勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第5章 ここから始まる女神様?

五十日目④ レンガ造りのはじまりはじまり

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「エドワードさん。とりあえずどこに設置しますか?」

 木工ギルドに着いた俺は、さっそく石釜戸を設置する場所を確認した。
 すると、エドワードさんは換気の良い場所と言う事で、少し開けた場所を用意してくれた。
 今は雨曝しだけど、数日中には屋根が付くそうだ。
 うん、もともと野外炊飯用だから、いらないっちゃいらないんだけど……
 雨天でも作業すると考えると、必要になるのかもしれないね。
 移設用に持ってきた石釜戸10基を横並びに設置していく。
 横並びにした理由は、レンガ素材の運び込みの邪魔にならないようにする為らしい。
 確かにレンガ作成に大量の粘土が必要になる。
 俺はアイテムボックスのスキルがあるからいいけど、そうでない場合は台車に乗せて運んで、スコップでその場に降ろしていく必要がある。
 もしくは、土の状態で運んで、その場で水と混ぜて粘土にするかだ。
 今回は台車で粘土を運ぶという事だったので、その通路の確保も含まれていた。
 徐々に石釜戸がその場所に設置されていくと、作業場の雰囲気が出て来た。
 石釜戸10基の設置を終えると、さっそく作業に取り掛かってもらった。

 燃料の木材はさすが木工ギルドだけあり破材がふんだんにあり、困る事は無さそうだね。

「じゃあ、エドワードさん後をお願いしてもいいですか?」
「ん?あぁ、使い方は俺も知ってるから問題無い。出来上がりの報告は冒険者ギルド経由で良いか?」
「はい、午後はダンジョンに行ってる可能性が高いですが、夕方には一度ギルドに顔を出しますから、それでお願いします。」
「わかった。」

 俺は依頼料として、金貨30枚を取り出してエドワードさんに手渡した。
 さすがのエドワードさんも俺の行動に驚いていた。
 今回の作成依頼はタダで請け負うつもりだったらしい。
 しかし、この量を作ってもらうのだから、さすがにタダでとは俺が心苦しかったのだ。

「わかりました。じゃあ、職人さんたちに何かうまい酒でもおごってください。俺からの差し入れって事で。」
「あぁ~、わかったわかった。そう言われちゃ断れないだろうが。これでこいつらにうまい酒でも飲ませとくよ。ありがとな。」

 しぶしぶ受け取ってくれたエドワードさんは、どこか嬉しそうだったのが印象的だった。
 職人さんたちも作業をしていると、どんどん出来上がっていくレンガに興奮をしていた。
 専門職でも無い自分が、これだけの品質の物を量産出来る事に驚きを隠せずにいるようだった。

「じゃあ、俺はこれで失礼しますね。」
「おう。」

 エドワードさんと挨拶をかわし、木工ギルドを後にしようとすると、呼び止める声が聞こえた。
 確か、木工ギルドの受付の人だったかな?
 名前までは覚えてないや。

「カイト様ですね?エルダ様ナンディー様がお待ちですので、こちらへどうぞ。」

 うん、やっぱりナンディーも来たね。
 予想通りだったよ。

 俺は受付の男性に誘導されながら、応接間までやってきた。
 そこではナンディーとエルダが、飾られた工芸品や調度品を眺めていた。

「ごめん。少し遅くなったみたいだね。」
「いえいえ、問題ありませんよ。」

 そう答えたのはナンディーだった。
 エルダは若干不貞腐れ気味だったけど、何かあったんだろうか?

「私一人でもよかったんだけどね。ナンディーが一人じゃ危ないからって。」
「そうれはそうですよ。美しい女性の一人歩きなんてさせられるわけはありません。」

 うん、さらっとそう言う事を言えるナンディーって、やっぱり貴族なんだなって思うよ。
 社交辞令?的な言葉なんて、俺には語彙力が足りなさすぎる。
 お陰で何回エルダが不機嫌になった事か……

「それより何か気になる物でもあったの?」

 俺は二人が熱心に家具とかを見ていたので気になってしまった。

「そうね、前も見たけど、どれもこれも素晴らしい出来だと思うわ。今度に家にこういった家具を設置出来るって思うと嬉しいわね。」

 エルダは家具一つ一つを見て回ったようで、何とも嬉しそうな表情を浮かべていた。
 新居に設置されてる家具をイメージしているのかな?

「私は新居が完成し次第、木工ギルドへ依頼を出す予定ですので。カイトさん、出来れば一室余分に分けていただけませんか?」
「ん?どうしたの?何か必要な事出来た?おそらく今ならまだ手直しが効くと思うけど。」

 ナンディーが何かを設置しようとしている……
 って一つしかないよね。

「はい、出来れば小さくてもいいので礼拝室を作っていただきたく。資金については私自身が支払いますので。」
「あぁ~。レティシア教の礼拝室か。ご神体はどうするんだ?何か代わりの物でも置くのか?」

 レティシアと言えばあのネックレスだよな。
 あれがご神体って扱いになるんだろうか?

「出来ればネックレスを仕舞える様にもしたいと思っております。警備も厳重にするように魔道具ギルドとも交渉しております。」

 既に話を進めていたよこの人。
 まあ、だろうなとは思ったけど。

「その辺は一度戻ってからかな?俺としては警備が厳重になるなら問題無いと思うし。後はレティシアと相談して決めないと、ナンディーの言う神様を困らせる事になるからね?」

 俺がそう言うと、ナンディーは一瞬ぎくりという雰囲気を出したので、おそらくはレティシアに相談すらしていないんだろうな。
 帰ってから修羅場にならない事を祈るよ。
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