16 / 428
転生者モチ編
第15話:解体と調理(画像あり)
しおりを挟む
俺とイオにとって、引率の先生無しで行った初めての狩りは、なんともアッサリと楽勝で終わった。
松本先生は、これを想定していたから3人で行かせたんだろうな。
「血抜きとか解体とか、やり方が分からないね」
「とりあえず、異空間倉庫に収納しとこう」
「動植物学部の先生なら解体出来るかも」
イノシシ4匹を異空間倉庫に収納して、俺たちは学園に帰った。
クラス担任の松本先生に狩りの成功を報告したら、動植物学部の先生と生徒に解体してもらうように指示された。
アサケ学園では、生徒が野外実習で狩ってきた獲物を、動植物学部が解体するのが常らしい。
「こんにちは~今入ってもいいですか?」
「大丈夫だよ、どうぞ~」
動植物学部は教室に動物がいたりするので、確認してから入るようにと教わった。
入ってもいいことを確認後、俺たちは教室の扉を開ける。
「イノシシが穫れたので解体をお願い出来ますか? お肉おすそ分けします」
「いいよ。何頭かな?」
「4頭です」
動植物学部の先生は、体格の良い茶トラの猫型獣人だった。
6歳児の俺たちよりデカいのは勿論だけど、学園長よりも大きい。
「じゃあ、解体するから君たちも見て、やり方を覚えるといいよ」
「「「はい」」」
穏やかな口調で茶トラ先生が言う。
珍しく江原も加わり、俺たちは3人でハモった。
「狩りや釣りをするなら、捌く事も出来るようにならないとね」
茶トラ先生の名前は、ロッサ・シマさんというそうだ。
低くて深みのあるイケボ、多分男性かな?
猫人の性別は、イマイチ見分けがつかないけど。
「命を殺めるなら、調理して食べるところまで責任を持つんだよ」
「「「はい」」」
ロッサ先生の言葉に、頷く俺たち。
このイノシシたちは、食べるために狩ったもの。
遊びで魔法をぶっぱなしたわけじゃない。
先生の解体技術は、一流の板前みたいに動作1つ1つが滑らかで、無駄が無くて速かった。
調理師免許を持つ俺よりも、見事な捌き方だ。
といっても俺、イノシシを捌いたことはないけど。
手伝いに入った学生たちも手際がいい。
血抜きから解体までの流れをしっかり見学して、俺たちはそのやり方を記憶した。
「終わったよ」
「「「ありがとうございました!」」」
また3人でハモった後、解体が終わったイノシシ肉をロッサ先生たちにお裾分けした。
残りは異空間倉庫に収納して、俺たちは魔法学部の校舎前へ向かった。
「お、戻って来たな」
「焼き野菜も貰ってきたよ~」
校舎前の広場では、魔法学部のメンバーがバーベQの準備をして待っていた。
料理学部管理の畑から野菜を貰って来た人もいる。
大きいのも含めてイノシシ4頭分の肉は、かなりの量になった。
「タレは色々作ってきたよ」
「ニンニクやショウガもあるからね」
妹ちゃんと料理学部の生徒たちも来ている。
校庭で大人数の焼肉パーティが始まった。
日本のイノシシよりも、この国のイノシシの方が、獣臭さが無くて味が良かった。
ショウガやニンニクを揉み込んで、炭火で炙り焼きして、料理学部の人たちが作ってきたタレに浸していただく。
骨を煮込んで出汁をとったスープも作られた。
豚骨スープよりもコクがある味で、そこにも肉と野菜が入れてあって、栄養と旨味たっぷりで美味しい。
匂いに釣られて来た他の学部の生徒たちにも配られて、みんな大満足だった。
「よし、お前ら、明日も狩りに行っていいぞ」
俺たちの成果を高く評価した松本先生から、次回の許可が下りた。
……というか多分、俺に教室を爆破されたくないんだろう。
狩りで魔法を使う方が成長するみたいだから、俺も教室爆破しているよりもいい。
「夏の森で楽勝なら、秋の森でオークを狩るといいぞ」
「オークってどんなやつですか?」
「二足歩行の豚みたいなやつだな。肉も豚肉みたいな味がするぞ」
「それはもうポークですね!」
松本先生から次の狩りにオススメの場所と獲物を教えてもらった。
俺の中で、その獲物の名前はポークになった。
イノシシパーティが終わった後、イオはまた何処かへ出かけていった。
多分、禁書閲覧室へ行ったんだろう。
30分くらいで戻ってきたと思ったら、何かいいことがあったのかワクワクしている感じがした。
「おかえりイオ、なにか良い事あった?」
「うん」
「なになに?」
「今は内緒。明日の狩りに役立つよ」
聞いてもこの時は教えてくれなかった。
狩りに役立つ知識か裏技でも手に入れたんだろうか?
