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第二章 側妃問題はそっちのけでイチャつきたい!
32.二人旅
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それぞれ荷造りを終え、ディオと二人ワイバーンへと騎乗する。
「仕事は大丈夫か?」
気になっていた事を尋ねると、重要なものだけ終わらせて、後は指示出しもしたから取り敢えず大丈夫だと返ってきた。
手際の良さが俺とは段違いだ。
惚れ直してしまいそうになる。
「やっぱりディオはすごいな」
「ただの慣れだと思うけど?ルーセウスにもコツを教えようか?」
ああ、俺の嫁が出来過ぎる。
好きだ。
「折角ゴッドハルトに行くし、できることがあれば協力はするから」
「ありがとう。俺もお礼に騎士達をキッチリ鍛えるからな」
お互いの得意分野で持ちつ持たれつ上手くやっていけたらと思う。
「じゃあディオは前に…」
「後ろじゃダメかな?」
何故?!
(抱き締めながら飛びたいのに!)
「どうして後ろなんだ?」
「ディアがルーセウスに後ろからしがみついてたって言ってたから」
「なるほど。でも前の方が俺に凭れかけられるから楽だと思うぞ?病み上がりだし、そっちの方がお勧めだ」
「う~ん…でも普段できないから、ルーセウスの広い背中に抱きついてみたいなって思って…」
(ディオぉおおっ!)
こんな可愛い事を言われたら聞いてやりたくなる。
俺を悶えさせたいのか?そうなのか?そうなんだな?!
「よし!両方やろう。取り敢えず最初はディオが後ろで、疲れてきたら前だ」
そう提案すると嬉しそうに笑み崩れた。
「嬉しい」
嬉しいのはどう考えても俺の方だ!
俺のディオはどうしてこんなに可愛いんだろう?
このまま連れ去って毎日ずっと一緒にいたい。
離れた国同士じゃなく隣国同士なら良かったのに。
「じゃあ出発」
さりげなくロキ陛下が見送りの者達は俺達の関係を知る口の堅い者達で固めてくれてるらしいけど、いつまでもイチャついてるわけにはいかない。
いい加減出発しないと。
「ディオ王子。お気をつけて」
「ありがとうリヒター。ロキ父様にお礼を言っておいて」
そんなやり取りを聞き、ふとその騎士へと目を向ける。
彼は多分変態騎士ではない。
年はロキ陛下より少し上くらいだろうか?
なんだかとても誠実そうな印象を受けた。
(こんな騎士もちゃんといるんだな)
そう言えばヴィオレッタ王女の初恋はリヒターという騎士だったのではなかったかと思い出した。
飛び立ちながらディオへと尋ねると、あっさりそうだと教えてはくれたけど────。
「リヒターは変態騎士とは違うけど、ロキ父様の閨の相手だから、ちょっと変わってるのは変わってるよ?」
「え?!」
「すごく真面目だし、ロキ父様に忠実で、それこそ無償の愛を捧げ続けてるイメージしかないな。結婚相手もロキ父様付きの暗部だし、二人揃ってロキ父様の信頼は厚いんだ。引退後のフォルティエンヌ行きにも同行するのは決定事項で、家族みたいなものかも。ちなみにアンヌ母様の義兄でもあるから、俺の伯父に当たる人」
なんだかすごく複雑な関係なことだけはよくわかった。
でも俺達の仲に特に影響がないなら気にしない。
ザックリ把握しておけばなんとかなるなる。
「……引いた?」
「いや?個性的な家族でいっぱいだって話だな!」
「ふふっ。ルーセウスのそういうザックリしたところには助けられるな」
『すごく気が楽だ』とディオは俺にピタリとくっついたまま溜め息をついて、ギュッと抱きついてくる。
色々複雑なんだろうけど、そこは俺が介入して解決できるような話でもないし、それならそれでありのままを受け止めて、『俺は気にしないぞ』と態度で示してやった方がいいだろう。
「ルーセウス…後悔してないか?」
ふと、不安げな声が背中に響く。
「俺はディオがディオだから惚れたんだ。今更手放す気はない」
「…うん」
俺の両親への挨拶を前に、不安になったんだろうか?
