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102.イザベスの異変
天空の魔女 リプルとペブル
しおりを挟む102.イザベスの異変
階段を駆け上がると、正面に扉があった。扉の前でみんなが耳をすませたが、どこにも敵の気配はなかった。
おかしい。下の階で感じた憎悪のようなどす黒い気配は益々強くなっているのに、敵の姿が見えないことにリプルは違和感を感じた。
「開けるぞ」
ジールがそう言いながら静かに扉を開いた。
扉は音もなくすーっと向こう側へ開く。
扉の向こう側を目にしたリプルたちは息をのんだ。
部屋の中央には、大きな赤いイスがあり、そこにイザベスががっくりと前のめりに首を垂れて座っている。
「イザベス!」
思わず大きな声を出して駆け寄るマーサ。
しかし、その声にもイザベスは反応しなかった。
「遅かったか」
ロッドが唇をかみしめた時、マーサが叫んだ。
「大丈夫、イザベスは息をしているわ」
マーサがイザベスの髪をそっと直そうとした時、リプルが気づいた。
このニオイ、これイザベスじゃない。
「危ない! 離れてマーサ」
しかし。一歩おそかった。
突然ゆらりと立ち上がったイザベスは、右腕をマーサの首に回して彼女をとらえたのだった。
リプルたちは、武器を手に戦闘態勢を取る。
「イザベス?」
マーサが悲しそうな声をあげて振り返り、イザベスの顔をのぞき込んだ。
イザベスは、操り人形のようなぎこちない動き方で、自分の右腰につけていたムチを持ち、マーサの首にかけようとする。
「やめて! イザベス」
ペブルが叫んだ。
「ウーうるさい。黙れ。武器をおけ。さもないとこいつの命はないぞ」
イザベスは、抑揚のない低い声でそう言った。
「私たちはあなたを助けに来たの。お願い、一緒にかえりましょう」
マーサが震える声でそう言ったが、イザベスは高笑いをした。
「助けにだと? 笑わせるな。こいつも生け贄だ」
それを聞いたジールが
「わかった。俺たちが武器を置けばいいんだな」
そう言いながらみんなに目配せをした。
そして、自ら剣を地面の上に置いた。
続いてロッドも斧を地面の上に置く。
リプルも弓と矢を手放した。
ペブルも巨大ハンマーを地面に置いた。
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