最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓

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第4章 変革

063 スキル検証と嫌がらせ

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 自称神からの宣言があった翌日、俺はダンジョンへ向かっていた。
 今回はソロを選択した。
 理由は簡単で、【レベルドレイン】を使ってのレベル上げだからだ。
 これについては周りにどんな影響があるかわからないため、ソロアタックを選ばざるを得なかった。
 そして今回潜った場所は、自衛隊が管理して、訓練用に使っているダンジョンだ。
 出てくるモンスターもさほど強くはないとのことだったが、一般人は入ってこれないことになっている。

「中村殿!!今回は我々がバックアップに回ります。少し離れた場所で待機しておりますので、気にせず行ってください!!」
「ありがとうございます児島一曹。危険がある可能性がありますので、それでお願いします。」

 俺は児島一曹から離れた位置でモンスターを狩りだした。
 狩るといってもなんてことはない、〝生命レベルを吸い取っているだけ〟なのだから。

 最初の実験体はスライムだった。
 こいつを普通に倒しても経験値は1しか入らなかった。
 じゃあ、レベルドレインだったらどうなるんだ?

「レベルドレイン!!」

 俺は右手を前に出し、スライムに向けて叫んだ。
 スライムは一瞬ブルリと震えると、徐々に動きが遅くなり、そして黒い靄となり消えていった。
 違いはその後だった。
 黒い靄は俺に吸い込まれ、そして熱く燃えるように熱く感じた。

 今朝の段階の経験値は

レベル :19
 EXP : 2758/80863

 だった。
 じゃあ今は……

レベル :19
 EXP : 2768/80863

 10増えている。
 10倍か?
 まだまだ検証が必要だな。
 出現するモンスターは訓練施設のダンジョンとあまり変わらないそうだ。
 次に出会ったのはゴブリン。

「レベルドレイン!!」

 スライムと同じように動きが遅くなる。
 こいつは表情がある分、苦しんでいるのが見て取れた。
 俺は一瞬シンの事を思い出したて、吐きそうになった。
 だが今はそれどころじゃない。
 俺は強くならなくてはいけない。
 俺が強くなってみんなを守るんだ。
 そして最後はスライムと同様に黒い靄となり俺の中に流れ込んでいく。

レベル :19
 EXP : 2788/80863

 今度は20……
 またも10倍。
 次だ。

 俺は次々とモンスターを平らげていく。
 足りない……
 足りない……
 足りない……!!
 もっと……
 もっと!!
 もっと!!!!
 もっと!!!!!!!

「中村さん!!!!!」

!?!?!?!?!

 俺はいったい何をしていたんだ?!
 いつからおかしくなった!?
 何があったんだ⁉

「い、一ノ瀬さん……」
「間に合ったようですね。今スキルからの干渉を遮断しましたので大丈夫です。」
「まさか⁉」

——————

スキル
 
 共通  :世界共通言語 レベル無し
      インベントリ レベル2
 
 ユニーク:スキルクリエイター レベル2
      スキルアップグレード レベル2
      スキルカスタマイズ レベル1
      スキルコンバート レベル1
      レベルドレイン レベル1
      暴食 レベル1

——————

 くそ!!やられた!!

「あのクソ神め!!ぜって~ゆるさん!!」
「部下からの緊急連絡を受けて来てみましたが、まさかそうなるとは……」
「まさかクソ神から妨害喰らうとは思いませんでした。」
「やられましたね。」

 どうする。
 どうする?!
 あれ?いけるんじゃないか?

「【スキルコンバート】」

 そう宣言すると、いつものように目の前には透明なディスプレイが表示された。

『スキルコンバートの起動を確認。コンバートするスキルを選んでください。』

——————

スキル
 
 共通  :世界共通言語 レベル無し
      インベントリ レベル2
 
 ユニーク:スキルクリエイター レベル2
      スキルアップグレード レベル2
      スキルカスタマイズ レベル1
      スキルコンバート レベル1
      レベルドレイン レベル1
      暴食 レベル1