離れていく心配は全くしていないが、なんだか考え込んでそうだし、ここは元気づけてやりたい。
「ディオ。ディオが家族の話をしてくれたから、俺も家族の話をしようか」
それから、子供の頃セレナと悪戯してはゲンコツを落とされた話。初めて剣を持ったのは武器庫に忍び込んだ時で、思ったより重かった剣でうっかり怪我をしそうになって母に泣きながらこっ酷く叱られた話。ブルーグレイのルカが初めてやって来た時、セレナと一緒に嬉々として挑んだ話なんかをしてみた。
そんなアレコレはディオには新鮮だったらしく、楽しそうに笑ってくれた。
(良かった…)
これなら大丈夫そうだ。
「ディオは?どんな子供時代だった?」
「俺?俺も可愛がってもらってきたかな」
話を聞くと、とても賑やかに身内や王宮の者達だけでなく、裏稼業の者達含めて愛情たっぷりに可愛がられて育ったらしい。
遊びは何故か暗部の技だったりしたらしいけど、勉強も楽しく教われたし、武器の扱いや金銭の稼ぎ方なんかも丁寧に教わったんだとか。
ちなみに悪いことをやらかした際のお仕置きはルーレット上に書かれたものに自分でダーツを投げるというものだったらしく、その時だけは遊びではなく真剣に狙って投げたんだとか。
内容?
ミラルカの王宮に単身でバレないように潜入して挨拶して帰って来いとか、暗部研修所で特訓とかそういう類のものはまだマシな方で、無一文でサバイバルをしながら指名手配中の輩を自力で見つけ出して捕縛するとか、セドリック王子に一太刀入れて殺されないように帰ってくることとか無茶なものもあったとか。
そりゃあ少しでもマシなものを狙いたくもなる。
特にセドリック王子に一太刀ってなんだ?!
それ、実行したら暗殺未遂にならないか?
連絡をあらかじめ入れておくにしても命知らずな内容に変わりはないし、背筋が寒くなるんだが?
あの人はガチで怖い人だぞ?
せめて挑むならアルフレッドにした方がいいと思う。
「サバイバルはディアと二人で乗り切ったけど、15歳を過ぎたら性教育も終わってるし、お仕置き内容が酷くなるかもねってロキ父様が意味深に笑うから、それ以降は地雷は踏まないスタンスで品行方正を心掛けたよ。無事に怖そうなお仕置きを免れて正直ホッとしてる」
聞けば聞くほど怖いな。
と言うか、サバイバルはやったのか。
ちょっと聞いたら例のヴィオレッタ王女とシャイナー陛下に痺れ薬入りクッキーを渡した件で、お仕置きルーレットをやらされたらしく、運悪くダーツがそれに当たってしまったんだとか。
それを聞いたシャイナー陛下が慌ててロキ陛下にそこまでしなくていいと言いにきてくれた(※元々ヴィオレッタ王女が騎士のリヒターに一目惚れしたのを受けて、シャイナー陛下が暗殺者をリヒターに差し向けようとしてたのを聞いてしまったヴィオレッタ王女がディオ達と共謀して『お父様を懲らしめましょう!』と痺れ薬入りクッキーを用意したのが発端だったから後ろめたかった様子)らしいけど、お仕置きだからとロキ陛下は一蹴。
仕方がないからシャイナー陛下は苦肉の策で『通りすがりの親切な王族』としてちょっとだけ手助けしてくれたらしい。
シャイナー陛下は何をやっているんだか。
ロキ陛下も厳しいな?
いや。結果的に悪さをしない子供になったからいいのか?
ロキ陛下の教育方針が一般常識からかけ離れ過ぎてて、ちょっとついていけない。
「まあシャイナー陛下に貸しを作ったことになるし、後で何か言われても怖いからそこはちゃんと手は打ったけど、ああいうのはもう懲り懲りだな」
そこはきっちり押さえてるんだなと感心してしまう。
英才教育の賜物なのだろうか?
