孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi

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2章 国王陛下とルル

先生VS化物(?)

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今日の勉強会はランバートさんが先生としてやってくる日だ。私はチロとアンリのいつもの3人で教室まで移動する。エチカさんは後から見学に来るそうだ。


時間より早く来てしまった私達は席に座り談笑していた。チロは鞄からお絵描きセットを出して描き始める。すると庭の方が騒がしくなり、いろんな先生達が庭へ走っていく。


「何事だろう?」


「ちび達が何かやらかしたんじゃない?」


「チロは~良いこ~ジョンしゃん~悪い子~」絵を描きながら歌うチロ


「何その歌?」笑い出すアンリ


「私は教えてないよ?何か最近こればっかり歌ってる」


庭の方が更に騒がしくなったので私とアンリは様子を見に行く事にした。チロは棒人間をいっぱい描くのに夢中だ。庭に出ると複数の先生が1人の女性と話している。女性は確実に貴族の令嬢だろう、派手な赤いドレスに宝石をじゃらじゃら身に付けそして化粧の濃さよ…まだ若そうなのにお気の毒な感じがする。


「何あれ?化物?」正直過ぎるアンリ


「ねーね怖い」いつの間にか私の足にしがみついているチロ


化物…女性は何か喚き散らしている。


「そこを退きなさい!平民ごときが私の邪魔をするんじゃないわよ!」


「困ります。余り騒ぐと子供達が怖がります!」先生達も引かない


「汚ならしい孤児など知らないわよ!」


その言葉に先生達が殺気立つ。


「知らないのでしたらお引き取りを」


「嫌よ!ここにランバート様がいらっしゃると聞いたのよ!」


「ですから!関係者以外は立ち入り禁止ですと何回も言っているじゃないですか!」


「…どいつもこいつも私に楯突いて!平民ごときが!」


女性が手を叩くと数人のガラの悪い男達が入ってくる。


「こいつらを痛めつけて!」女性が叫ぶ


私達は食い入るように見ている。


「どっちが勝つか賭けようよ!」アンリが言う。


「えーでも勝敗分かってるじゃん」


「ぶー…確かに」


「ちぇんちぇいはチロがたしゅける!」


チロは腰に差してある剣を手に構える。


「チロ…」


私達は自分達の汚い心を反省する。そう言ってる間に先生達が男達をボコボコにする。いつの間にか皆が集まっていて応援している。


「な…何なのよあんた達!私はトイス伯爵家の娘よ!」


「そうですか、で?」


「生意気な!父に言ってこの孤児院なんか潰してやる!」


「そうですね、伯爵に“孤児院”の事を言って頂いて結構ですよ」


「おい、トイス伯爵ってこの孤児院の事を知っているか?」


「もし知らなかったら伯爵家が終わるだけだ」


先生達が恐ろしい事を言っているが、あの女性は分かっていない。


「これは何があったんですか?」


そこにランバート先生が院長と一緒にやって来た。




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