やっかいな幼なじみは御免です!

ゆきな

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ネリーとイーディスは舞踏会場に戻ると、再びシェイマスと合流し、軽食を片手に、つまらない世間話で間を持たせていた。

とは言えネリーは、すっかり上の空。
会話に集中することなど出来ずに、ソワソワしながら、扉を見つめていた。

もちろん、マーティとアリスが戻って来るのを今か今かと待っていたのである。

しかし、待てど暮らせど2人は現れなくて。
やっと彼らが連れ立って入ってきたのに気がついた時には、すっかり心が疲れてしまっていて

「あ……」

と、小さく呟きはしたものの、それ以上なにも言えなくなってしまっていた。

シェイマスも、すぐに2人に気がついたらしい。
彼が手を上げて見せると、2人は早足にこちらに向かってきた。

「皆ここにいたのね」

とアリスは言いながら、一同を眺め回した。
そしてイーディスに目をやったものの、誰なのか思い当たらなかったらしく、首を傾げている。
それを察したマーティが、慌てて言葉をつないだ。

「イーディス様も一緒だったんですね。
こんばんわ、楽しんでいらっしゃいますか?」
「ええ。ねえ、ネリー?」
「そ、そうね……」

思わず声がかすれたネリーを、マーティが不思議そうに見る。
しかしネリーは、彼の視線をまともに受け止めることが出来ずに、慌てて目を逸らした。

マーティは何気なくネリーの隣に立ち、イーディスと話を続けている。
それだけのことなのに、ネリーは隣のマーティを過剰に意識してしまって、息苦しいほどだった。

「シェイマスったら、どこに行っていたの?
探していたのよ」

と、すっとぼけた様子で言ったのは、もちろんアリスである。
それに小さくため息をついてから、シェイマスは答えた。

「探していたのは、こっちの方さ。
アリスこそ、いったいどこへ行っていたんだ?
マーティとダンスをしていた後、全然戻って来なかったじゃないか」
「どこって……ちょっとその辺を散歩していたのよ」

シェイマスの問いに、アリスは小さく舌を出して微笑んだ。

その笑みには、誰もを黙らせる効果があると、自覚しているのだろう。
アリスはしばらく上目づかいのまま一同を見ていたが、突然イーディスが口を開くと、その沈黙を破った。

「最近ずっと思ってたんですけど……こうしてみると、マーティ様とネリーって、すごくお似合いですよね!」
「……え?」

唐突に話の主導権を奪われて、驚いたアリスが、間抜けな声を上げる。
しかしイーディスは、そんなことは気にもとめずに続けた。

「最初に2人が婚約したって聞いた時は、正直に言って、全然釣り合わないって思ってたんです。
でも、2人がどんどん仲良くなっていくのを見ていると……なんだか、すごくしっくりくるような気がしてきて!
婚約すると、こんなに雰囲気変わるんですね」

わざとらしいほど、はしゃいだ声で言ってから、イーディスはアリスに顔を向けた。

「ね?アリス様も、お似合いだと思いませんか?」

イーディスは確かに笑顔を浮かべているはずなのに。
その目は笑っていなかった。
ネリーには、瞳の奥にメラメラ燃えている炎までもが見えるような気がして、思わず息を呑んだ。
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