107 / 108
6章 それぞれの旅立ちとこれから
特別編 おチビ達の日常
しおりを挟む
ヨシュア(チロ)とリク、そしてエドワードの三人は大の仲良しだ。
今日も仲良く公爵家の中庭でキャッキャと遊んでいた。そんな三人を見守るのはヨシュアの母親であるエチカ公爵夫人、そしてルルとアンリだ。
「いつも兵士ごっこで飽きないのかな、おちび達」
アンリがクッキーを頬張りながら呟いた。
「ふふ、可愛いから良いじゃない!可愛いは正義よ!」
エチカが三人を微笑ましく見守っている。
「まぁいつもの事だから、今日は誰が餌食になるかな」
恐ろしい事を言うルルに、苦笑いするアンリであった。
「きょうはだいじにゃくんれんをしましゅ!」
「「あい!!」」
「大事な訓練っていつものあれでしょ?」
「もう!アンリうるちゃい!」
聞こえたのか、アンリに文句を言うヨシュア。
「はいはい!ごめん、ごめん!」
「はいはいっかい!」
「⋯⋯こやつらルルに似てきたわ」
アンリの言葉に苦笑いするしかないルルだが、案の定始まったのが匍匐(ほふく)前進であった。三人は一生懸命に前へ進もうとするが、やはりなかなか進まない。
「むじゅかちいでしゅね!でもてきにみちゅかったらおわりでしゅ!」
ヨシュアが流れていない汗を必死に拭きながら、二人に忠告する。
「あい!しじゅかにすすみましゅよ!」
リクが音を立てずに進もうとするが、ベタな展開だがズボンがずり下がってきてしまう。だが気にした感じはなく、そのまま進もうとしていた。
「!!。リクへいし!おじゅぼんがぬげてましゅよ!」
後ろにいたエドワードがいち早く気づいたので小声でリクに教えてあげる。それを聞いたアンリは飲んでいた紅茶を吹き出して大笑いする。
「あはは!」
「もう!アンリがうるちゃい!」
大笑いするアンリが気に入らないヨシュアは徐に立ち上がり文句を言いに来た。
「だって⋯リクが大変なことになってるわよ?助けに行かないと敵にズボンを取られちゃうよ?」
アンリに言われて初めて仲間がピンチなのに気づいたヨシュアは、急いでリクの元へ向かった。
「だいじょぶでしゅか!?」
「あい!いそいではきましゅ!」
リクは立ち上がると、脱げたズボンを履いている。その間、ヨシュアとエドワードは何かコソコソと話しているが、チラッとアンリを見ているので多分アンリの事だろう。
「ちょっと!何よ、私に文句でもあるの?」
「てきはアンリでしゅ!!おいかけてちゅかまえましゅ!」
「何でだよ!」
急に標的にされたアンリは立ち上がり逃げようとする。
「アンリはうるちゃいのでちゅかまえましゅ!」
ヨシュアの宣告を受けたアンリ。
「何だそれ!」
三人は小回りが効くので動き回り、逃げるアンリを徐々に追い詰めて行く。
「もう!訓練の成果か分からないけど無駄に体力があるちび共だわ!」
疲れた様子がないおちび達は、楽しそうにアンリを追いかけ回す。
「ちゅかまえたらこちょこちょのけいでしゅ!」
「地味に嫌だわ!ルル!助けてよ!」
アンリはルルに助けを求める。
「はぁ⋯おちび達!整列!!」
ルルが溜息を吐きながらも助け舟を出した。
「「「あい!!!」」」
ルル隊長の掛け声に素直に返事をして集合するおちび兵士達。
「よし!アンリを先に捕まえた者には褒美としてクッキーをやる!」
「「「やったーー!!!」」」
ルル隊長の裏切りに開いた口が塞がらないアンリ。
「褒美にしなくても食べれるでしょ!?」
この後、ジョンさんがやって来るまで追いかけ回されたアンリなのであった。
今日も仲良く公爵家の中庭でキャッキャと遊んでいた。そんな三人を見守るのはヨシュアの母親であるエチカ公爵夫人、そしてルルとアンリだ。
「いつも兵士ごっこで飽きないのかな、おちび達」
アンリがクッキーを頬張りながら呟いた。
「ふふ、可愛いから良いじゃない!可愛いは正義よ!」
エチカが三人を微笑ましく見守っている。
「まぁいつもの事だから、今日は誰が餌食になるかな」
恐ろしい事を言うルルに、苦笑いするアンリであった。
「きょうはだいじにゃくんれんをしましゅ!」
「「あい!!」」
「大事な訓練っていつものあれでしょ?」
「もう!アンリうるちゃい!」
聞こえたのか、アンリに文句を言うヨシュア。
「はいはい!ごめん、ごめん!」
「はいはいっかい!」
「⋯⋯こやつらルルに似てきたわ」
アンリの言葉に苦笑いするしかないルルだが、案の定始まったのが匍匐(ほふく)前進であった。三人は一生懸命に前へ進もうとするが、やはりなかなか進まない。
「むじゅかちいでしゅね!でもてきにみちゅかったらおわりでしゅ!」
ヨシュアが流れていない汗を必死に拭きながら、二人に忠告する。
「あい!しじゅかにすすみましゅよ!」
リクが音を立てずに進もうとするが、ベタな展開だがズボンがずり下がってきてしまう。だが気にした感じはなく、そのまま進もうとしていた。
「!!。リクへいし!おじゅぼんがぬげてましゅよ!」
後ろにいたエドワードがいち早く気づいたので小声でリクに教えてあげる。それを聞いたアンリは飲んでいた紅茶を吹き出して大笑いする。
「あはは!」
「もう!アンリがうるちゃい!」
大笑いするアンリが気に入らないヨシュアは徐に立ち上がり文句を言いに来た。
「だって⋯リクが大変なことになってるわよ?助けに行かないと敵にズボンを取られちゃうよ?」
アンリに言われて初めて仲間がピンチなのに気づいたヨシュアは、急いでリクの元へ向かった。
「だいじょぶでしゅか!?」
「あい!いそいではきましゅ!」
リクは立ち上がると、脱げたズボンを履いている。その間、ヨシュアとエドワードは何かコソコソと話しているが、チラッとアンリを見ているので多分アンリの事だろう。
「ちょっと!何よ、私に文句でもあるの?」
「てきはアンリでしゅ!!おいかけてちゅかまえましゅ!」
「何でだよ!」
急に標的にされたアンリは立ち上がり逃げようとする。
「アンリはうるちゃいのでちゅかまえましゅ!」
ヨシュアの宣告を受けたアンリ。
「何だそれ!」
三人は小回りが効くので動き回り、逃げるアンリを徐々に追い詰めて行く。
「もう!訓練の成果か分からないけど無駄に体力があるちび共だわ!」
疲れた様子がないおちび達は、楽しそうにアンリを追いかけ回す。
「ちゅかまえたらこちょこちょのけいでしゅ!」
「地味に嫌だわ!ルル!助けてよ!」
アンリはルルに助けを求める。
「はぁ⋯おちび達!整列!!」
ルルが溜息を吐きながらも助け舟を出した。
「「「あい!!!」」」
ルル隊長の掛け声に素直に返事をして集合するおちび兵士達。
「よし!アンリを先に捕まえた者には褒美としてクッキーをやる!」
「「「やったーー!!!」」」
ルル隊長の裏切りに開いた口が塞がらないアンリ。
「褒美にしなくても食べれるでしょ!?」
この後、ジョンさんがやって来るまで追いかけ回されたアンリなのであった。
448
あなたにおすすめの小説
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる