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歪な物語の始まり
6.媚薬酔い
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ギルドタウンに来て早ニヶ月。時間はあっという間に過ぎて行った。
この街での生活にもだいぶ慣れ、一日のルーティンが固定され始めた。
難易度が高く誰も手を付けなさそうな依頼を受け、一度にたくさん稼ぐ。そして依頼の無い日はギルド本部にある訓練場を借りてイオリに剣を教えている。
イオリがある日オレに剣を習いたいと言い出したんだ。他にもこの世界の文字を教えたり、逆にイオリのいた世界の文字を教えてもらった。オレは『美華』と『伊織』を書ける様になった。
オレはイオリに剣を教えている時に何度も感じたことがある。それは、イオリの戦い方はあまりにも綺麗すぎるということ。
走る・跳ぶ・踏み切る・踏ん張るなどの脚を使う時は脚に身体能力向上のバフを付け、剣を振るう・ガードする時は腕にバフを付けている。その時その時に合わせているため、動きや魔力に無駄が無い。
その上、元々の身体能力に大きな差がある人間と悪魔なのに、いくら力を抑えてるとはいえオレの動きについて来れている。今まで見た感じだと、普通の人間がここまで速く動けば目も脳も追いつかない筈だ。追いついたところで剣を振るう暇は無い。
つまり、異様に戦い慣れている様に見える。
聞いた話だと、イオリの故郷では武器を持つだけで犯罪になるらしい。それ程に戦いの無い安全且つ平和な世界から来て置いて、ここまで実戦慣れしてるのは物凄い矛盾だ。
また、呑み込みが速く、あっという間に動きのキレが上がっている。戦闘時の動き方の癖を見る限り、オレの戦い方を見て盗んでいるようだ。いくらオレが久しぶりに剣を握ったからと言ってただの人間に押される程弱くは無い。『見て盗む』なんて才能、誰もが喉から手が出る程に欲しいだろう。
「今日はここまで!ところでイオリ、なんで実戦経験が浅いお前がそこまで動けるんだ?」
「え、ずっと訓練して来たからそれなりに成長出来てるんじゃ無いのか?」
いや、それだけでこの状況は納得出来ない。
戦闘の技術だけじゃ無い。奇抜な戦略、見たことの無い動き、そのどれもがオレを圧倒してくる。何かしらあるはずだ。宿屋に戻ったらもう一度聞いてみよう。
二ヶ月前から借りている部屋に着いた。
汗をかいたイオリは部屋に戻って直ぐに入浴している。オレは汗をかいたらフェロモンも自動的に出る為、魔法で抑えている。だからだろう。最近少し熱っぽいのは。
抑えてる分は消えずに自分の中に残る。自分の媚薬で少し気持ち悪い。しかし、だからと言って体外に出せばイオリに掛かってしまうだろうし……。
まぁ、結局『惚れさせる』なんて言っておきながら何もして無いんだけどさ。イオリと過ごす時間があまりにも楽しくて、余計な事で潰したく無い。
それに、悪魔の国を出てから一度も食事をしていない。オレにとって食べ物を食べるというのはただの娯楽に過ぎず、動力が魔力であるオレはサキュバスである以上他人の体液から魔力を吸収する以外の回復方法がほとんどない。自然回復は出来るが、何もせず一ヶ月眠っていれば完全に回復する位だろう。
毎日動いている以上は回復する暇が無い。
フェロモンを出せば誰かしらに同意を得る事は出来るだろう。
それをしないのはオレですらよく分からない。ただ…何故かイオリに触れられる度にどうしようもなく嬉しくて、他の人に触れられたく無いと思ってしまう。
だからオレはずっと食事を取らない。
馬鹿げた事をしていると言う自覚はあれど、『それでも』なんてことを考えてしまう。
……イオリに触れたい。もっと触れて欲しい。オレはどんどん欲張りになっていく。ダメだと分かっていながらも。
