勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第5章 ここから始まる女神様?

五十日目⑥ ゴナイミツニ

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「こんにちはガンテツさん。」
「おう来たな。全員分のメンテナンスと二人の分の盾は準備出来てるぞ。」

 さすが親方だね。
 すぐさまお弟子さんたちは、俺たちの装備品を運んできてくれた。
 どれもきちっと整備がされており、ピッカピカに磨き上げられていた。
 しかしそこには見慣れないものが二つあった。
 そう、ポールとナンディーの盾だ。
 1つは約1.5mほどありそうなタワーシールド。
 金属の武骨な感じが、ガンテツさんらしい気がした。
 そこにさりげなく装飾を施すのがまた憎らしい。
 もう1つはカイトシールド。
 これはナンディー用だね。
 僅かに湾曲させているけど、ナンディーの左腕をカバーするには丁度よさそうだ。
 ただしこちらは全面金属ってわけじゃなくて、木製の盾に金属を覆わせている感じだ。
 一見頼りなさそうな気もしないでもないけど、ナンディーの戦闘スタイルをきちんと理解して準備してくれたらしいね。
 おそらく見た目よりは断然軽いと思う。
 さすがはガンテツさんって感じがするよ。
 で、最後に運び込まれたのが俺の装備。
 あれ?なんか少し違う気がするんだけど?
 俺が自分の装備を見て不思議がっているのを愉快そうにガンテツさんが見つめていた。
 どこかクツクツとした笑い声が聞こえてきそうだった。

「ガンテツさん、これなんかしました?」
「おう、少しばかりいじらせてもらったぞ。お前さんの戦闘スタイルを聞いたら双剣で走り回るそうじゃねぇか。それじゃあ、今までのままだったら防具同士が接続部分で干渉しちまう。だから調整ついでに少しばかり削らせてもらった。少しは動き易くなってるはずだぞ?」

 ガンテツさんさすがです!!
 まさか俺の装備まで手直ししてくれるとは思わなかったよ。

 最後のフィッティングの為に、全員で装備をしてみたんだけど、違和感どころかまるで新品みたいな快適さがあった。
 防具のへこみなんかもなくなっているので、かなり気合を入れて補修してくれたんだな。

「さすがガンテツさんです。動きやすさが段違いになりました。勉強になります。」

 俺は素直に感謝の気持ちを伝えた。
 それほどまでにフィットしていたからだ。
 装備を作るって言うのは、ただ外側を作るってことじゃなくて、こういった細かい調整も含めて何だろうなと思った。

「代金はいくらになりましたか?」
「ん?あぁ、メンテ調整料と盾が二枚で金貨50枚ってところだな。」

 あれ?思ったよりも安い?
 ポールとナンディーもその値段に疑問を持っていた。

「いくら何でも安いですよ。タワーシールドだけで30枚を軽く超えてるでしょう?!」
「あぁ、そのことか。お前さん鍛冶ギルドの仕事請け負わなかったか?」

 どうしてそれがここで出てくるんだ?

「その依頼のお陰で金属の値段が下がったんだよ。まあ、まだ本格稼働していないが、先行で値下げに踏み切ったらしいな。お陰様で材料費がぐっと安くなったってわけだ。」

 なるほどね。
 鍛冶ギルドは金属の安定供給の為に俺に依頼したってわけか。
 それによって冒険者の命が守られるんだから、受けてよかったかな。

「分かりました。それじゃあガンテツさん、支払いは俺たちのパーティー口座から引き落としてもらえますか。」
「おう、そうさせてもらうよ。」

 取引が終わり、俺とデイジーは全員分の装備を手分けして回収し、ガンテツさんの店を後にした。
 次に向かった先はライラさんの魔導具店だ。



「相も変わらず胡散臭い……」
「カイト、失礼よ?」

 俺はエルダに窘められつつも、【魔導具店ライラ】の戸を開いた。
 中には魔導具が所狭しと置かれていた。
 その中には「これ何に使うんだ?」って物もあるけど、ほとんどが有用な魔導具だったりする。
 こんな店でも優良店だっていうんだから、見た目で判断してはいけないということだな。

「いらっしゃいませ、カモ葱お客様様。」
「ライラさん……」

 俺がライラさんに残念そうな視線を向けると、「なぁ~んだ」とばかりに興味を失ったようだ。

「いらっしゃい。今日はどんな用事で来たのかしら?」
「これを見てもらっていいですか?」

 俺はアイテムボックスから【破壊された魔導剣】と【新緑の宝珠】を取り出した。
 ライラさんはその二つをまじまじと観察していた。

「手に取ってもいいかしら?」
「どうぞ。一応鑑定して呪いとか無いのはわかってますので。」

 そう言うとライラさんは白の手袋をはめて、【破壊された魔導剣】を手に取っていた。
 上から下、左から右、裏に表にといろいろ確認していた。
 時折「ふむ」とか「むむむ」とか「なん……だと?!」とか聞こえるけど、これ絶対ワザと言ってるよね?って思い、頑張って突っ込みを耐えた。
 しばらくすると、「ふぅ~」っと大きく息を吐き、【破壊された魔導剣】を元に戻した。
 次に【新緑の宝珠】を手にすると、すぐに何か分かったようで元に戻したのだった。

「まずは結論から言うわ。【破壊された魔導剣】は私には修復不可能よ。ただし私にはね。もっと腕の立つ魔導具師なら何とかなるかもだけどね。ちなみにこの魔導剣は無事ならかなりの代物よ。だから修復するだけの価値はあるはずよ。もし修復が完成したら私にも見せてもらえるかしら?これからの参考にしたいからね。」

 ライラさんは一拍置くともう一度【新緑の宝珠】を手に取って説明をしてくれた。

「これは【新緑の宝珠】で間違いないわね。これだけで同じサイズの魔石よりも高い魔力反応があるわ。売りに出せば金貨が万で飛び交うかもしれないわね。私も実物を見るのは初めてよ。前に一度オークションに出たことが有ったけど、その時で金貨13000枚だったかしら。そのくらいの価値があったはずよ?」

 へぇ~13000枚……13000枚ねぇ~。
 大金貨に換算して130枚か~すごいなぁ~。
 って、金貨13000枚?!
 大金貨が飛び交うってことかよ!!

 そんなんいらんから!?
 って素材だからいらないとも言えない!!
 これは罠か⁈
 いや誰のだ!?

「ラ、ラ、ライラサン。コノコトハゴナイミツニオネガイシマス。」
「どうしたの言葉遣いが変になってるわよ。安心して、私も信じられない気持ちでいっぱいだから。冷静を装ってはいたけど、内心かなりテンパってるからね?」

 ライラさんも実は慌てていて、一周まわって冷静になれていただけらしい。
 そんな高価な宝玉が素材っていったいドンだけだよ!!

 とりあえず、知りたいことが知れた俺たちは、ライラさんの店を後にした。
 そして疲れ切った状態で冒険者ギルドに行ったら、キャサリンさんに心配されたのは言うまでもなかった。
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