俺にはできそうにない。
「うちは変わった人達が多い国ではあるけど、本当は温かい人ばかりで、だからこそ俺がしっかり国を引き継ぎたいと思うんだ」
本心からのディオの言葉。
これじゃあ安易にこっちに住めとも言えないな。
でもすごくディオらしいと思えたし、その気持ちを大事にしてやりたいとも思った。
「はぁ…やっぱりディオらしいディオがすごく好きだ」
「え?」
「責任感があって、いつだって国民のことを想ってるだろう?国の為に勉強もしてアレコレ考えて情報収集もしっかりした上で差配して、しかも自分の目でも国をちゃんと見てる。周辺国への対処もしっかりやってるし、王太子なのにもうしっかり目線は国王そのものじゃないか。本当に尊敬する」
「ルーセウス…」
「でも、今回の騎士達の件とかそういった力になれるところだってあると思うから、俺には弱音を吐いてくれたら嬉しい」
そう口にしたら返事の代わりに思い切りギュッと抱き着かれた。
そこからの二人きりの旅路は凄く楽しくて、途中の街での休憩もデート気分で買い物してしまったりしてしまう。
「ディオ。ちょっと風が強くなってきたから首回りを覆うスカーフを買おう。どれがいい?」
「ん~…そうだな。これ、かな?」
「いいな。ディオの色だ」
ヘーゼルの瞳色のスカーフを選んでもらえて嬉しくて、俺も自分の色をディオへと選ぶ。
「じゃあディオはこっちの青紫で」
「もしかしてルーセウスの色?」
「そう」
「そっか。でもそれならこっちが良いな」
「橙色?」
何故?
そう思ったら『ルーセウスは俺にとって太陽みたいだから』とか笑顔で言われた。
「うぐっ…可愛い」
「大体ルーセウスの瞳の色はこれよりもっと綺麗だから。どうせならここぞという時にこそ身に纏いたいな。…戴冠式とか」
うん。ディオが俺を大好きな気持ちが凄く伝わってきたし、ここは一旦引こう。
そうじゃないと無自覚な褒め言葉に殺される。
「ディオ。この後の移動は後ろじゃなくて前に来てくれ。大好き過ぎてずっと抱きしめていたいから」
「……ルーセウス、不意打ちはやめてくれ。心臓に悪い」
(それはこっちのセリフだ!)
何故照れられたのかが全く分からないけど、俺の気持ちがちゃんと伝わったのなら嬉しい。
「仕事は大丈夫か?」
気になっていた事を尋ねると、重要なものだけ終わらせて、後は指示出しもしたから取り敢えず大丈夫だと返ってきた。
手際の良さが俺とは段違いだ。
惚れ直してしまいそうになる。
「やっぱりディオはすごいな」
「ただの慣れだと思うけど?ルーセウスにもコツを教えようか?」
ああ、俺の嫁が出来過ぎる。
好きだ。
「折角ゴッドハルトに行くし、できることがあれば協力はするから」
「ありがとう。俺もお礼に騎士達をキッチリ鍛えるからな」
お互いの得意分野で持ちつ持たれつ上手くやっていけたらと思う。
「じゃあディオは前に…」
「後ろじゃダメかな?」
何故?!
(抱き締めながら飛びたいのに!)
「どうして後ろなんだ?」
「ディアがルーセウスに後ろからしがみついてたって言ってたから」
「なるほど。でも前の方が俺に凭れかけられるから楽だと思うぞ?病み上がりだし、そっちの方がお勧めだ」
「う~ん…でも普段できないから、ルーセウスの広い背中に抱きついてみたいなって思って…」
(ディオぉおおっ!)
こんな可愛い事を言われたら聞いてやりたくなる。
俺を悶えさせたいのか?そうなのか?そうなんだな?!
「よし!両方やろう。取り敢えず最初はディオが後ろで、疲れてきたら前だ」
そう提案すると嬉しそうに笑み崩れた。
「嬉しい」
嬉しいのはどう考えても俺の方だ!
俺のディオはどうしてこんなに可愛いんだろう?
このまま連れ去って毎日ずっと一緒にいたい。
離れた国同士じゃなく隣国同士なら良かったのに。
「じゃあ出発」
さりげなくロキ陛下が見送りの者達は俺達の関係を知る口の堅い者達で固めてくれてるらしいけど、いつまでもイチャついてるわけにはいかない。
いい加減出発しないと。
「ディオ王子。お気をつけて」
「ありがとうリヒター。ロキ父様にお礼を言っておいて」
そんなやり取りを聞き、ふとその騎士へと目を向ける。
彼は多分変態騎士ではない。
年はロキ陛下より少し上くらいだろうか?