時間が経つにつれ自分の媚薬に酔い、体から力が抜けていった。少し経てばある程度は収まるが、それまでかなり苦しい。
立てない程力が抜けてしまったオレは部屋の窓辺に座り込んでしまった。胸焼けと体温の上昇は酷くなるばかりだ。
荒くなっている自分の呼吸で周りの音は聞こえづらい中、微かに聞こえたドアの開閉音。確かにこちらへ近付く足音。
既に力が入らなくなっているオレは顔を上げることすら出来ないでいた。
「ミカ?どうした、体調でも悪い?」
「んっ………」
風呂上がりで体温が上がっているイオリの手は熱く、そっと顔に触れた大きな手はオレの熱を更に上げた。頬に触れる手の感覚、心配している優しくて甘い声、微かに香る石鹸とイオリの匂い。その全てに縋り付きたくて堪らなくなる。オレは頬を触れている大きな手を両手で掴み、頬擦りをした。無意識に。
風呂上がりで髪の毛が濡れたままのイオリ。長い前髪はサイドに分かれて今までで一番顔が良く見えている。心配そうな表情と赤く染まっている頬。オレの中の何かを強く刺激した。
「い、おり………。」
「っ……ミカ?どこか苦しい?怪我でもしたか?」
「イオリ…熱くて、苦しいんだ………。熱いのに、身体が焼けそうなのに熱が欲しくてっ………今は、あんまりオレに近付かない方がいい。」
辛うじて残っていた理性でイオリの手を離した。そしてまた力が入らずに俯いた。
一瞬耳元でパキッという音が聞こえたと思ったら、イオリがオレの口の中に氷を一粒入れてきた。
「何が起きてるか分からない以上、冷やすしか思い浮かばなかったけど……」
「………ありがと。」
僅かに唇に触れた指先。そこから一気に熱は上がったが、熱い中冷たい氷に意識が集中して少しずつ熱は収まった。一時的なものだとしても本当にたすかる。
氷が溶け切る頃にはほとんどいつも通りに戻っていた。
「ごめん、心配かけて。それと氷ありがと。」
「いや、体調が悪いなら無理はするな。」
「大丈夫よくああなるから。時間が経てば収まるよ。」
まぁ、あんなに縋りたくなったのは初めてだったけど。
本当に何だったんだろうか。熱い中熱いのが欲しくなるなんてどうかしている。ま、朦朧としてたけどイオリの指先が唇に触れた時はなぜか心地よかった。それに、いつも以上にしっかりと綺麗な顔を見ることが出来た。
一緒に過ごす中でイオリの色々な表情が見られた。思いの外感情は表に出やすいのかも知れない。
外では気を受けている様だが、二人の時は表情がよく動く。目は口ほどに物を言うなんてよく言ったもので、綺麗な目は良く動いて、思っている事や感じている事が見えやすい。
美しい顔で色んな表情を浮かべていたら、きっと周りからも好印象だと思うけど……。なんだかオレだけ特別みたいで悪く無いなって思う。ちょっと照れ臭いけど。
体調も完全に戻り、オレは入浴を済ませた。以前は湯船に浸かるなんて面倒な事だと思っていたが、今では心休まる一時になった。
入浴後、部屋に戻るとふわりと甘い匂いがした。時折この時間帯に香るいい匂いだ。涎が出そうな程に甘い良い匂い。
何故どこから匂いが来てるかは未だにわからないけど、この匂いは好きだ。本当に何の匂いなのだろうか。
疑問は置いておいて、またいつも通りに文字を教えてもらう。
この世界の言葉は既に教えた。が、イオリの世界には沢山の言語や文字があるようで、その中でも『ひらがな』と『カタカナ』、『漢字』『ローマ字』『数字』を教えてもらっている。今は漢字を教えてもらっているが、あまりにも種類が多く複雑な形をしている為結構面倒だ。まぁオレならすぐに覚えられるが、量が尋常じゃない。
文字の形的にはカタカナが、文法はローマ字がこの世界の文字と似ている。数の数え方に使われる正の字は昔の勇者が広めていた。ローマ数字はこの世界の数字と同じだった。だからイオリは時計の数字が分かったのだろう。
