孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

4章 ルルとその仲間達

閑話 全ての終わり

「あの子供は見つかったの！？あの女に似た憎たらしい子供よ！」


夫人は花瓶を割り、怒りを爆発させる。もうどのくらい探しているだろうか、雇った暗殺者は無能で居場所を特定出来ない。だが今日は違った。


「夫人、見つけました」


「見つけたの？ふふ…ふふふ！早く殺しなさい！痛め付けて殺しなさい！あぁ、でもあの女の前で殺すのも良いわね！」


「では始末してよろしいんですね？」


「はぁ？当たり前でしょ！あんたにいくら払ったと思ってるのよ！」


夫人が何かに取り憑かれた様に怒鳴り散らす。愛する夫を奪われて、息子も取られた哀れなヒロインを気取っている。だがこの女がやった事は愛するレオナルドと無理矢理結婚して、子供が生まれると子供を愛せず、自分のストレス発散に利用していた。


傷ついたディークを見ると、何故かスッキリする。その調子で殴っていると、愛するレオナルドに見つかりディークを奪われた。更に最悪な出来事が起こる。あの女の妊娠だ、それからレオナルドはディークを連れてあの女の元へ行ってしまう。この屋敷は私だけしかいない。


悔しい！憎い！何で私だけ！
いつもこの言葉が頭の中を埋め尽くす。その言葉を消す為にお酒を浴びるように飲む。だが全然消えないので私はお父様に泣きついた。お父様はいつものように対処してくれると思った。


「お前は自分の事ばかりだな！ディークを傷つけて平気なのか？…私が悪いんだな…甘やかし過ぎた」


「出ていきなさい！顔も見たくないわ！」


お父様とお母様はこの私を追い出した。愛する娘にこの仕打ちは酷すぎるわ！だから屋敷に火をつけてやった、だが死んだのはメイド１人で肝心のお父様とお母様は助かってしまった。


上手くいかない事が続いていた中で、今絶好のチャンスが到来してきた。


「いくら払ったんだ？」


カーテンの裏から現れたのは、愛するレオナルドだった。レオナルドはゴミでも見るような目で私を見ている。


「レオナルド様！違うのです！」


「全て聞いていた。リタとリクを殺すとな！」


「あの女の名前を呼ばないで！」


「公爵様」


「ご苦労だった。お前も辛かったろう。」


「いえ、自分で頼み込んだんです！公爵様には感謝しています！」


レオナルドと暗殺者は親しげに話している。それを理解できずに茫然と見つめる夫人。


「何…どう言うことなの！何であんたとレオナルド様が親しげに話しているのよ！」


「この者は暗殺者ではない。お前に殺されたメイドの父親だ！言っとくがお前の両親も了承済みだ！」


「メイドなんか知らないわ！」


「あんたが放った火で死んだんだ！まだ１６の…娘を…よくも！」


暗殺者ではなく、殺されたメイドの父親だった。男は涙を流して夫人を睨み付ける。


「お前に弁明の余地はない。証人もいるしこのまま拘束する。あぁ、侯爵はお前を勘当しているから平民として裁かれる。私も離縁手続きが終わった。」


「そんな！私は何もやってない！皆が悪いのよ！」


最後まで認めずに拘束されていった。これで全てが終わる。


「リタ、ディーク、リク！直ぐに迎えに行くからな！」



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「いやでしゅ！」


リクが全力で拒否した。泣いてルルの後ろに隠れてしまう。


さて今後どうなるのか！