◇◆◇◆◇
その夜もイオは爆睡だった。
昼にイノシシ料理を腹いっぱい食べて、夕食もしっかり食べて、シャワーを浴びてスッキリして、ベッドに横になるとすぐ寝付いてしまう。
日本に居た頃は、俺もイオも胃腸が弱くて少食だったのに、ナーゴに転移して身体が変化してから、かなり健康になったと思う。
特にイオは【完全回避】の恩恵だとかで、怪我も病気もしない超健康優良児だ。
俺も食欲はあるし身体は健康なんだけど、夜はすぐには眠れない。
「なんで俺は、毎晩お前の生存確認してるんだろうな?」
熟睡中のイオの胸に耳を当てて鼓動を確認した後、身体を起こした俺は苦笑しつつ呟く。
どういうわけか、イオが目を閉じて横たわっていると、心臓が動いているか、呼吸してるか、確認せずにはいられない。
イオが生きていることを確認しないと、不安で眠れなかった。
確認を終えると抱き締めて、温もりを感じたら安心して眠る。
それはまるで、何かのトラウマのようだった。
松本先生は、これを想定していたから3人で行かせたんだろうな。
「血抜きとか解体とか、やり方が分からないね」
「とりあえず、異空間倉庫に収納しとこう」
「動植物学部の先生なら解体出来るかも」
イノシシ4匹を異空間倉庫に収納して、俺たちは学園に帰った。
クラス担任の松本先生に狩りの成功を報告したら、動植物学部の先生と生徒に解体してもらうように指示された。
アサケ学園では、生徒が野外実習で狩ってきた獲物を、動植物学部が解体するのが常らしい。
「こんにちは~今入ってもいいですか?」
「大丈夫だよ、どうぞ~」
動植物学部は教室に動物がいたりするので、確認してから入るようにと教わった。
入ってもいいことを確認後、俺たちは教室の扉を開ける。
「イノシシが穫れたので解体をお願い出来ますか? お肉おすそ分けします」
「いいよ。何頭かな?」
「4頭です」
動植物学部の先生は、体格の良い茶トラの猫型獣人だった。
6歳児の俺たちよりデカいのは勿論だけど、学園長よりも大きい。
「じゃあ、解体するから君たちも見て、やり方を覚えるといいよ」
「「「はい」」」
穏やかな口調で茶トラ先生が言う。
珍しく江原も加わり、俺たちは3人でハモった。
「狩りや釣りをするなら、捌く事も出来るようにならないとね」
茶トラ先生の名前は、ロッサ・シマさんというそうだ。
低くて深みのあるイケボ、多分男性かな?
