最強超人は異世界にてスマホを使う

萩場ぬし

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迫りくる彼女たち

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 これってお、おぱっ……⁉
 金髪の彼女とは違うもう一人の胸の大きな少女が浮きながら目の前まで近寄ってきていた。
 セミロングほどの銀色の髪をツインテールにした青肌の少女。腰からは黒い羽根と先端がハート型になった尻尾が生えていてこっちも人間っぽくない。というか浮いてるのがまた魔法っぽい。
 ただそれよりも彼女の柔らかそうな大きな胸に目が引き寄せられる。見た目は僕と同じ年代っぽいけど、そこだけはアンバランスなほど大人の女の人顔負けだった。
 すると僕が彼女の胸に釘付けになっていたのに気付いたらしい金髪の少女が頬を膨らませて僕を睨らみながら離れた。

「大人のカズはあんまり気にしてなかったけど、今のあなたってレトナのこういう大きいのが好きなの?」

「ちょっ、ルルア⁉」

 ルルアと呼ばれた金髪の少女がそう言ってレトナと呼ばれた銀髪の少女の大きな胸を形が変わってしまうほど思いっ切り掴んで持ち上げる。
 胸を揉まれ続けたレトナは喘ぎ声を漏らし、それがエロ過ぎて直視できなかった。
 しかしそれがよくなかったのか、ルルアがニヤリと笑ってレトナと一緒に近付いてくる。

「好きじゃないの?レトナのおっぱい。凄いもにゅもにゅって柔らかくてルルアでも本当に同じ女の子なのかなって思っちゃうくらいなのに?」

「別に好きとか……!」

「いいんだよ、変な意地を張らなくても。お兄ちゃんなら触り放題なんだから♪」

 さっきまでの嫉妬じみた不機嫌が嘘みたいに上機嫌にそう言ってくる。触り放題……⁉

「いや、ダメじゃない⁉ 俺、というより大人だった時の俺、ヴェルネお姉ちゃんと付き合ってたんだろ……?そんなん浮気になる……」

「アレ、ヴェルネお姉様から聞いてないの?」

「聞く?何を……」

 ルルアちゃんが言ったヴェルネお姉ちゃんからは今の話の流れに関係する話なんて彼女と恋人だってこと以外聞いていないはず。だから何のことか想像できなかった。

「カズお兄ちゃん……つまりあなたの恋人はヴェルネお姉様だけじゃなくて、このルルアちゃんとおっきなおっぱいのレトナちゃんが恋人なのです!やったね、パフパフー!」

 ハイテンションにそう言ってレトナちゃんの胸を拍手をするみたいに左右に揺らす。目のやり場に困るからやめて……って、ちょっと待って?

「恋人がヴェルネお姉ちゃんだけじゃなくて君たちも……?それって……」

「浮気じゃなくてハーレム、ってやつだよ♪もしくは酒池肉林?一夫多妻?そんなところ♪」

 先に「ろくでなし」という言葉を思い浮かべたけれど、ルルアちゃんがそれを否定することを言う。

 待ってよ、また頭が混乱してきたんだけど……ヴェルネお姉ちゃんならまだしも、他にも彼女がいる?しかもこんな小さな女の子が……?
 今の僕で同じくらいなのに……将来の僕ってもしかしてロリコンってやつになっちゃったの?

「っていうかそろそろ揉むのやめてくれっ!」

 僕が自分の将来のおかしな関係に疑問を感じてる間もルルアちゃんが自分の胸を揉みまくってるのに嫌気を刺したレトナちゃんが逃げ出す。そしてそのまま僕の方へ走って来て体当たりされる。
 身長は僕の方が高いけれど、地面から少し浮いて飛んでいたため彼女の胸に顔が思いっ切り埋められてしまった。

「え~、気持ちよくなかった?」

「いや、妙な気持になるから嫌なんだよ!なんでルルアはそうスケベなんだ……」

「う~ん……でもスケベって言うなら今のレトナの方じゃない?」

「……なんで?俺の体がスケベとか言うなよ?」

「だってソレ」

「ん?」

 ルルアちゃんが指摘してレトナちゃんがようやく僕の顔を胸に埋めて抱き締めていたことに気付く。

「わぁっ、ごめん!」

 レトナちゃんが慌てて離れ、完全に埋もれて呼吸ができずに結構苦しかった状態からようやく解放された。でもなんだろう、頭がフラフラする気がする……

「うん、大丈夫……」

「……あれ?」

 するとルルアちゃんが僕の顔を見て意外そうな顔をする。

「お兄ちゃん……もしかしてレトナの『魅了(チャーム)』に当てられちゃってる?」

「え……あっ」

 彼女の言葉にレトナちゃんも僕の顔を覗き込んで声を零す。なんだか顔も体も熱いけど、この子が何かしたってこと?

「……どうしよう?」

「ふむ、それくらいの状態なら私がどうにかできるぞ」

 そう言って会話に入ってきたのは彼女たち二人よりも一回り小さな少女だった。
 長い黒髪と黒目の肌に獣のような黄色く鋭い目。あれ、でもこの声なんだか男っぽいような……
 すると彼女?はニッと笑って僕の目の前に来て――

「カッッッ‼」

 喝を入れてきた。
 少女の喝はお父さんたちみたいな迫力を感じた。いつもは家族が「敵」に向ける威圧。
 自分に向けられたわけじゃなくても少しだけ恐怖を感じるソレが僕に向けられたのだ。だけどその時は恐怖を感じるよりも頭の中にあった霧みたいなものが晴れた感覚に驚いた。

「……あれ?頭がスッキリした」

「『魅了』のかかり方が中途半端だったからできたことだ。もし完全に魅了されていれば誰も手を出せなくなってしまうからな。今のカズが元より弱くなったとはいえ、抵抗できるほどの精神力が残ってて助かったな!」

 黒髪の少女がそう言って豪快に笑いながら僕の頭を撫でてくる。
 ……やっぱりこの子も近くで見たら結構可愛いんだよな……もしかしてこの子も、なんて言わないよね?

「ねぇ、君は……」

「ああ、名乗ってなかったな。私はヤトだ」

「ヤトちゃん……もしかして君も大人の僕と恋人、なんて言わないよね?」

「ん?そんなに私は『女に見える』のか?」

 ヤトちゃんの言葉がすぐには理解できず、しばらく固まった。

「そりゃ、ルルアだって初めて見た時だってヤトのこと女の子だと勘違いしたもん」

「男の服着ててもそんだけ可愛けりゃなぁ……」

 ルルアちゃんは呆れた様子、レトナちゃんは苦笑いでそれぞれ答える。
 彼女たちの感想を聞いてヤトちゃん……ヤトは納得してたように「そうかそうか」と何度か頷き、突然自らのズボンを下ろした。

「ほれ、これで男だって証明でき――」

 あまりに突拍子もない行動に『ソレ』を直視してしまい、同じく見てしまったレトナちゃんが顔真っ赤に、ルルアちゃんが目にも止まらない速さで彼の頭に拳を一撃打ち込んだ。
 ……昔お風呂に一緒に入ったお父さんよりも大きかった。
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