所々で共通点も有り、声にすれば同じな言語。お互いに覚えやすかった。
こんな風に夜は深くなっていく。これが段々と日常になり、大切な時間は少しずつ消えている。分かっているからこそ、こんなにも楽しいのに寂しいのだろう……。最近は時間が経つのが異様に速く感じる。
今夜は月が雲に隠れ、外は真っ暗だ。ランプを消し、小さなキャンドルに火をつけた。二つのベッドの間にあるベッドテーブルにキャンドルをそっと置いた。
「あ、そうだ。イオリに聞きたいことがあったんだ。」
「聞きたいこと?」
宿屋に戻ったら聞こうと思っていたところを、完全に忘れていた。
「何で実戦経験が浅いのにあんなに動けるのかってやっ。特訓をしてたって若い人間が慣れるのは至難の技だろう。それをたった二十歳で、それも約半年で何で力を使いこなせているのか。オレはそれがどうにも引っかかってな。」
「あぁ…それに関して心当たりはある。けど、今日はもう遅いし明日の夜に話すよ。」
「分かった。」
とりあえずは眠りについた。……イオリだけが。
オレは最近一睡も出来ていない。眠るのが……気を抜くのが怖い。ここまで酔いが回って、それにここまで空腹状態で気を抜けばイオリに手を出しかね無いだろう。だからオレはイオリが寝た事を確認した後、イオリのベッドから離れた一人がけのソファに移っている。これからはずっとこの状態なのだろうか。
「っ…!やば…また酔い始めたなー……。」
数日置きになっていた酔いは、気を抜けばいつでもなる様にまでなっていた。
性的な事=食事のオレには性欲が無い。今までのオレの食事中も快楽を感じたことは無いし、媚薬に酔い勃起している時も触れたいとか射精したいとは思わなかった。
なのに、何故今はこんなにも………。
考えたって仕方が無い。結局はどうしようも無い事だ。今は酔いが回り動けないけど、今度動ける時の夜にでも媚薬の発散と食事をしよう。どうにもイオリ以外に触れられる事に抵抗があるが、自制が効かなくなり襲うよりはマシだろう。
酔いは結局夜明けまで続いた。
この街での生活にもだいぶ慣れ、一日のルーティンが固定され始めた。
難易度が高く誰も手を付けなさそうな依頼を受け、一度にたくさん稼ぐ。そして依頼の無い日はギルド本部にある訓練場を借りてイオリに剣を教えている。
イオリがある日オレに剣を習いたいと言い出したんだ。他にもこの世界の文字を教えたり、逆にイオリのいた世界の文字を教えてもらった。オレは『美華』と『伊織』を書ける様になった。
オレはイオリに剣を教えている時に何度も感じたことがある。それは、イオリの戦い方はあまりにも綺麗すぎるということ。
走る・跳ぶ・踏み切る・踏ん張るなどの脚を使う時は脚に身体能力向上のバフを付け、剣を振るう・ガードする時は腕にバフを付けている。その時その時に合わせているため、動きや魔力に無駄が無い。
その上、元々の身体能力に大きな差がある人間と悪魔なのに、いくら力を抑えてるとはいえオレの動きについて来れている。今まで見た感じだと、普通の人間がここまで速く動けば目も脳も追いつかない筈だ。追いついたところで剣を振るう暇は無い。
つまり、異様に戦い慣れている様に見える。
聞いた話だと、イオリの故郷では武器を持つだけで犯罪になるらしい。それ程に戦いの無い安全且つ平和な世界から来て置いて、ここまで実戦慣れしてるのは物凄い矛盾だ。
また、呑み込みが速く、あっという間に動きのキレが上がっている。戦闘時の動き方の癖を見る限り、オレの戦い方を見て盗んでいるようだ。いくらオレが久しぶりに剣を握ったからと言ってただの人間に押される程弱くは無い。『見て盗む』なんて才能、誰もが喉から手が出る程に欲しいだろう。
「今日はここまで!ところでイオリ、なんで実戦経験が浅いお前がそこまで動けるんだ?」
「え、ずっと訓練して来たからそれなりに成長出来てるんじゃ無いのか?」