猫人の性別は、イマイチ見分けがつかないけど。
「命を殺めるなら、調理して食べるところまで責任を持つんだよ」
「「「はい」」」
ロッサ先生の言葉に、頷く俺たち。
このイノシシたちは、食べるために狩ったもの。
遊びで魔法をぶっぱなしたわけじゃない。
先生の解体技術は、一流の板前みたいに動作1つ1つが滑らかで、無駄が無くて速かった。
調理師免許を持つ俺よりも、見事な捌き方だ。
といっても俺、イノシシを捌いたことはないけど。
手伝いに入った学生たちも手際がいい。
血抜きから解体までの流れをしっかり見学して、俺たちはそのやり方を記憶した。
「終わったよ」
「「「ありがとうございました!」」」
また3人でハモった後、解体が終わったイノシシ肉をロッサ先生たちにお裾分けした。
残りは異空間倉庫に収納して、俺たちは魔法学部の校舎前へ向かった。
「お、戻って来たな」
「焼き野菜も貰ってきたよ~」
校舎前の広場では、魔法学部のメンバーがバーベQの準備をして待っていた。
料理学部管理の畑から野菜を貰って来た人もいる。
大きいのも含めてイノシシ4頭分の肉は、かなりの量になった。
「タレは色々作ってきたよ」
「ニンニクやショウガもあるからね」
妹ちゃんと料理学部の生徒たちも来ている。
校庭で大人数の焼肉パーティが始まった。
日本のイノシシよりも、この国のイノシシの方が、獣臭さが無くて味が良かった。
ショウガやニンニクを揉み込んで、炭火で炙り焼きして、料理学部の人たちが作ってきたタレに浸していただく。
骨を煮込んで出汁をとったスープも作られた。
豚骨スープよりもコクがある味で、そこにも肉と野菜が入れてあって、栄養と旨味たっぷりで美味しい。
匂いに釣られて来た他の学部の生徒たちにも配られて、みんな大満足だった。
「よし、お前ら、明日も狩りに行っていいぞ」
俺たちの成果を高く評価した松本先生から、次回の許可が下りた。
……というか多分、俺に教室を爆破されたくないんだろう。
狩りで魔法を使う方が成長するみたいだから、俺も教室爆破しているよりもいい。
「夏の森で楽勝なら、秋の森でオークを狩るといいぞ」
「オークってどんなやつですか?」
「二足歩行の豚みたいなやつだな。肉も豚肉みたいな味がするぞ」
「それはもうポークですね!」
松本先生から次の狩りにオススメの場所と獲物を教えてもらった。
俺の中で、その獲物の名前はポークになった。
イノシシパーティが終わった後、イオはまた何処かへ出かけていった。
多分、禁書閲覧室へ行ったんだろう。
30分くらいで戻ってきたと思ったら、何かいいことがあったのかワクワクしている感じがした。
「おかえりイオ、なにか良い事あった?」
「うん」
「なになに?」
「今は内緒。明日の狩りに役立つよ」
聞いてもこの時は教えてくれなかった。
狩りに役立つ知識か裏技でも手に入れたんだろうか?
◇◆◇◆◇
その夜もイオは爆睡だった。
昼にイノシシ料理を腹いっぱい食べて、夕食もしっかり食べて、シャワーを浴びてスッキリして、ベッドに横になるとすぐ寝付いてしまう。
日本に居た頃は、俺もイオも胃腸が弱くて少食だったのに、ナーゴに転移して身体が変化してから、かなり健康になったと思う。
特にイオは【完全回避】の恩恵だとかで、怪我も病気もしない超健康優良児だ。
俺も食欲はあるし身体は健康なんだけど、夜はすぐには眠れない。
「なんで俺は、毎晩お前の生存確認してるんだろうな?」
熟睡中のイオの胸に耳を当てて鼓動を確認した後、身体を起こした俺は苦笑しつつ呟く。
どういうわけか、イオが目を閉じて横たわっていると、心臓が動いているか、呼吸してるか、確認せずにはいられない。
イオが生きていることを確認しないと、不安で眠れなかった。
確認を終えると抱き締めて、温もりを感じたら安心して眠る。
それはまるで、何かのトラウマのようだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
