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11限目 レイラのストレス
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レイラは鏡の見てトメがタオルでまとめ上げた髪を鏡で感心した。
(これだけの長い髪をよくまとめられるなぁ)
ゆっくり湯舟につかると、全身を伸ばした。そして、炊事担当の佐藤タエコのことを思い出した。
顔以外を湯の中に入れてじっと彼女のことを考えていた。
(クソオヤジ。マジで何言ったんだよ)
レイラは眉を寄せて天井を見た。いつもの真っ白な天井を見上げてため息をついた。
(つうか、レイラはよくこの生活でやっていけたよな。殆どのことを親に決められストレスがたまんねぇのか? いや……たまったか)
レイラは二度の人生で前世で実の親に愛された記憶があるから、今の親との関係が手紙のみでも気にならないし勉強も苦手ではあったがやる意味は理解していた。今頑張れば将来に収入につながることも知っている。しかし、12歳のレイラにそれが分かったとは思えなかった。
これらがストレスになり、結果まゆらをいじめていたのだとレイラは思った。
(実の親からの愛情は見えねぇし、つうか、そもそもあるのか不明だ)
レイラは考えながら湯舟を出るとシャワーを掛けて浴室からでた。すると、トメが待っておりレイラの身体を丁寧に拭いてくれた。
「難しい顔しておりますね。何か考え事ですか?」
「……」
トメはレイラの身体をふき終わると保湿クリームをぬってから、彼女の着替えを準備しながら訪ねた。
レイラはなんて答えて良いか分からず何も言えなかった。
「レイラさんの中でも整理つかないことなんですね。時間がたくさんありますからゆっくり考えて下さい。思考することは素晴らしいですよ」
にこりとほほ笑みトメはレイラに服を着せた。
白から水色になるグラデーションのマキシ丈ワンピースだ。その上から透けているレースのカーディガンを着た。
(時間かぁ……。あるのか? 本当にゲーム内容がわからないと不便だって……それが普通だよな。未来がわかる方がおかしいか)
「そうですか」
「珍しく自信がないのですね。言葉……注意されて弱気になってしまいましたか」
「そんなことはないですわ」
(そんな事はねぇ。兄貴ごとの忠告なんて)
レイラはトメに促され鏡の前に座った。トメはレイラの後ろに行き、彼女の髪を乾かし始めた。髪が乾くと右の耳上あたりから編み込み、頭を一周させ耳の前にあるサイド髪のみ少し下ろした。
「どうですか? 女王様をイメージしました」
トメはにこにことバックミラーを広げ、髪全体がレイラに見えるようにした。
「確かに、雪の魔法を使う女王のような髪型ですわね。ありがとうございます。ありのままに生きますわ」
「応援しております」
「それではお出かけの準備をしてきますね。机の上の物は片付けて置きました」
(あ、朝もらった紙袋を机の上に置きっぱなしだったな)
トメはレイラにお辞儀をすると脱衣所から出て行った。彼女が出ていくとレイラはゆっくりと椅子から立ち上がり脱衣所を出て、玄関に向かった。
帽子をかぶり、靴を履いて外にでるとレイラの鞄を持ったトメが立っていた。
「行ってらっしゃいませ」
「行ってまいります」
レイラはトメから鞄を受け取ると、車の後部座席に座った。扉を押さえていたいつもの運転手が扉を閉めるとトメに頭を下げた。
(え……?)
