【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

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前世編

第104話:創造神の言葉

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 ソナが目覚めた後、エカたちは世界樹の根元に来ていた。
 ルルはケモミミ姿のまま捕獲玉に封じられ、アズのベルトポーチに収められている。

 報告には現在存命中の全ての世界樹の民が集まっている。
 中にはロコのように里を離れて何百年も経つ者もいた。
 里に入る事が出来るアサケ王国の国王や、アサケ学園の学園長も来ている。

 世界樹の民は【魔王と戦う為】に創られたもの、当代勇者のエカとアズはアサギリ島へ向かった時点で魔王を倒す事が義務付けられていた。
 でもアズが魔王ルルを殺す事を拒み、エカは魔王専用の爆裂魔法を使っていない。
 これまでの歴史では無かった事態に、世界樹の民たちはかなり動揺した。

『お前たちは消されるかもしれない……』

 ジャスさんは息子たちに悲痛な思いで予告した。
 念話で伝えたのは、一緒にいるソナに聞こえないように配慮したのかもしれない。

 エカの爆裂魔法と、アズの完全回避は、どちらも世界に1人だけが与えられるもの。
 つまりエカが生きている限り、魔王を斃せる者は生まれてこない。
 その魔王はアズが護っている間は爆裂魔法でも殺す事は不可能だ。
 エカは誰かが殺したとしても復活するし、アズには毒も魔法も物理攻撃も一切効かない。
 2人の命を奪えるのは、創造神かみさまだけだ。

 世界樹の根元に集まった一同は、跪いて創造神の言葉を待った。
 根元に一番近いところには、この事態を起こした張本人のアズが同じく跪いている。

『まず、魔王の心臓を6つまで破壊出来た事は褒めておこう』

 その場に居る全員の心に、念話が流れ込んでくる。
 創造神かみさまにいきなり怒られるかも、と緊張していたエカは少しホッとしていた。

『魔王の心臓は持ち主の意志によって古代の兵器と同等の殺戮を行なうもの。爆裂魔法で消し去れば次代の魔王の転生まで出現はしない』

 魔王の蘇生用だと思っていた心臓は、それ以外に危険な力も秘めていたらしい。
 正確には6つ目ではなく魔王本体の心臓なんだけど、そこは大した違いは無いのかな?
 ルルは自分が持つ心臓を破壊された後、少年の中にあった6つ目の心臓を回収して自己蘇生している。

『魔王も黒い血を失った今は大した事は出来ぬであろう』

 アズのベルトポーチが見えない力で開けられ、ルルが入った捕獲玉がふわりと空中に浮かぶ。
 捕獲玉は空中を漂い、世界樹の中に入っていった。

『ルルを殺さないで下さい……』

 アズが念話で懇願する。
 身体は動かせないみたいだ。
 捕獲玉を抜き取る時に抵抗しないように麻痺させられたらしい。
 アズの身体が麻痺なんて受けるのは初めてだろうね。

『これは仲間ではないが、護りたいと思うのか?』
『ルルは俺の子です』
『妻も恋人もおらぬ男に子は成せぬよ』
『養子です』

 ……創造神かみさまとアズの会話が、おかしな方向になってるような……?

『この者はそのようには思っておらぬぞ?』
『……え?』
『其方を慕ってはおるが、親とは思っておらぬ』
『……そうですか……。でも、俺にとっては大切な子です』

 神様の言葉に含まれる意味を、ボクは察したけどアズは分からないみたいだ。
 アズの真後ろで跪いているエカとソナは、何となく察してるみたいだけどね。

『まあよい。この者からは魔王の力が失われておるゆえ、生かしておいても害は無かろう』

 創造神かみさまの言葉と共に、捕獲玉がまた空中を漂ってアズのベルトポーチに戻される。
 直後に麻痺を解かれたアズが、深々と頭を下げた。

『悪さをせぬように、其方が常に傍にいて見張りなさい』
『わかりました』
『では、当代の勇者たちは使命を果たしたものとしよう。以後は自らが願う未来を生きなさい』
『『ありがとうございます!』』

 双子の勇者の念話が重なる。
 後方で緊張しながら成り行きを見守っていた人々も、ホッとした様子だった。

 エカとアズが消されるなんて事にならなくて良かった。
 ボクもベノワも主人マスターを失わずに済んでホッとしたよ。
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