 武器術 :剣 レベル6
      盾 レベル6
     
 武術系 :剣術 レベル6

 強化系 :身体強化 レベル5
      部位強化 レベル8
      切断 レベル6
      打撃 レベル2
      衝撃 レベル2
      命中率補正 レベル7
      回避速度補正 レベル8

 魔法系 :土属性+ レベル5
      土属性- レベル2
      風魔法+ レベル2
      風魔法- レベル2
      水魔法+ レベル2
      水魔法- レベル2
      火魔法+ レベル2
      火魔法- レベル5

 特殊系 :食材調理 レベル6

——————

 そんなの決まってる。

「スキル【暴食】を選択。」

『スキル【暴食】を確認……。完了。次に変更先のスキルを選んでください。』

——————

 ユニーク:傲慢
      嫉妬
      憤怒×
      怠惰
      強欲×
      色欲×
      節制
      純潔
      寛容×
      忍耐
      勤勉
      感謝×
      謙虚

 特殊系 :取得経験値上昇
      必要経験値低下

——————

 まじかよ、大罪美徳のオンパレードじゃないか。
 どれをとっても地雷以外何物でもないな。

 ってあれ?
 スキルの脇のバツってなんだ?
 確か吉村さんが【強欲】を持ってたはず。
 後、自衛隊で確保した【寛容】……
 ってことは、バツ印は既にスキルホルダーが居るってことか?!
 しかもここ日本以外にもいそうだから困ったな……
 俺の邪魔さえしなければいいんだけどな。
 
 それよりもだ、その下の二つのスキル……
 俺が欲していたスキルだ。
 でもどっちがいいんだ?

 いくら考えても分からないものは分からないな。
 だったら貰える方を増やしておけば、もしかしたらパーティーメンバーにも影響出るかもしれないし、こっちを選ぼう。

「スキル【取得経験値上昇】を選択。」
『スキル【取得経験値上昇】を選択を確認。受領。獲得しました。』

『コンバートするスキルを選んでください。』

「スキルコンバートを終了。」

 終了の宣言と共に、目の前から透明なディスプレイが消えた。
 いつ見ても不思議な現象だな。
 
 よし、これで何とかなるかな。
 それにしても、真面目に焦った。

「中村さん、どうなりましたか?」
「はい、とりあえず何とかなりました。それと報告があります。スキルコンバーターでスキルを上書きしたんですが、その時見た情報に気になるものがありました。」

 俺が見た情報を一ノ瀬さんに伝えると、一ノ瀬さん的にも有益な情報らしく、今後の行動に役立てるそうだ。
 スキルホルダーの人が飲み込まれないことを祈ろう。

「では中村さん。私はこれで戻ります。また何かあれば言ってください。」
「何から何までありがとうございます。」

 一ノ瀬さんと別れた俺は、今覚えた取得経験値上昇を確認した。

取得経験値上昇:得られる経験値が上昇。上昇率スキルレベル×2%※上限200%。

 うん、壊れスキルだ。今のスキルレベルが1だから、上昇率は2%。
 レベルを上げていけば、ものすごいことになるんじゃないだろうか……

 よし、今あるレベルを全部突っ込もう。
 レベル19だから何レベルまで行けるだろうか。
 うん、レベル6までは行けるだろうな。
 実行っと……

 これで良し。
 これで12%の上昇率だな。

 つまり、俺は今現在レベルドレインとスキル取得経験値上昇の効果で経験値が1.12倍ってことか。
 うん、悪くないはずだ。

 次のレベル捧げるには7レベルにしないといけないからな……
 でもなんとかなるはずだ。
 トータルで112もあればいいんだからね。

 それから俺はひたすら狩りまくった。
 正直また7つの大罪が生まれるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。

 あれからカイリ達にも会ったが、今はレベルやスキルを上げることを優先させていることを告げ、俺はまたソロで活動を始めた。
 カイリ達には悪いことをしてしまったかもしれないな……
 でもこれが俺が選んだ道だから、後悔するつもりはない。

 そして何度もレベルをループしたおかげで、現在のスキルレベルが20レベルまで上昇させることができた。
 経験値は通常で1.4倍。
 レベルドレイン時でさらに10倍上乗せ。
 これでさらに強くなれる。

 俺は今にも増してダンジョンアタックをしていくのであった。
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