今までそんな姿は見たことはなかった。いつもは一言会話して彼は運転席に乗る。
トメも運転手に頭を下げた。
「なぜ、トメさんに頭を下げたのですの? いつもしませんわよね?」
レイラは運転手が車に乗り込んだ瞬間に訪ねた。運転手は席に座ると身体をひねりレイラの方を向いた。
「そんなに重要な意味はありませんよ。無意識ですが、レイラさんに不愉快な思いをさせてしまったのでしたら大変申し訳ありませんでした」
「いえ、そんな事はありませんわ」
運転手が悲しそうに眉を下げたため、レイラは慌てて否定した。そして、それ以上その件については聞けなくなった。
「それでは出発致します」
運転手はそう言うと前を向き、車のエンジンをかけた。
レイラはトメの“机の上の物を片付けた”という言葉を出して鞄の中身を見た。そこにはまゆらと交換した眼鏡が透明の眼鏡ケースに入っていた。その時トメからもらった手紙もあった。その手紙に触れ、ゆっくりと進む車の窓からレイラは頭を下げているトメを見た。トメがどんどん小さくなって行くのを見てレイラは悲しい気持ちになった。
(トメ……)
トメが見えなくなるとすぐに、図書館が見えてきた。
車が止まったので鞄を持ち降りる準備をした。
運転手に扉を開けてもらうと、車から降りて黒いチョーカーを受け取った。その時に迎えの時間を確認した。
目の前の図書館を見ると、沈んだ気持ちが浮上してきた。心が穏やかになるとセミのなく道を図書館の入口に向かって歩いた。
館内のはいると一気に涼しい風が全身にあたり、汗がひくのを感じた。
レイラはすぐにいつもまゆらがいる場所へ向かった。部屋のはいると今日もまたパーカーとジーパンで勉強しているまゆらをすぐに見つけた。
(あれ、三つ編みじゃねぇ)
「レイラさん」
レイラが一歩部屋に入るとすぐに、まゆらは気づき勢いよく椅子から立ち上がると早歩きでレイラの元へきた。
「今日も会えてうれしいです」
満面の笑みでレイラを見上げるまゆらは可愛く、レイラは思わず顔を赤くした。
まゆらはレイラが眼鏡を渡したことにより周囲がよく見えるようになった様で目を細めず大きく開いていた。
「今日の髪型は素敵ですわね」
「本当ですか? 嬉しいです。昨日のレイラさんと同じにしてみました。頂いた眼鏡のおかげて世界が輝いて見えます」
まゆらは、頭の上でまとめた髪をレイラの見せたながら眼鏡を抑えた。
「本当はまゆらさんの視力をはかり、それにあった眼鏡の方が良いのですけどね。今度レンズを変えてください」
「……」
笑顔だったまゆらは急に顔を強張らせた。それを見てレイラは慌てた。
「ごめんなさい。何かご事情があるのですよね。よけな事を言いましたわ」
「いえいえ。そんなたいした事情でもないのです。ただ、あまり経済的に余裕がないので眼鏡までは出してもらえないのです。バイトとかできればいいのですが、私はまだ中学生ですし」
「高校いったらアルバイトをしますの?」
「高校……」
まゆらの声が小さくなり、レイラは不安になった。
「高校いきますわよね?」
(行かなきゃ、ゲームはじまんねぇぞ)
「……」
まゆらは目を伏せて何も言わなくなってしまった。下を向く彼女は震えている様に見えた。
レイラはまゆらの肩にそっと触れた。すると、彼女はゆっくりと顔上げた。その目は潤んでいるように見えた。
「まゆらさん。とりあえず座りましょうか」
「はい……」
小さな声で返事をするまゆらの背中にレイラは優しく触れて椅子へと促した。まゆらはそれに素直に従い、椅子へと向かった。
椅子に座ると、レイラは鞄から白い紙とペンを出した。まゆらはそれを不思議そうな顔してみた。
レイラは紙にペンを走らせた。
『色々事情ありまして、これから話ことは筆談でお願い致します』
これからレイラがまゆらに話ことは法に触れたり誰かを陥れるようなものではない。しかし、他者に聞かれてよい話でもなかった。
