フィアンセは、婚約破棄されようと必死です

ゆきな

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4:ダニエルの秘密②

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ダニエルとルイーズの視線が、ジュリアの肩越しに熱く絡みつく。
それはどう見ても、ただの友達同士のものとは言えない様子だった。

なにしろ彼女は、ダニエルが結婚を誓った相手なのである。

それはどういうことか。
話は半年ほど前に遡る。

ダニエルは、とある舞踏会でルイーズを一目見るなり、恋に落ちてしまった。
幸いにも彼女の方も同じ気持ちだったらしい。
すぐに気持ちを受け入れてくれ、2人は密かに愛を育んできたのである。

しかし当時、ダニエルの結婚相手を探していた彼の両親は、花嫁候補に厳しい条件をつけていた。
家のための政略結婚なのだから、当然ではあるのだが、利益になる相手でないと意味はない、という考えだったのである。

いかに愛しているかを訴えたところで、格下のルイーズは婚約者として認められるはずもない。
では、どうしたら説得できるのか。
そう考えていた矢先、とうとうジュリアとの結婚が決まってしまったのである。

そこで彼らは、ルイーズのことを話すのは、ひとまず置いておいて、今は先にジュリアとの婚約を破談にすべきだと考えた。
とは言え、すっかり乗り気の彼の両親を見れば、まさかダニエルの一存で断りたいと言っても、聞き入れてはもらえないだろう。

となれば、方法は一つ。
どうにかして、ジュリアの方から断ってもらうことだ。

だったら、一刻も早く断ってもらえるように策を講じなければ。
と、ダニエルとルイーズの間で結論が出た。

ダニエルが何かやらかして、とてもこんな人とは結婚できない、とジュリアに思わせるのも一つの手だ、という話も出た。
しかしそれではダニエルの評判が落ちてしまう。
それは良くない、ということで、次の手を考え始めた。

そして浮かんできたのが、ジュリアがダニエル以外の男性に好意を寄せ、結婚したいとまで思わせる、という案だった。
これはかなり良い、というように2人の間で話がまとまり、すぐに実行に移すことになった。

そこで白羽の矢が立ったのが、ダニエルの友人のケインだったのである。

彼は家柄が良い上に、背が高く、魅力的な容姿をしている為、この役には最適だと思われた。
そのうえ彼は、寄ってくる女性はもちろん受け入れる上に、去っていく女性だって追っていくような性格で。
この作戦にはうってつけの相手だと思われた。

ダニエルがそれとなく作戦を話し、ジュリアを誘惑する役目を頼んだ時も、

「なにそれ、面白そうだな。やるやる」

とすぐさま引き受けてくれたほどだ。

ケインに声をかけられてときめかない女性はいないだろう。
そう思えば、ダニエルはもうすっかり作戦が成功したような気さえしていて。

早くも、ルイーズとの甘い時間が戻ってくるのを想像して、にやけそうになっていたのである。
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