【完】天使な淫魔は勇者に愛を教わる。

輝石玲

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悪魔、人間の本拠地へ

夢の中 ②

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 ーーーーーディークーーーーー


 最近、どうも不思議な場所に来てしまったみたい。ここはミカの空間とは違う、他の誰かの空間。何かの拍子に移り変わってしまったようだ。困ったなぁ……。


 ここはとっても目が痛い。薄暗い場所にチカチカと光が重なっている。全く見覚えの無い景色。まるで異世界のようだ。



 そして、この空間の主……。何度か姿は見ているものの、真っ黒な影みたいで追いかけても追いつけない。直ぐに暗闇に姿を隠してしまう。何度も現れるからその度追いかければいいけど、そんな頻繁にこの空間に来るなんて…余程何かに迷い続けているのだろう。


 この空間は誰かの意識、夢の中でしか訪れる事の出来ない場所。魂を覆う外殻のようなもの。誰しもが持つ心の中。

 ………あぁ、また来た。今度こそ君が誰なのか聞き出したい。ミカの中に居た僕が、なんでここに移ったのか。

 君は一体、彼の何?




 ーーーーーイオリーーーーー




 まただ。またこの夢だ。真っ黒な場所で光るゲーミングライトのような光が目に痛い。……夢だから実際に痛い訳では無いが。それでも頭がおかしくなりそうだ。


 そして……いつも空から追いかけてくる謎の気配。得体の知れない気配から条件反射で逃げ、目が覚める頃には疲れ切ってしまう。
 やっぱり今日も来た。かれこれ3ヶ月もこの鬼ごっこを続けている。それも毎日。もう直ぐお披露目だと言うのに、これ以上やつれて周りに心配を掛けたく無いんだけどな。



 そう言えば、不思議なことに体力が急激に増えている。夢の中で動けば動いただけ疲れるが、その分起きてる時に変化が起こっている。本当にただの夢だろうか。



 この3ヶ月で見違える程チェイスが上達している。ただ、その分相手も探索に慣れてるようだ。このままだと追いつかれるのも時間の問題か?俺も体力は付いても休息が取れていない。正直なところ、いつ限界が来てもおかしく無い。



 ………まずい、息が乱れる。どれだけ逃げた?羽音が聞こえる程度には近くに居るはずだ。どこか暗闇に紛れて気配を消さないと、なのに。呼吸がままならない。このままじゃ、呼吸音で位置がバレる。早く、早く目が覚めないと……!


 ………
 追いつかれた。
 気付けば人影は目の前に居て、俺は地面に座り込んでいる。
 目の前の人物はよく見えない。段々と歪む視界は俺の限界を物語っている。

 見えているのは長い赤髪と、ドラゴンのような角と羽。……どこか、見覚えが………。


「ま、おう………?」


 そうだ、天使マイヤの絵に描かれていた赤髪の悪魔と同じ特徴なんだ。


「……僕を知っているのかい?君は誰?一体、『彼』の……ミカの何?」
「おれ…俺は伊織……、ミカの…………」


 ミカの…なんだ?俺はまだ、あいつの恋人だと言っていいのか?
 そんな疑問を残して、夢の中で気を失った。











「っ!」


 夢…、いつもの夢だった。でも、ずっと追いかけてきた悪魔と関わりを持った。
『魔王』と言ったら肯定した。でも、なんで天魔大戦で死んだ魔王と話せた?それに、俺が付けたミカの名前も知っていた。

 やはり、ただの夢だったのか。容姿の特徴も、陛下に似た雰囲気も、死んだ魔王がミカの名を知っているのも、全てただの夢だから。



 一体、何だったんだ………。
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