いや、それだけでこの状況は納得出来ない。
戦闘の技術だけじゃ無い。奇抜な戦略、見たことの無い動き、そのどれもがオレを圧倒してくる。何かしらあるはずだ。宿屋に戻ったらもう一度聞いてみよう。
二ヶ月前から借りている部屋に着いた。
汗をかいたイオリは部屋に戻って直ぐに入浴している。オレは汗をかいたらフェロモンも自動的に出る為、魔法で抑えている。だからだろう。最近少し熱っぽいのは。
抑えてる分は消えずに自分の中に残る。自分の媚薬で少し気持ち悪い。しかし、だからと言って体外に出せばイオリに掛かってしまうだろうし……。
まぁ、結局『惚れさせる』なんて言っておきながら何もして無いんだけどさ。イオリと過ごす時間があまりにも楽しくて、余計な事で潰したく無い。
それに、悪魔の国を出てから一度も食事をしていない。オレにとって食べ物を食べるというのはただの娯楽に過ぎず、動力が魔力であるオレはサキュバスである以上他人の体液から魔力を吸収する以外の回復方法がほとんどない。自然回復は出来るが、何もせず一ヶ月眠っていれば完全に回復する位だろう。
毎日動いている以上は回復する暇が無い。
フェロモンを出せば誰かしらに同意を得る事は出来るだろう。
それをしないのはオレですらよく分からない。ただ…何故かイオリに触れられる度にどうしようもなく嬉しくて、他の人に触れられたく無いと思ってしまう。
だからオレはずっと食事を取らない。
馬鹿げた事をしていると言う自覚はあれど、『それでも』なんてことを考えてしまう。
……イオリに触れたい。もっと触れて欲しい。オレはどんどん欲張りになっていく。ダメだと分かっていながらも。
時間が経つにつれ自分の媚薬に酔い、体から力が抜けていった。少し経てばある程度は収まるが、それまでかなり苦しい。
立てない程力が抜けてしまったオレは部屋の窓辺に座り込んでしまった。胸焼けと体温の上昇は酷くなるばかりだ。
荒くなっている自分の呼吸で周りの音は聞こえづらい中、微かに聞こえたドアの開閉音。確かにこちらへ近付く足音。
既に力が入らなくなっているオレは顔を上げることすら出来ないでいた。
「ミカ?どうした、体調でも悪い?」
「んっ………」
風呂上がりで体温が上がっているイオリの手は熱く、そっと顔に触れた大きな手はオレの熱を更に上げた。頬に触れる手の感覚、心配している優しくて甘い声、微かに香る石鹸とイオリの匂い。その全てに縋り付きたくて堪らなくなる。オレは頬を触れている大きな手を両手で掴み、頬擦りをした。無意識に。
風呂上がりで髪の毛が濡れたままのイオリ。長い前髪はサイドに分かれて今までで一番顔が良く見えている。心配そうな表情と赤く染まっている頬。オレの中の何かを強く刺激した。
「い、おり………。」
「っ……ミカ?どこか苦しい?怪我でもしたか?」
「イオリ…熱くて、苦しいんだ………。熱いのに、身体が焼けそうなのに熱が欲しくてっ………今は、あんまりオレに近付かない方がいい。」
辛うじて残っていた理性でイオリの手を離した。そしてまた力が入らずに俯いた。
一瞬耳元でパキッという音が聞こえたと思ったら、イオリがオレの口の中に氷を一粒入れてきた。
「何が起きてるか分からない以上、冷やすしか思い浮かばなかったけど……」
「………ありがと。」
僅かに唇に触れた指先。そこから一気に熱は上がったが、熱い中冷たい氷に意識が集中して少しずつ熱は収まった。一時的なものだとしても本当にたすかる。
氷が溶け切る頃にはほとんどいつも通りに戻っていた。
「ごめん、心配かけて。それと氷ありがと。」
「いや、体調が悪いなら無理はするな。」
「大丈夫よくああなるから。時間が経てば収まるよ。」
まぁ、あんなに縋りたくなったのは初めてだったけど。
