最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓

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第2章 リベンジ!!

018 集落への攻撃

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 ハンティングウルフとの一戦目を終えた僕は、更なるハンティングウルフを求めて第三層を歩き回った。

 やっと見つけたのは、2匹のはぐれウルフだった。
 2匹であれば問題ないなと思い、勢いよくダッシュしてみた。
 反省しないのが僕の悪い癖らしい。
 体力が10上がったせいでさらに加速してしまい、一匹にシールドバッシュの状態で吹っ飛ばしてしまった。
 手早くもう一匹を切り倒し、吹き飛ばしたほうを見ると土煙を上げながらもだえる姿が見えた。
 そのままもう1匹にもとどめを刺した。

 土煙が収まると、そこには崩れた壁が姿を現した。
 こんなことは初めてだったので、さすがに驚いてしまった。
 罠を警戒しそっと中をのぞくと、一つの宝箱が中央に備え付けられていた。
 明らかに怪しい。
 定番で言えば、開けた瞬間にトラップが発動するとかだろう……
 もしくはモンスターハウス。

 少ししても変化はなかった。
 崩れた壁の石を投げ入れてみたけど、なんら反応が見られない。
 温度?もしくは荷重?何かのセンサーとか?
 考えても仕方ないか……
 えぇ~い、ままよ!!

 僕は勇気を振り絞ってその部屋に足を踏み入れた。
 だけど思っていたことは怒らず、モンスターも沸いてはこなかった。
 ということは……
 宝箱のトラップか……

 宝箱の周囲を探しても特に何もありはしなかった。
 触ってみても動く気配はなく、宝箱がモンスターというのはないみたいだった。
 鍵もかかっていないようだったので、慎重に開けてみた。

バコン

 音とともに開いた宝箱を見ると、中には5本の小瓶が入っていた。
 これはあれか?ポーション的な何かかな?
 さすがに未鑑定で何なのかわからないので、持ち帰って鑑定をしてもらおう。

 結局周囲を確認しても、トラップらしきものは発動していなかった。

 ふぅ~。

 警戒を一度解いて、小部屋を後にした。

 先ほどの戦闘で戦闘でレベルが1上がったので、また増えたポイントをさらに体力に振り込んだ。

 今のステータスを確認してみる。

ーーーーーーーーーー

ステータス

レベル :6
 EXP :  2/ 32
 HP  : 56/105(4UP)
 SP  : 11/ 15(4UP)
 体力  :105(44UP)(+5)
 力   : 55(4UP)(+1)
 知力  : 25
 精神力 : 25(4UP)
 魅力  :  5
 幸運  : 20

 任意ステータス振り分けポイント残:0

ーーーーーーーーーー

 うん。これなら何とかなるかな……
 でもHP残量がぎりぎりだ……
 どうするべきか。一度戻って仕切りなおすのも手だ。


 
 宝箱の部屋から出て周囲を探索していると、運よく第4層への階段を発見できた。
 僕からしたらここから先は未知の領域。
 撤退か前進か……
 
 よし、一度様子見で降りてみて、無理なら即撤退しよう。
 さっきのようにイレギュラーには注意をしながらになるけど……


 
 ついに僕は、第四層へと足を踏み入れた。
 そこにはダンジョンとは思えない光景が広がっていた。
 それはとてもとても広い『草原』だったのだ。
 見渡す限り低い丘と、それを覆うように草花が生い茂っていた。
 遠くの方に森が見えるが、かなりの距離がありそうだ。
 この中から第五層の階段を探すのは、骨が折れそうだ。

 ゆっくりと警戒しながら周囲を見回す。
 すると、遠くに柵らしきものが見えた。
 あまりにも簡素な造りだったので、探索者が仮拠点でも作ったんだろうか。
 僕は警戒しつつ、静かにその拠点らしき場所へ近づいていった。


 
 近づくにつれて、その全容が見えてきた。
 柵は伐りっぱなしの木や枝を、ツタを使って編み込んでいる。
 出来栄えはお世辞にもうまいとは言い難く、おそらく剣の一振りで気取り壊せるレベルの強度しかないと思う。
 多分だけど、〝自分のテリトリーはここだ〟と主張するのが目的にように見えた。
 その中には、建物というには少し無理があるような小屋らしきものがいくつかある。

 そして僕の目にしたのは……ゴブリンのコミュニティーだった。
 数は……ここから見えているので5匹。今まで見てきたゴブリンが4匹に……なんか一回りでかいのが1匹。
 ゴブリン4匹はいけると思うけど……
 でかいのは不安が残るかな……戦力が見通せない。

 とりあえず、入り口に立ってるゴブリンをつってみるか。
 反応次第では、外から突っついて各個撃破をした方が安全圏だろうし。
 僕は地面に転がっている石を一つ掴み、とりあえずにゴブリンに投げてみた。
 別に当てる気はなく、近くに落ちてこっちに気付けばいいや的な感じだった。

 しかし、そうはならかなった……

ぐしゃ!!