なんだかとても誠実そうな印象を受けた。
(こんな騎士もちゃんといるんだな)
そう言えばヴィオレッタ王女の初恋はリヒターという騎士だったのではなかったかと思い出した。
飛び立ちながらディオへと尋ねると、あっさりそうだと教えてはくれたけど────。
「リヒターは変態騎士とは違うけど、ロキ父様の閨の相手だから、ちょっと変わってるのは変わってるよ?」
「え?!」
「すごく真面目だし、ロキ父様に忠実で、それこそ無償の愛を捧げ続けてるイメージしかないな。結婚相手もロキ父様付きの暗部だし、二人揃ってロキ父様の信頼は厚いんだ。引退後のフォルティエンヌ行きにも同行するのは決定事項で、家族みたいなものかも。ちなみにアンヌ母様の義兄でもあるから、俺の伯父に当たる人」
なんだかすごく複雑な関係なことだけはよくわかった。
でも俺達の仲に特に影響がないなら気にしない。
ザックリ把握しておけばなんとかなるなる。
「……引いた?」
「いや?個性的な家族でいっぱいだって話だな!」
「ふふっ。ルーセウスのそういうザックリしたところには助けられるな」
『すごく気が楽だ』とディオは俺にピタリとくっついたまま溜め息をついて、ギュッと抱きついてくる。
色々複雑なんだろうけど、そこは俺が介入して解決できるような話でもないし、それならそれでありのままを受け止めて、『俺は気にしないぞ』と態度で示してやった方がいいだろう。
「ルーセウス…後悔してないか?」
ふと、不安げな声が背中に響く。
「俺はディオがディオだから惚れたんだ。今更手放す気はない」
「…うん」
俺の両親への挨拶を前に、不安になったんだろうか?
離れていく心配は全くしていないが、なんだか考え込んでそうだし、ここは元気づけてやりたい。
「ディオ。ディオが家族の話をしてくれたから、俺も家族の話をしようか」
それから、子供の頃セレナと悪戯してはゲンコツを落とされた話。初めて剣を持ったのは武器庫に忍び込んだ時で、思ったより重かった剣でうっかり怪我をしそうになって母に泣きながらこっ酷く叱られた話。ブルーグレイのルカが初めてやって来た時、セレナと一緒に嬉々として挑んだ話なんかをしてみた。
そんなアレコレはディオには新鮮だったらしく、楽しそうに笑ってくれた。
(良かった…)
これなら大丈夫そうだ。
「ディオは?どんな子供時代だった?」
「俺?俺も可愛がってもらってきたかな」
話を聞くと、とても賑やかに身内や王宮の者達だけでなく、裏稼業の者達含めて愛情たっぷりに可愛がられて育ったらしい。
遊びは何故か暗部の技だったりしたらしいけど、勉強も楽しく教われたし、武器の扱いや金銭の稼ぎ方なんかも丁寧に教わったんだとか。
ちなみに悪いことをやらかした際のお仕置きはルーレット上に書かれたものに自分でダーツを投げるというものだったらしく、その時だけは遊びではなく真剣に狙って投げたんだとか。
内容?
ミラルカの王宮に単身でバレないように潜入して挨拶して帰って来いとか、暗部研修所で特訓とかそういう類のものはまだマシな方で、無一文でサバイバルをしながら指名手配中の輩を自力で見つけ出して捕縛するとか、セドリック王子に一太刀入れて殺されないように帰ってくることとか無茶なものもあったとか。
そりゃあ少しでもマシなものを狙いたくもなる。
特にセドリック王子に一太刀ってなんだ?!
それ、実行したら暗殺未遂にならないか?
連絡をあらかじめ入れておくにしても命知らずな内容に変わりはないし、背筋が寒くなるんだが?
あの人はガチで怖い人だぞ?
