天空の魔女 リプルとペブル

やすいやくし

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109.王都へ到着

天空の魔女 リプルとペブル

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109.王都へ到着

 道に沿って山を下り、動物たちを見つけたタイミングで、日が暮れたため、その日は野宿をしたリプルたち。
 闇の天魔たちとの戦いで疲れ果てていたみんなは、むさぼるように眠った。
 動物たちもリプルたちが戻ってきたことで安心したのか、輪になって眠った。

 次の日の朝は、まだ日が明けきらないうちに山を越えて、王都へと向かった。 
 やがて、夜明けが近づき、王都を囲む城門が見えてきた。
 動物たちの背にゆられているリプルたちは、心の底からホッとしていた。
 
 ジールの姿を認めた門番は、あわてて敬礼をすると、あたふたと門を開いた。
 大きな木の門がゆっくりと上がっていく様子に、シカとライオンが動物園で時折行われている動物パレードの様子を思いだしたのか、背筋をしゃんと伸ばしてゆっくりと歩き始めた。
 
 ライオンの背に揺られてまたグッタリしていたイザベスも王都に入ったことに気づいて、慌てて髪を押さえつけたり、襟元を伸ばしたりと、身だしなみを整えた。

 朝市に集まっていた王都の人たちは、門から入ってきた一行を見て、目を丸くした。
 それもそのはず、動物たちが一列に並んで行進してきたのだから。
 たちまち沿道には人だかりができた。

 イザベスを乗せたライオンが先頭。
 イザベスは、女優のようにシャンと背を伸ばして、あちこちにウィンクを飛ばしている。
 続いて、リプルとジールを乗せたレッドがゆっくりと歩いて行く。
 その後をマーサを乗せたシマウマ、ロッドを乗せたクロヒョウが歩いて行く。

 そして最後が、ハックションとくしゃみを繰り返しているペブルを乗せたダチョウだった。
 ペブルがくしゃみをする度に、ダチョウがビックリして飛び上がる。
 その姿を見ていた王都の子どもたちは、ペブルとダチョウを指さして笑った。

 一方、街の若い女の子たちは、めざとくジールの姿を認めた。
「まあ、あの方、王子さまそっくり」
「あの王子のそっくりさんと一緒に乗ってるのは誰?」
 ジールが声のした方を見るとキャーと黄色い声が沸き上がる。

 リプルは思わず身をすくめ、慌ててフードを目深にかぶった。
(これで、少し目立たなくできるかな? ジールって、想像していたよりも王都で人気があるみたい。やさしいし、見た目もカッコイイ、人気があるのも当然かも)
 こんなに近くにいるのに、その時、リプルには、ジールがすごく遠くにいる人のように感じられて少し寂しくなった。

 リプルのゆれる心に気づかず、ジールは「あれが、中央教会だよ。そのとなりの灰色の建物が裁判所だ。次の通りを右に曲がって川のほうに向かうと、大きな公園があるよ。いつか、リプルを連れていってあげたいな」と、王都のいろいろな場所をリプルに説明をはじめた。

 ジールが一生懸命に説明してくれるのを聞いたリプルは、フードの中でほほえんだ。
(また忘れるところだった。ジールは、ジール。王子という肩書きは、私たちの中では意味のないこと。と、思わなきゃ。ずっと友達でいるために、ね)
 
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