まゆらはレイラの字を読むとさっきまで落ち込んでいた顔がうっとりした顔に変わり頷いた。レイラは彼女の様子の変化に気づいて声を掛けた。
「大丈夫ですの?」
「あ、いえ……レイラさんの字があまりに美しくて……。その紙、欲しいです」
「え? これを? あ、そういえば、以前、私が字を書いたメモを渡しましたわよね」
「えぇ、でも……あれ、レイラさんか捨てろというので手元にはないのです」
まゆらは心底寂しそうな顔した。レイラはそれを見て眉毛をさげると、鞄から花柄のちいさなカードを取り出し、一文書きまゆらに渡した。
『ずっと、友達ですわ』
まゆらはそれを受け取ると目を大きく開き、嬉しそうな顔をした。漫画だったらバックに花がちりそな笑顔であった。
その、あまりの可愛さにレイラはつい見惚れてしまった。
「レイラさん……ありがとうございます」
(これだけの長い髪をよくまとめられるなぁ)
ゆっくり湯舟につかると、全身を伸ばした。そして、炊事担当の佐藤タエコのことを思い出した。
顔以外を湯の中に入れてじっと彼女のことを考えていた。
(クソオヤジ。マジで何言ったんだよ)
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(つうか、レイラはよくこの生活でやっていけたよな。殆どのことを親に決められストレスがたまんねぇのか? いや……たまったか)
レイラは二度の人生で前世で実の親に愛された記憶があるから、今の親との関係が手紙のみでも気にならないし勉強も苦手ではあったがやる意味は理解していた。今頑張れば将来に収入につながることも知っている。しかし、12歳のレイラにそれが分かったとは思えなかった。
これらがストレスになり、結果まゆらをいじめていたのだとレイラは思った。
(実の親からの愛情は見えねぇし、つうか、そもそもあるのか不明だ)
レイラは考えながら湯舟を出るとシャワーを掛けて浴室からでた。すると、トメが待っておりレイラの身体を丁寧に拭いてくれた。
「難しい顔しておりますね。何か考え事ですか?」
「……」
トメはレイラの身体をふき終わると保湿クリームをぬってから、彼女の着替えを準備しながら訪ねた。
レイラはなんて答えて良いか分からず何も言えなかった。
「レイラさんの中でも整理つかないことなんですね。時間がたくさんありますからゆっくり考えて下さい。思考することは素晴らしいですよ」
にこりとほほ笑みトメはレイラに服を着せた。
白から水色になるグラデーションのマキシ丈ワンピースだ。その上から透けているレースのカーディガンを着た。
(時間かぁ……。あるのか? 本当にゲーム内容がわからないと不便だって……それが普通だよな。未来がわかる方がおかしいか)
「そうですか」
「珍しく自信がないのですね。言葉……注意されて弱気になってしまいましたか」
「そんなことはないですわ」
(そんな事はねぇ。兄貴ごとの忠告なんて)
レイラはトメに促され鏡の前に座った。トメはレイラの後ろに行き、彼女の髪を乾かし始めた。髪が乾くと右の耳上あたりから編み込み、頭を一周させ耳の前にあるサイド髪のみ少し下ろした。
「どうですか? 女王様をイメージしました」
トメはにこにことバックミラーを広げ、髪全体がレイラに見えるようにした。
「確かに、雪の魔法を使う女王のような髪型ですわね。ありがとうございます。ありのままに生きますわ」
「応援しております」
「それではお出かけの準備をしてきますね。机の上の物は片付けて置きました」
(あ、朝もらった紙袋を机の上に置きっぱなしだったな)
トメはレイラにお辞儀をすると脱衣所から出て行った。彼女が出ていくとレイラはゆっくりと椅子から立ち上がり脱衣所を出て、玄関に向かった。
帽子をかぶり、靴を履いて外にでるとレイラの鞄を持ったトメが立っていた。
「行ってらっしゃいませ」
「行ってまいります」
レイラはトメから鞄を受け取ると、車の後部座席に座った。扉を押さえていたいつもの運転手が扉を閉めるとトメに頭を下げた。
(え……?)