せめて挑むならアルフレッドにした方がいいと思う。
「サバイバルはディアと二人で乗り切ったけど、15歳を過ぎたら性教育も終わってるし、お仕置き内容が酷くなるかもねってロキ父様が意味深に笑うから、それ以降は地雷は踏まないスタンスで品行方正を心掛けたよ。無事に怖そうなお仕置きを免れて正直ホッとしてる」
聞けば聞くほど怖いな。
と言うか、サバイバルはやったのか。
ちょっと聞いたら例のヴィオレッタ王女とシャイナー陛下に痺れ薬入りクッキーを渡した件で、お仕置きルーレットをやらされたらしく、運悪くダーツがそれに当たってしまったんだとか。
それを聞いたシャイナー陛下が慌ててロキ陛下にそこまでしなくていいと言いにきてくれた(※元々ヴィオレッタ王女が騎士のリヒターに一目惚れしたのを受けて、シャイナー陛下が暗殺者をリヒターに差し向けようとしてたのを聞いてしまったヴィオレッタ王女がディオ達と共謀して『お父様を懲らしめましょう!』と痺れ薬入りクッキーを用意したのが発端だったから後ろめたかった様子)らしいけど、お仕置きだからとロキ陛下は一蹴。
仕方がないからシャイナー陛下は苦肉の策で『通りすがりの親切な王族』としてちょっとだけ手助けしてくれたらしい。
シャイナー陛下は何をやっているんだか。
ロキ陛下も厳しいな?
いや。結果的に悪さをしない子供になったからいいのか?
ロキ陛下の教育方針が一般常識からかけ離れ過ぎてて、ちょっとついていけない。
「まあシャイナー陛下に貸しを作ったことになるし、後で何か言われても怖いからそこはちゃんと手は打ったけど、ああいうのはもう懲り懲りだな」
そこはきっちり押さえてるんだなと感心してしまう。
英才教育の賜物なのだろうか?
俺にはできそうにない。
「うちは変わった人達が多い国ではあるけど、本当は温かい人ばかりで、だからこそ俺がしっかり国を引き継ぎたいと思うんだ」
本心からのディオの言葉。
これじゃあ安易にこっちに住めとも言えないな。
でもすごくディオらしいと思えたし、その気持ちを大事にしてやりたいとも思った。
「はぁ…やっぱりディオらしいディオがすごく好きだ」
「え?」
「責任感があって、いつだって国民のことを想ってるだろう?国の為に勉強もしてアレコレ考えて情報収集もしっかりした上で差配して、しかも自分の目でも国をちゃんと見てる。周辺国への対処もしっかりやってるし、王太子なのにもうしっかり目線は国王そのものじゃないか。本当に尊敬する」
「ルーセウス…」
「でも、今回の騎士達の件とかそういった力になれるところだってあると思うから、俺には弱音を吐いてくれたら嬉しい」
そう口にしたら返事の代わりに思い切りギュッと抱き着かれた。
そこからの二人きりの旅路は凄く楽しくて、途中の街での休憩もデート気分で買い物してしまったりしてしまう。
「ディオ。ちょっと風が強くなってきたから首回りを覆うスカーフを買おう。どれがいい?」
「ん~…そうだな。これ、かな?」
「いいな。ディオの色だ」
ヘーゼルの瞳色のスカーフを選んでもらえて嬉しくて、俺も自分の色をディオへと選ぶ。
「じゃあディオはこっちの青紫で」
「もしかしてルーセウスの色?」
「そう」
「そっか。でもそれならこっちが良いな」
「橙色?」
何故?
そう思ったら『ルーセウスは俺にとって太陽みたいだから』とか笑顔で言われた。
「うぐっ…可愛い」
「大体ルーセウスの瞳の色はこれよりもっと綺麗だから。どうせならここぞという時にこそ身に纏いたいな。…戴冠式とか」
うん。ディオが俺を大好きな気持ちが凄く伝わってきたし、ここは一旦引こう。
そうじゃないと無自覚な褒め言葉に殺される。
「ディオ。この後の移動は後ろじゃなくて前に来てくれ。大好き過ぎてずっと抱きしめていたいから」
「……ルーセウス、不意打ちはやめてくれ。心臓に悪い」
(それはこっちのセリフだ!)
何故照れられたのかが全く分からないけど、俺の気持ちがちゃんと伝わったのなら嬉しい。
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