勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第4章 ここから始まる勇者様?

四十一日目④ 初の第4層

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 第3層までは順調に進めることができた。
 今回は【クイーンロックワーム】は現れることはなく、【ロックワーム】の群れといくつか出会ったくらいだ。
 俺も水魔法の練習も兼ねて、エルダには【魔光陣】での殲滅を控えてもらっている。
 正直エルダの【魔光陣】で殲滅してしまうと、俺までびしょ濡れになってしまうのだ。
 なので、今回は我慢してもらったんだけど……
 ものすごく不満そうだった。



「これで第3層は終わりかな?」
「そうね。」

 俺たちは特に問題になるようなことはなく第4層の階段前に来ていた。
 採掘作業をしながらだったので少し時間はかかったが、それほど不具合が出るということはなかった。
 それにしても、エルダ……。
 そこまで不機嫌にならんでもよくないか?

「それじゃあカイト。初めての第4層がんばろ~!!」
「そうだな、カイト。次の階層も苦戦はしないだろうが、気を抜くとあまりいいとは言えない状況になる。」
「わかった。肝に銘じておくよ。」

 そして俺は、始めての第4層へと足を踏み入れたのだった。



 第4層。
 それは、俺がイメージしていた場所とは少し違っていた。
 なんというか、さっきまでが岩の洞窟ってイメージなら、ここは土の洞窟。
 周囲の壁を触ってみると、意外と脆いのだ。
 こんな場所で爆発系の魔法なんて使ったら、崩落するんじゃないのか?

「なぁエルダ。ここに出てくるモンスターを教えてもらってもいいか。」
「【アーマードロックアント】よ。数は1匹か2匹。それほど苦戦はしないはずよ。」

 そうか、【アーマードロックアント】か……

「今ならまともに戦えるか?」

 あの時エルダに会えたから、俺は今ここに居ることができる。

「そうね、初めて会った時に比べたら大丈夫でしょうね。」

 エルダが居たから戦える。

「そうか……。なぁ、エルダ。一緒に戦ってくれるか?前みたいに。きっと俺はまだ弱い。みんながいなけりゃ第3層だった怪しい。だから、エルダ。戦ってくれ。」
「わかってるわ。そのために私がいるんだから。」

 よし、気合を入れなおして第4層を頑張ろう!!

「ちょっと~。ふたりとも~。良い感じになってるのはいいけど、私たち忘れてない?」
「デイジー。せっかくの雰囲気を壊したら悪いだろ?」

 えっと……
 はい。
 頑張ります。



 一応【アーマードロックアント】は、何度か戦ったことはある。
 だけど、複数体や連戦はいまだ経験が無い。
 どのくらいの頻度で接敵するかもわからない。
 というわけで慎重に……っておい!!

「ポール。とりあえず、先500mは問題ないから進もうね。」
「そうだな。」

 俺の警戒心を返してくれよ。

「カイト。【アーマードロックアント】は確かに坑道を作りながら生活をしているわ。ただし、それは地上のって言う限定条件よ。ダンジョンに居る【アーマードロックアント】は通路をそのまま歩いてくるわ。今のところ一本道だから、気にしても仕方ないってわけ。」
「そうだったのか。てっきり横穴を掘りながら来るのかと思ったよ。」

 【ロックワーム】みたいに、いきなり出てきたらどうしようかと思ってました。
 さすがにあの顎に挟まれて、無事でいられる自信はないからね。

「それに、普通の虫の蟻だって徐々に穴をあけるでしょ?いきなりっていうのは、さすがに考え難いわ。あるとしたら『イレギュラー種』が居て、穴掘りしてくるかもしれないけどね。」
「エルダ……。北門のとこでデイジーに言ったこと忘れたの?口に出しちゃだめだって……」
「ご、ごめんなさい。」

 それからも俺は『イレギュラー』の存在に怯えながら、第4層を歩き回った。
 その甲斐あって、第4層のマップもほぼ埋まりかけていた。
 ここまで順調に進むと、逆に怖くなるのが心情というものだろうか。
 一応周辺の鉱脈も確認して歩いたが、特筆すべきものは何もなかった。
 とりあえずさらっと集めて歩いているけど、目新しい鉱物は見つけることができなかった。

 そして第4層の最後の場所に、第5層に降りるための階段があった。
 ここを下りればさらに下に進むことができる。
 どうするべきかな?
 ここに来るまでに思いのほか時間を使ってしまった。
 さらに潜るとしても、明日の朝までに帰れるかって言ったら微妙になってしまいそうだ。

「カイト。ここは引くことを薦める。」
「ポール。どうしてそう思ったの?」

 俺はポールからの提案に納得しつつも、その真意を確認した。
 俺も第5層に降りるか迷ってて、でも行きたいなという欲が無いとは言い難い。

「カイト、お前は自分が思っているよりも消耗しているぞ。それに気付けないうちは、どんどん進んでいくことは賛成できない。今まで通りのペースで進めるしかない。」

 ポールから言われて、初めて気が付いた。
 手にする剣の切っ先が、わずかに震えていた。
 思いのほか、腕に疲労が蓄積されていたらしい。
 気にしなければ気にならないレベル。
 だけどこれがさらに蓄積されたら……
 
 確かにこんな状況だと戦っても厳しいものがありそうだ。

「ポールありがとう。おかげで死なずに済んだ。」
「これも俺の役割だ。カイトはただまっすぐ前を見ているといい。」

 ポールの提案を機に、俺たちはダンジョンを脱出することにした。
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