【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

BIRD

文字の大きさ
101 / 428
転移者イオ編

第40話:パーティ入り(画像あり)

しおりを挟む


 生活拠点をエルティシアに決めた俺は、空間移動の力で時々ナーゴに行き、エカたちの魔族討伐を手伝うことにした。

「こっちの食べ物を買うには、現地通貨が必要だから、時々稼ぎに来るよ」

 エカたちにはそう説明して、魔族討伐限定メンバーとしてパーティに加入させてもらった。
 俺がパーティに入ったら、エカはなんだか嬉しそうにしている。

「来てもらえるとかなり助かるよ。最近魔族討伐依頼が多いから」

 エカが言うように、ナーゴ内の魔族出現率は多くなっている。
 一般人の間では、魔王転生の予兆ではないかと不安がる声も出始めていた。

 予兆どころか、当代魔王ならとっくに生まれていて、もういい歳したオッサンだぞ。
 正しくは「魔王の子供の転生者」らしいけど。
 本物の魔王は、転生を拒否してアサギリ島の地縛霊(?)みたいになっている。

 あれから、俺は詩川先生に会っていない。
 ルルとアズの話では、詩川先生はあの後、ガックリと落ち込んだ様子でアサギリ島を立ち去り、以降は全く来ていないらしい。
 アサケ学園の魔工学部に行けば遭遇しそうだけど、最近の俺は図書館以外には行かなくなったので、会うことは無かった。

 図書館の本を読みたいので、アサケ学園に在籍はしているけれど、俺はもう授業は受けていない。
 そうそう、カリンがアサケ学園に入学したよ。
 俺が付き添って学園長に会いに行き、図書館の本を読みたいから入学させてほしいと言ったら即合格。
 カリンはどの学部に入るのかと思ったら、料理学部を迷わず選んだ。
 調理も楽しいみたいだけど、栄養学に特に興味があるらしい。

 この学園は、「やりたいこと」がある人なら年齢性別問わず、たとえナーゴに住んでいない異世界人でも受け入れてくれるし、学費は全額免除される。
 そもそも、誰も学費とか払ってないな。
 アサケ王国の国費で運営しているし、学食の食材は野外授業で生徒たちが調達している。

 俺とカリンは、エルティシアの神学校にも通い続けている。
 世界の移動時に時間調整ができると、学校の掛け持ちは容易だね。
 現在の俺はカリンと同じクラスで、聖なる力に関することや、魔物に関することを学ぶ日々。
 放課後には図書室に寄って、本を借りて帰るのが日課だ。

「今日は魔族討伐を手伝いに行くよ」
「いってらっしゃい。気を付けてね」

 魔族討伐がある日は、俺はカリンをアサケ学園まで送った後にエカたちとの合流地点に向かう。
 カリンはいつも、授業が終わると図書館に行き、読書を楽しみながら俺が帰るまで待っていてくれた。
 禁書閲覧室は今やカリンの読書スペースと化していて、タマが楽しそうにお茶やお菓子をふるまっている。


 ◇◆◇◆◇


 エカたちと合流した場所は、アカツキ王国にある小さな村。
 魔族に襲われて、村人に死傷者が出ているという。
 襲っている魔族の討伐と、村人の蘇生や治療が今回の仕事だ。

 俺がエルティシアで得た【聖なる力】は、聖属性追加ダメージ付与の攻撃支援魔法代わりに使える。
 これが予想以上に使えるようで、今まではエカの爆裂魔法のみに頼っていた将軍クラスの魔族に、エカ以外のメンバーもダメージを与えられるようになったよ。

水神の必中ティアマト

 俺の起動言語で、現れた水の東洋龍がパーティメンバーを巻くように周ると、人数分の水の球に分裂して、メンバーの体内に吸い込まれた。
 古代魔法【水神の必中】は、たとえ素人の攻撃でも、1度だけ必ず命中させる効果をもっている。
 この魔法を発動させつつ、俺はパーティメンバーの弓矢に聖なる力を流し込んだ。
 全員の手にした弓矢が白い微かな光に包まれ、聖なる力は込められた。

「付与完了、GO!」

 俺の合図で、猫人メンバーが一斉に矢を射る。
 普段は弓を使わない者でも、絶対成功の古代支援魔法を付与されているので、射れば確実に当たる。
 狙いは、後方で魔族たちに指示を出している隊長クラスの魔族。
 放たれた全ての矢は、雑魚を飛び越えて隊長に突き刺さった。

爆破消滅エクスプロジオン!」

 畳み掛けるように、エカの爆裂魔法がトドメの一撃。
 エカには【地神の慈悲ガイア】という支援魔法をかけておいた。
 その支援効果は、攻撃に特殊効果がつくもの。
 地神の慈悲ガイアは、体力が半減している弱った敵を即死させる効果がある。
 聖ダメージで重傷となった隊長は、エカがさほど力を使わなくても、あっさりと息絶えた。

 爆散して消えた隊長を見て、動揺する魔族たちは烏合の衆と化す。

「付与完了、GO!」

 続く合図は、雑魚の殲滅。
 体力や抵抗力が低い下位の魔族は、射かけられた矢が刺さると消滅した。
 エカも雑魚相手には爆裂魔法は使わず、有り余る魔力盛り盛りの光の矢を雨のように(むしろ土砂降りのように)浴びせて殲滅する。

「逃がさないよ」

 慌てて逃げ出す魔族もいたけど、群れの中心に空間移動した俺が、聖なる光を放出して全滅させる。
 それはナーゴの聖属性魔法【浄化の光ピュリフィエ】に似たもの。
 強烈な光に下位魔族たちは焼き尽くされて、消し炭のように崩れて消えた。

「なんか、イオが攻撃魔法みたいなのを放ってると、違和感しかないな」
「アズとは違うからね」
「うん。そうだな」

 片付けて空間移動で戻って来た俺に、エカが鼻の穴広げて真顔になりながら言う。
 俺がドヤ顔で言ってやったら、エカは苦笑して同意してくれた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...