勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第5章 ここから始まる女神様?

四十九日目⑨ 激闘の末に

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「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ~~~~~~。」

 俺は荒れた息を整えながら、双剣を鞘へと戻した。

 俺の足元には、今まで激闘を繰り広げていた【ハイオーク】の亡骸が横たわっている。
 その亡骸には首はなく、近くにゴロリと転がっていた。
 その表情は苦悶と悔しさを滲ませており、今にも飛び掛かってきそうに思えた。

 そして少しすると、さらさらと黒い靄へと変わり、ダンジョンへと消えていったのだった。

「終わったな……」
「だねぇ~。ほんとやばかったよ。」

 ポールとデイジーも気が抜けたようにその場に座り込んでしまった。
 特にポールに至っては、ずっと【ハイオーク】を押さえていたことや吹き飛ばされたこともあり、ダメージの蓄積はかなりのはずだ。

「それにしてもカイト。なかなかとどめを刺しに来ないからひやひやしたぞ。」
「ごめん。何度かチャンスがあったと思ったんだけど、あの【ハイオーク】、ちょいちょい俺の姿を捕らえていたんだ。だから決定的なスキができるまで待つしかなかったんだ。」

 俺はスキルを使って姿を隠していた。
 【ハイオーク】の隙を見つけてその首を刈り取るために。
 しかし、【ハイオーク】は隙を見せないどころか、俺の姿を捕らえていたように思えた。
 俺が攻撃を仕掛けようとした瞬間に、視線がぶつかっていたから。
 お陰ででるにでれず、このタイミングになったというわけだ。

「ポール様!!デイジーさん!!」

 リサも二人を心配して駆け寄り、2人を抱きしめて泣き出してしまった。
 本当に心配でたまらなかったんだと思う。

 エルダは……
 何か考え事をしているのか、難しい顔をしていた。
 少し話しかけづらい雰囲気をしていたので、躊躇ってしまった。

「エルダさん、どうされました?何やら難しい顔をされていますよ?私でよければお話しください。何か解決策が見つかるやもしれませんからね。」
「ナンディー……。そうね、今回のモンスターは間違いなく【イレギュラー】のはずなの。でも動きが変だった。まるで私たちを狙ったかのようにこっちに向かってきたじゃない?だから何かあるのかなって……」

 ナンディーは本当にすごいね。
 空気読まない、読めないじゃなくて、必要な時に必要なことをきちんとできる人なんだなって思えた。
 俺にはそれができない……
 リーダーとして正しくはないんだろうな。

「そうですね。私もそれは気になりました。戦っている最中も、どこか楽しそうにしていましたからね。おそらく強敵に出会えてうれしかった。そんな感じなんでしょうか。まぁ、モンスターの気持ちは私にはわかりませんが。もし、レティシア教入信希望でしたら喜んで受け入れましょう!!」

 ぶれないナンディーに、俺は思わず吹き出してしまった。
 それを見たみんなも、どこか強張った表情が抜けて、落ち着いた雰囲気になってきた。
 もしこれをナンディーが狙ってやってるんだったら、ナンディーは本当にすごい人間だなって尊敬できる。
 すすんでピエロ役をかって出るなんて、なかなかできないからね。
 俺も少しは見習わなければならないかな?

「おや?何か面白事でもありましたかな?レティシア様のご加護があれば皆が幸せになれるのですよ?そこに人かモンスターなど、些皆に等しい事です!!」

 うん、尊敬しそうになって自分が悲しいよ……

「確かに違和感はあったけど、【イレギュラー】だからって見方もできるだろうし。今は無事生き残ったことを喜ぼう。」

 今だエルダは難しい顔をしていた。

「そうね……。ここで考えても仕方ないわ。カイト、今日の探索はこれで終わりにしましょう。ポールの装備もそうだし、全員の装備を一度点検した方がよさそうね。なんだかんだ言ってもナンディーの盾もかなりガタが来てるでしょう?」
「おや、気が付いていましたか。そうですね、留め具などがほとんど機能していません。よく持ってくれたものです。」

 エルダの提案はもっともだった。
 俺は隠れていたから攻撃を受けたわけじゃないけど、ポールとナンディーの装備はすぐにでも補修もしくは買いなおしが必要に見えた。
 それにしてもだ。ナンディーなんて普通に売ってる店売りの盾で、あれだけの猛攻をさばききったんだから本当にすごい。
 本人はほぼ傷を負っていないし。
 あったとしても、既に傷は癒えているようだった。
 
「そうだ、カイト。ドロップアイテムは?!」

 デイジーが声を上げて、俺もやっと気が付いた。
 【イレギュラー】の【ハイオーク】のドロップアイテムを確認していなかった。

 【ハイオーク】が消えた後には、魔石の様な宝石が落ちていた。
 しかし、色が今までとは明らかに違っていた。
 その色は深いけど若々しくもある緑色をしていたのだ。

「【鑑定】」

——————

新緑の宝珠:魔石の上位に当たる宝珠。内包するエネルギーが同じサイズの13倍以上。その見た目は春を告げるような緑色の宝珠。

——————

ピコン

『スキル:DIYのレシピが増えました。』

 お、久々に聞いた音が流れたな。
 今のでレシピが増えたってことは、これで何かを作るってことだろうけど、いったい何が出来るんだろうか。

——————

技能 :DIY レベル3……低級アイテムの作成。設備使用時のレシピ(低級アイテム)の追加。

       四方の宝珠……明朱の宝珠×1+青霜の宝珠×1+黄雷の宝珠×1+新緑の宝珠×1。中間素材。

——————

 なるほどね……
 作れないじゃん。
 しかもなんだかわからないし。
 何に使うかもわからないからどうにも出来ないね。
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