今までそんな姿は見たことはなかった。いつもは一言会話して彼は運転席に乗る。
トメも運転手に頭を下げた。
「なぜ、トメさんに頭を下げたのですの? いつもしませんわよね?」
レイラは運転手が車に乗り込んだ瞬間に訪ねた。運転手は席に座ると身体をひねりレイラの方を向いた。
「そんなに重要な意味はありませんよ。無意識ですが、レイラさんに不愉快な思いをさせてしまったのでしたら大変申し訳ありませんでした」
「いえ、そんな事はありませんわ」
運転手が悲しそうに眉を下げたため、レイラは慌てて否定した。そして、それ以上その件については聞けなくなった。
「それでは出発致します」
運転手はそう言うと前を向き、車のエンジンをかけた。
レイラはトメの“机の上の物を片付けた”という言葉を出して鞄の中身を見た。そこにはまゆらと交換した眼鏡が透明の眼鏡ケースに入っていた。その時トメからもらった手紙もあった。その手紙に触れ、ゆっくりと進む車の窓からレイラは頭を下げているトメを見た。トメがどんどん小さくなって行くのを見てレイラは悲しい気持ちになった。
(トメ……)
トメが見えなくなるとすぐに、図書館が見えてきた。
車が止まったので鞄を持ち降りる準備をした。
運転手に扉を開けてもらうと、車から降りて黒いチョーカーを受け取った。その時に迎えの時間を確認した。
目の前の図書館を見ると、沈んだ気持ちが浮上してきた。心が穏やかになるとセミのなく道を図書館の入口に向かって歩いた。
館内のはいると一気に涼しい風が全身にあたり、汗がひくのを感じた。
レイラはすぐにいつもまゆらがいる場所へ向かった。部屋のはいると今日もまたパーカーとジーパンで勉強しているまゆらをすぐに見つけた。
(あれ、三つ編みじゃねぇ)
「レイラさん」
レイラが一歩部屋に入るとすぐに、まゆらは気づき勢いよく椅子から立ち上がると早歩きでレイラの元へきた。
「今日も会えてうれしいです」
満面の笑みでレイラを見上げるまゆらは可愛く、レイラは思わず顔を赤くした。
まゆらはレイラが眼鏡を渡したことにより周囲がよく見えるようになった様で目を細めず大きく開いていた。
「今日の髪型は素敵ですわね」
「本当ですか? 嬉しいです。昨日のレイラさんと同じにしてみました。頂いた眼鏡のおかげて世界が輝いて見えます」
まゆらは、頭の上でまとめた髪をレイラの見せたながら眼鏡を抑えた。
「本当はまゆらさんの視力をはかり、それにあった眼鏡の方が良いのですけどね。今度レンズを変えてください」
「……」
笑顔だったまゆらは急に顔を強張らせた。それを見てレイラは慌てた。
「ごめんなさい。何かご事情があるのですよね。よけな事を言いましたわ」
「いえいえ。そんなたいした事情でもないのです。ただ、あまり経済的に余裕がないので眼鏡までは出してもらえないのです。バイトとかできればいいのですが、私はまだ中学生ですし」
「高校いったらアルバイトをしますの?」
「高校……」
まゆらの声が小さくなり、レイラは不安になった。
「高校いきますわよね?」
(行かなきゃ、ゲームはじまんねぇぞ)
「……」
まゆらは目を伏せて何も言わなくなってしまった。下を向く彼女は震えている様に見えた。
レイラはまゆらの肩にそっと触れた。すると、彼女はゆっくりと顔上げた。その目は潤んでいるように見えた。
「まゆらさん。とりあえず座りましょうか」
「はい……」
小さな声で返事をするまゆらの背中にレイラは優しく触れて椅子へと促した。まゆらはそれに素直に従い、椅子へと向かった。
椅子に座ると、レイラは鞄から白い紙とペンを出した。まゆらはそれを不思議そうな顔してみた。
レイラは紙にペンを走らせた。
『色々事情ありまして、これから話ことは筆談でお願い致します』
これからレイラがまゆらに話ことは法に触れたり誰かを陥れるようなものではない。しかし、他者に聞かれてよい話でもなかった。
まゆらはレイラの字を読むとさっきまで落ち込んでいた顔がうっとりした顔に変わり頷いた。レイラは彼女の様子の変化に気づいて声を掛けた。
「大丈夫ですの?」
「あ、いえ……レイラさんの字があまりに美しくて……。その紙、欲しいです」
「え? これを? あ、そういえば、以前、私が字を書いたメモを渡しましたわよね」
「えぇ、でも……あれ、レイラさんか捨てろというので手元にはないのです」
まゆらは心底寂しそうな顔した。レイラはそれを見て眉毛をさげると、鞄から花柄のちいさなカードを取り出し、一文書きまゆらに渡した。
『ずっと、友達ですわ』
まゆらはそれを受け取ると目を大きく開き、嬉しそうな顔をした。漫画だったらバックに花がちりそな笑顔であった。
その、あまりの可愛さにレイラはつい見惚れてしまった。
「レイラさん……ありがとうございます」
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