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本作の元になった夢の話
真冬の夜の夢⑦
しおりを挟む修行……と言っていいのかよく分からん事もあったけど、あちこち巡り終え、最強武器……と言っていいのかよく分からん物を貰った。
そんなこんなで寮へ戻った俺とモチを、出迎えてくれたのは寮母のリユさんだった。
「お帰りなさい。はいこれ、二人の防具を作って待ってたのよ」
と言って彼女が差し出したのは、二枚のセーター。
これ、防具なの?
なんか特殊効果でもあるのか?
「え? これ、普通の服に見えるけど……?」
「見た目はただのセーターだけど、実は違うの」
ニコニコしながらリユさんが言う。
って事は何か特殊効果があるんだね。
「モチが以前教えてくれたアレを、毛糸の代わりに使ってるから300メガ倍増よ」
「何が倍増するんですか?」
「……え……マジでアレ使ったのか……」
リユさんの説明はやっぱり俺にはよく分からない。
そんな俺の隣で、何故かモチが青ざめてきたぞ。
「アレ」って何?
「300メガ」って何が倍増するの?
「これがあれば安心ね。がんばってね~」
「え~と、これどういう効果があるの?」
笑顔のリユさんに、俺はまた聞いてみた。
モチが何か知ってそうだけど、フリーズしちゃってそれどころじゃないようだ。
「うふふ……ヒ・ミ・ツ♥」
くすっと笑うとリユさんは、結局どんな効果があるか教えてくれない。
彼女は俺たちにセーターを手渡し、自分の部屋へ帰っていった。
効果を知らなかったらあんまり役に立たなそうだけど?
困惑する俺の隣で、モチが1人ガクブルしているぞ。
「……冗談だったのに……」
「へ?」
青ざめたまま呟くモチ。
一体何に怯えているんだ?
「…なぁモチ、【アレ】って何?」
俺はモチに聞いてみた。
モチが我に返ったように、こちらを向いた。
「……そのセーター、首には絶対近付けるなよ」
モチは青ざめたまま、普段より低い声で言う。
また疑問が増えてしまった。
「えっ、首に近付けなきゃ、着れないだろ?」
「…腰にでも巻いとけ」
やっぱり訳が分らない。
モチがセーターを腰に巻いたのを真似て、俺も巻いておいた。
……で。
この次は何処?
「あらあらごめんなさい、言うのを忘れてたわ」
俺たちが途方に暮れていたら、リユさんが戻ってきた。
「次は男子寮の1階よ。近いから歩いて行ってね」
行き先を伝えると、リユさんはまた自分の部屋へ帰っていった。
どうやら、今回は風魔法で飛ばされ移動ではないらしい。
俺とモチは発泡スチロールの剣を手に、謎の毛糸っぽいもので編まれたセーターを腰に、石の壁と床、等間隔でランプのような照明がついている廊下を歩いて、男子寮の1階に向かった。
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