本当に何だったんだろうか。熱い中熱いのが欲しくなるなんてどうかしている。ま、朦朧としてたけどイオリの指先が唇に触れた時はなぜか心地よかった。それに、いつも以上にしっかりと綺麗な顔を見ることが出来た。
一緒に過ごす中でイオリの色々な表情が見られた。思いの外感情は表に出やすいのかも知れない。
外では気を受けている様だが、二人の時は表情がよく動く。目は口ほどに物を言うなんてよく言ったもので、綺麗な目は良く動いて、思っている事や感じている事が見えやすい。
美しい顔で色んな表情を浮かべていたら、きっと周りからも好印象だと思うけど……。なんだかオレだけ特別みたいで悪く無いなって思う。ちょっと照れ臭いけど。
体調も完全に戻り、オレは入浴を済ませた。以前は湯船に浸かるなんて面倒な事だと思っていたが、今では心休まる一時になった。
入浴後、部屋に戻るとふわりと甘い匂いがした。時折この時間帯に香るいい匂いだ。涎が出そうな程に甘い良い匂い。
何故どこから匂いが来てるかは未だにわからないけど、この匂いは好きだ。本当に何の匂いなのだろうか。
疑問は置いておいて、またいつも通りに文字を教えてもらう。
この世界の言葉は既に教えた。が、イオリの世界には沢山の言語や文字があるようで、その中でも『ひらがな』と『カタカナ』、『漢字』『ローマ字』『数字』を教えてもらっている。今は漢字を教えてもらっているが、あまりにも種類が多く複雑な形をしている為結構面倒だ。まぁオレならすぐに覚えられるが、量が尋常じゃない。
文字の形的にはカタカナが、文法はローマ字がこの世界の文字と似ている。数の数え方に使われる正の字は昔の勇者が広めていた。ローマ数字はこの世界の数字と同じだった。だからイオリは時計の数字が分かったのだろう。
所々で共通点も有り、声にすれば同じな言語。お互いに覚えやすかった。
こんな風に夜は深くなっていく。これが段々と日常になり、大切な時間は少しずつ消えている。分かっているからこそ、こんなにも楽しいのに寂しいのだろう……。最近は時間が経つのが異様に速く感じる。
今夜は月が雲に隠れ、外は真っ暗だ。ランプを消し、小さなキャンドルに火をつけた。二つのベッドの間にあるベッドテーブルにキャンドルをそっと置いた。
「あ、そうだ。イオリに聞きたいことがあったんだ。」
「聞きたいこと?」
宿屋に戻ったら聞こうと思っていたところを、完全に忘れていた。
「何で実戦経験が浅いのにあんなに動けるのかってやっ。特訓をしてたって若い人間が慣れるのは至難の技だろう。それをたった二十歳で、それも約半年で何で力を使いこなせているのか。オレはそれがどうにも引っかかってな。」
「あぁ…それに関して心当たりはある。けど、今日はもう遅いし明日の夜に話すよ。」
「分かった。」
とりあえずは眠りについた。……イオリだけが。
オレは最近一睡も出来ていない。眠るのが……気を抜くのが怖い。ここまで酔いが回って、それにここまで空腹状態で気を抜けばイオリに手を出しかね無いだろう。だからオレはイオリが寝た事を確認した後、イオリのベッドから離れた一人がけのソファに移っている。これからはずっとこの状態なのだろうか。
「っ…!やば…また酔い始めたなー……。」
数日置きになっていた酔いは、気を抜けばいつでもなる様にまでなっていた。
性的な事=食事のオレには性欲が無い。今までのオレの食事中も快楽を感じたことは無いし、媚薬に酔い勃起している時も触れたいとか射精したいとは思わなかった。
なのに、何故今はこんなにも………。
考えたって仕方が無い。結局はどうしようも無い事だ。今は酔いが回り動けないけど、今度動ける時の夜にでも媚薬の発散と食事をしよう。どうにもイオリ以外に触れられる事に抵抗があるが、自制が効かなくなり襲うよりはマシだろう。
酔いは結局夜明けまで続いた。
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