「うっそ~~~~~ん!!」

 驚きのあまり声が出てしまった。
 だってそれは仕方ないことだから。
 入り口に立っていたゴブリンの頭を投げた石が砕いてしまったんだから。
 これが、レベルアップとステ振りの効果なんだろうか。
 今だったら、さっきのイレギュラーにだって善戦できそうな気がする。

 中にいたゴブリンが異変に気が付いたのか、何かを騒ぎながら外に出てきた。
 さすがにこの距離だから何を言ってるかも聞き取れない。
 まあ、聞き取れたとして何言ってるか分からないけど。
 ついでだから、もう一つ石を投げてみた。

ぐしゃ!!

「まじかよ……」

 今度は狙っただけあって見事にクリーンヒットして、ゴブリンの頭が消えてしまった。
 貫通ではなくて粉砕。
 形あるものは皆壊れるというけど、さすがにこれはグロい……
 それにしても謎がある……
 体力しか上げてないのに何故こうも命中率が高いんだ?
 そして一撃で倒せるなんておかしい。

 もしかして……
 僕は慌ててスマホを操作する。
 慌てたせいでスマホ操作がもたついてしまった。

命中率補正 レベル1(NEW):命中率が上昇。命中率レベル×1%+50%※上限100%
回避速度補正 レベル1(NEW):回避速度が上昇。回避速度上昇レベル×1%

 スキル生えてた~~~~~~~!!
 SP消費の記載がないからおそらくパッシブスキルか……
 きっとあれか、イレギュラーとの戦闘がきっかけで覚えたんだな。
 できればお知らせ機能をください……
 でも、レベルを使わないで覚えられたのは大きい。
 これでかなり楽になる。
 特に命中率補正はまじで助かる。
 今はトータル51%の上昇だから、元の命中率はわからないけどほとんど外さないのではないだろうか。
 そもそも覚えただけで51%の命中補正とか、壊れスキルもいいところだと思う。
 このまま極めれば大道芸も行けるのか?
 よし、これなら石を持ってきて投げれば先制攻撃ができるな。


 
 さっそく、僕は周囲にある石を集めて回った。
 その間もその集落のゴブリンたちは、周辺警戒を強めていた。
 と言っても、石の飛んできた方向からおおよその襲撃地点を割り出せるほどの知能は持ち合わせていないようだった。
 ゴブリンたちが何をしていたかと言うと、入口周辺を全員で警戒しているに留まっていた。
 こちらとしてはとてもありがたいかな。
 1、2、3、4、5……よし、とりあえず10個は集まった。
 これくらいあればなんとかなるでしょ。
 ここから見えるのは……

 よし、まずは普通のゴブリンが2匹だ。
 一気にいこう。

 ゴッ!!
 グシャ!!

 よし!!
 2匹とも動かなくなったな。

 なんかぎゃあぎゃあ騒いでるけど、考えても仕方がないかな?
 ということでまた2匹に狙いを定めて石を投げる。
 見事に腹や頭にあたり、そのまま身動きをしなくなった。
 
 これで残るは……あのでかいやつ。
 なんか叫んでるのはわかるけど、何言ってるかまではわからない。
 こっからなら……
 せ~の!!

 ゴガ!!

 ナイスヒット!!ってめっちゃ怒ってる!?
 とりあえずもう一個!!
 ついでだもってけ泥棒!!

 ゴガ!!
 チーーーーん!!

 ん?あ、倒れた。
 もがいてるね……

 僕は倒れこんで蠢いてる、でっかいゴブリンに向かって走り出した。
 僕の襲撃に気が付いたでっかいゴブリンは、何とか防御姿勢を取ろうとしていた。
 しかし、身体に力が入らないのか、産まれたての小鹿のように足をプルプルと震わせていた。
 若干涙を流しているようにも見えたけど、気にしていられない。
 戦いとは斯くも残酷なものだな。

 そして僕は容赦なく、でっかいゴブリンを左肩からバッサリと切り裂いた。
 飛び散る体液がそのリアルさを存分に強調していた。
 いつ見てもグロいね……

 周辺に敵影なし……と……。
 ここはゴブリンの集落だったってことか?
 そうすると、ここは壊したほうがいいんだろうか?
 でも、壊すにも何も持ってないし、とりあえずこのままにしておこう。
 建物には何かあるかな?

 建物の中は特に何かあるわけではなく、寝起きをしたであろう痕跡だけが残されていた。

 集落を後にした僕は、この後の行動について考えていた。
 おそらくこのフィールドはこういった集落が点在している可能性が高い。
 なので、投石でゴブリンをつり出し、順番に倒していくのが一番いいのかもしれない。
 これについては要検証だね。


 
 しばらく周辺を探索したけど、それらしき集落は見つからなかった。
 たまたま見つけただけなのか、それともすでに解体されてしまっているのか。
 それはさすがにわからない。
 考え事をしながら探索していると、目の前の川の側で何かをしているゴブリンに気が付いた。
 おそらく水浴びをしているのか……

 少し高い丘に移動した俺は観察を続けた。
 こちらに気付く様子はなく、ゴブリンは水浴びを続けていた。
 ここからなら届くか……?

 せーの!!

ゴン!!

 もういっちょ!!

グシャ!!

 ふ~。
 いい汗かいた。

 それにしても、モンスターの生態は不明だね。
 おそらく野良のゴブリンだったんだろうけど……ちゃんと水浴びするんだね。

 よし、次の集落を探そう。
 それに、ここはレベル上げるのに最適だ。
 投擲だけで何とかなりそうだし。
 そのうち投擲スキル生えると嬉しいね。
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