がしっかり出るくらいでしたから。
その日の符術基礎講座で発表された、総合演習なる中間査定試験の発表は、他の2講座を受講する受講生にも、驚きと歓迎をもって迎えられます。
成人前後の少女達が、講師であることに不満を持っていた受講生は結構多かったのを僕達も知っていましたけどね。
彼らは言いました。曰く、『自分達の不満が、ついに魔術技術学院【スクオラ・ディ・テクノロジア】を運営する、アレキサンドリア共和国上層部と、ロンタノ辺境伯を動かした正義の結果である』と。
そして、それぞれの講座での参加条件が明らかになります。
今回の演習では、参加者全員が保護魔道具と呼ばれるアクセサリーの使用を義務付けられます。これは、各個人の装備の耐久を超え、死亡と判定された場合にはフィールドからの強制退去が行なわれ、致死ダメージは回避できるという、フィールド専用アクセサリーです。これを使用すれば、死ぬ事はありません。
そして、それぞれの受講生と講師は、装備面では対等のものを使用することが決まっています。あくまでも勝敗を決するのは、各個人の知略・武力・魔力ということですね。
そして、ある噂が流れます。『成績上位者は、過去のロンタノ辺境伯のように、アレキサンドリア上層街での特別受講を認められる』との噂です。いわゆる特例措置ですね。
これを受けて、試験までの2週間に部隊編成の打ち合わせが何度も行なわれたようですが、受講生側に誤算が1つ発生します。それは、Lv.C以上の冒険者の参加が極端に少ないのです。当初、アレキサンドリアか魔術技術学院【スクオラ・ディ・テクノロジア】側から干渉があったのではと推測されましたが、そういった事実も無く、受講生側もあまり多人数の上位ランクの冒険者を運用すれば、自分達の力で勝利したとはいえないとの意見もあり、特に問題となりませんでした。
符術基礎講座で使用されていた模擬戦場盤による、戦術の確認や編成などが決まり、いよいよ明日が中間査定試験となった前夜、チッタ・アペルタの街は受講生や一部の冒険者により前夜祭とばかりに大騒ぎとなっているようですね。
僕達は、ファロス島の僕の部屋で戦術の最終確認をしながら、ドローンからの映像を見ながら呟きます。
「もう勝ったかのようなお祭り騒ぎですね」
「というより、これで負けたら笑いものですわね。成人前後の女子4人のパーティーに対して、100人以上の部隊が挑むんですから」
「はぁ、残念ですぅ。鏃無しの矢筒があれば、最初の一射でこちらの勝ちなのにぃ」
「それをやっちゃったら、彼らは自分達の実力を知らずに終わっちゃうからだめだよ、ユーリアちゃん」
早めに出したコタツに足をいれて、温まりながらの会話も久しぶりに余裕がありますね。正直、今までなんだかんだで皆、ぴりぴりしていたのは事実ですから。
「それで? ユイ今回の戦術はどうするの?」
にんまりと笑うイリスさんが、ユイを見つめます。肩までの明るい金髪が、ゆらゆらと楽しそうに揺れていますね。ユイも気付いているでしょうけど、イリスさんの笑顔はなかなかレア度が高いですからね、自然にユイも可憐な花が咲くような笑顔をみせます。
「相手側としては寡兵を大兵力をもって殲滅する戦いとなりますから、戦術面では本来小技を使う必要はありません。正面から正々堂々くれば、こちらとしても打てる手が少ないので。
ですが、クリスティンは自分達の優秀さをアピールしたいでしょうから、包囲殲滅戦を採るでしょうね」
「じゃあ、私が斥候として敵本隊であるジャスティンを発見すれば良いのですね」
ユーリアちゃんが、やはり明るくウェーブのかかった金髪を揺らします。
「いえ、ジャスティンの前に『コリーヌ・プランシェ』さんの部隊を見つけてください。恐らく彼女は指揮系統を外れた少人数の部隊を、遊撃部隊として編成しているはずですから」
「今回の要は、その『コリーヌ・プランシェ』さん?」
ユイに尋ねると、少し悩みながら答えてくれます。
「いえ、恐らく彼女は今回は特に動く事は無いと思います。ですが、動かないうちに叩きたい相手ではありますね。彼女の戦略・戦術の才は、私やジャスティン以上だと思います」
ユイにそこまで言わせる『コリーヌ・プランシェ』さんも凄いですね。彼女は索敵魔法にかからなかったので、僕は顔と名前が一致していませんが、かなり優秀なのでしょう。
「じゃあ、コリーヌさんの部隊の位置がわかれば、僕が固定砲台として一斉射して潰せばいいのかな」
「ええ、その後はやってくる敵を……殲滅します」
ユイの表情は自信に輝いています。ユイがアレクシスやオリバーよりも年少だったのに、下層街では主席だったのは伊達ではなかった事を、明日彼らは思い知る事でしょうね。
「ユーリアちゃんも、単独行動だから注意してね。まあ、妖精さんもついているから心配はしていないんだけれど」
僕の言葉に、ユーリアちゃんの影から現われた妖精さんは、空中をくるりと回って同意を示してくれます。存在が忘れられがちなのは、人目につくと目立つからファロス島に戻ってこないと、ユーリアちゃんの影から出てこないせいですね。
「今日はささやかな宴に抑えておいて、明日は精一杯騒ぎますわ」
「イリスさんは食べまくるの間違いじゃ……」
「煩いですわね、貴女はあの金床姉妹をやっつけるんですわよ」
「あ~、きっと参加してるだろうね。ホセの馬鹿もいるのかなぁ。あの3人には、妙に調子を狂わされるんだよね、僕は」
「「「それは判ります(わ)」」」
皆の笑顔と笑い声が、ファロス島3層を心地よく包みました。
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